東部動乱Part11
本当に長くお待たせしました汗
書きたいことがあるのに中々纏まらない……
少しでもいい作品にするため何か意見あれば感想お待ちしてます。
「うわっ、いきなり何だよ!?」
ジークの叫声が虚しく響き渡る最中……間近に居たレオナールは、両耳を抑え非難の声を上げていた。
「いきなり何だ……だと?」
ジークは、そんなレオナールの反応に一瞬呆気に取られ発言を繰り返す。そして、我に返ると同時に自らの思いを続け様に息巻いた。
「何だじゃないだろ!龍王種だぞ!あの龍王種を召喚したんだぞ!?お前は、ことの重大さを分かっていないのか!?」
「分かっているよ!でも、そんなこと言ったって召喚出来たものは仕方ないだろ!?それに、俺だって龍王種を召喚出来るなんて思いもしなかったんだ!況してや、7頭も契約出来るなんて思うわけないだろう!」
ジークの発言に対し、自分は悪くないと言わんばかりに声を荒げて反論するレオナール。
「仕方ないってお前なあ……いいか?龍王種と契約を3頭もす……………………ん?ちょっと待て、お前今……何て言った?」
ジークは、そんなレオナールを溜息を吐きつつ諭す様に話し掛けたのだが、レオナールの言い放った言動に引っかかりを覚え聞き返す。
「え?召喚出来たものは仕方ないだろ?」
「いやいや、その後だ。」
「……召喚出来るなんて思ってなかったんだ。」
「違う!」
「況してや、7頭も召『それだーー!!』喚…………え?」
レオナールは、復唱している最中、突如声を張り上げたジークに驚きの表情を浮かべる。
そして、当の本人であるジークは、左軍と右軍の上空にそれぞれ目を向けると力無く声を漏らした。
「そうか、そうだったな……まだ後4頭も居たんだったな……と言うことは、あの龍達もそうなんだよな?」
「……うん、龍王種と一緒だね。」
「はぁ……。」
レオナールの予想通りの返答に額に手を当て溜息を吐き俯くジーク。そんなジークは、暫し考え込むと吹っ切れた様子でレオナールに再度話し掛けた。
「……まぁいい。何を言っても変わらない事実だ。それにしても、一体いつから契約したんだ?」
「………………えっ?」
レオナールは、不意に来たジークの質問に冷や汗を浮かべ声を漏らす。
対してジークは、そんなレオナールの反応に疑問符を浮かべながら再度問い掛けた。
「えっ?じゃないだろ。一体いつからこの龍たちと契約したんだ?」
何気無い気持ちで問い掛けるジークに対し、レオナールは声を上擦らせながら声を発する。
「ああ、えっと、確か一年くらい前だった……かな?」
『『『……………………。』』』
過去何度となく訪れた静寂が場を埋め尽くした。一瞬にして凍りついた場の空気に龍王達は、それぞれが呆れる様に声を発する。
『流石、主なんだな〜。もう末期なのね。』
『私は、一種の才能だと思うよ。面白いし!』
『棒読みに加え声までも上擦らせおってからに……逆に成長してどうするんじゃ。もう何をやっても治らんじゃろうし、諦めも肝心かのぉ?』
「そこまで言わなくてもいいだろ!」
龍王達の容赦無い言葉にツッコミを入れつつ落ち込むレオナール。
そんなレオナールに同情する様にジークは、肩に手を置き話し掛けた。
「おい、レオ。まぁ何だ……裏を返せば正直者ということだしいいんじゃないか?気にすることでもないだろ。」
「父さん……。」
レオナールは、父の温かみのある言葉に振り返りながら声を発する。
しかし、ジークのその後の発言に急転直下追い込まれることとなった。
「だが、それとこれとでは話は別だ。魔物である龍でも分かる様な演技に俺が騙されると思うか?何年一緒に暮らしていると思っているんだ?」
「…………そう、だよね。」
腕を組み見下ろす様に立つジークを前に、レオナールは、思考する。そして、一度深く深呼吸をすると意を決した表情で言葉を続けた。
「えっと実は、今から5年前……正確には、4年半前になるかな?近くの森で龍王種を召喚したんだよ。」
「…………………………………………………は?」
レオナールは、ジークに対しありのままの事実を暴露した。だが、予想外の返答にジークは硬直する。レオナールは、そんなジークを横目に立て続けに語り始める。
「実は、父さん達に内緒で町の外に出ていたことがあるんだ。その時に召喚の魔法陣を書いて召喚したら龍王種≪こいつら≫が出てきたって訳なんだよ。」
我に返ったジークは、話について行けず疑問をそのまま口にする。
「おいおい、ちょっと待て!何を言っているんだ?」
「父さん、信じられないと思うけど本当の話なんだ。なあ、ルーメン。」
レオナールは、確認の意味を込めてルーメンに視線を向ける。
『そうじゃの。父君よ、信じられないのも分かるが偽りの無い事実じゃ。光龍王の名に誓って保証しよう。』
ルーメンは、ジークに対し真剣な眼差しで念話を送る。
「いや、だから待ってくれ!その時期で言うと、レオは7歳……まだ神託も受けていないのに何故召喚しようとしたんだ?召喚師の職業かどうかも分からなかったはずだろ?俺もソフィアも召喚師だとは微塵も思っていなかったのに何故レオは分かったんだ?そもそも、今でも信じられないのに更に5年前だと?龍王ともあろう者達がそんな子供に何故手を貸すんだ!?」
ジークは、ルーメンに対し様々な思いや疑問を爆発させる。
ルーメンは、そんなジークに笑みを浮かべながら語り始めた。
『フォフォフォ。焦るで無いわい。そうじゃのぅ……まず、儂らが召喚された経緯として考えられるのは、粉うことなきその絶大なる魔力じゃろう。主の魔力は、当時でさえも驚くほどじゃったか、年々更に増大しておる。まだ気付いていないようじゃが、既に儂等の魔力に並びつつある現状であり、いつ追い越しても可笑しくないじゃろうな。』
「「何っ(何だと)!?」」
ジークとレオナールは、ルーメンの言葉を聞き同じタイミングで声を発する。
そんな親子を横目にルーメンは、更に言葉を続けた。
「主の場合、魔力を有していても魔法を扱うことが未熟なんじゃよ。極めれば儂等のように魔法を扱うことも容易くなるじゃろう。その澄んだ絶大な魔力に気に入り、そんな子供の将来を見てみたいと思ったのも契約した理由じゃな。それに儂等龍王種は、転生を繰り返すことができる。たかだか人族の寿命を生きるなんて一瞬のことじゃしの。」
ルーメンがしみじみと語り終えると、それに反応するようにジークが声を漏らす。
「レオにそんな力が備わっていたなんて……。到底納得できるような内容じゃないが、光龍王がそう言うのであれば、それが事実なんだろうな。だが、根本の問題が分からない。レオは、何故召喚術を行使したんだ?普通なら召喚士よりも当時の状況を思い出すに魔法使いや魔法剣士を連想するはずだろう?」
『それは、主の加護による影響じゃろうな。』
「加護?」
「おいっ、ルーメン!?」
ルーメンの発言に驚きの声を上げるレオナール。
対してルーメンは、そんなレオナールに諭すように語り掛ける。
『主よ、もうそろそろアリウス以外の味方を得るべきじゃ。いずれお主の力は、隠しきれんものとなるじゃろう。事前に味方を増やしておくことは、悪いようにはならん。それに身近な人物である父君や母君なら受け入れてくれるじゃろうて。』
ルーメンの言葉を聞き、考え込むレオナール。
レオナールは、ルーメンの意見も一理あると考え真剣な眼差しでジークは見つめた。
「…………そうか、確かにルーメンの言う通りだな。父さん、今さらだけど隠しててごめん!今から俺のステータスを見せるよ。」
レオナールは、そう言いつつ左胸の内ポケットに入れていた紙の中から奇跡的に血が付かず無事だった用紙を手に取ると自らを鑑定し記載する。
名前 :レオナール・フォン・グリューゲル
性別 :男
年齢 :11
種族 :人族
レベル:35
職業:召喚士
スキル:召喚術レベル10
【火龍王 イグニス】
【水龍王 アクア 】
【地龍王 テラ】
【風龍王 ウェントス】
【雷龍王 フルメン 】
【光龍王 ルーメン】
【闇龍王 テネブラエ】
大剣術レベル8
盾術レベル7
火魔法レベル8
水魔法レベル7
風魔法レベル7
地魔法レベル8
雷魔法レベル7
光魔法レベル7
闇魔法レベル7
称号 :グリューゲル家嫡男
女神の加護(他者からの閲覧禁止)
(やっぱり、魔族を倒したことでレベルもスキルも上がってたか……あっ、転生者だけ消しておこう。)
レオナールは、レベルやスキルが上がっていることを内心納得しながらも鑑定結果を調整し書き終える。
そんなレオナールがジークに目を向けたその時、ジークは、レオナールの両肩を勢いよく掴み声を荒げた。
「レオ!お前、鑑定が出来るのか!?そうか、それで……。」
「取り敢えず落ち着け!その話は、後でするから先ずステータスをみて!」
荒ぶるジークを無理矢理鎮めステータスを書いた用紙を手渡すと、我に返ったかのようにジークはそれを読み込んだ。
再三の渡る静寂が訪れる中、用紙に目を奪われていたジークは、ハッと気づき声を響かせる。
「……って、なんじゃこりゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
「まあ、そうなるよね〜。」
『予想通りの反応なんだな。』
ジークの叫び声が再度響き渡る中、予想通りの反応を見せたジークに対しレオナールとテラは同様の意見を発する。
「おい、レオ!こ、これは、どういうことなんだ?11歳でレベル35だと!?龍王種は勿論のことだが、何だこの馬鹿げたスキルの数々は!?」
「全部説明するからとにかく落ち着けって言っているだろ!これが、女神様に頂いた加護なんだよ。この加護は、本来他者から気付くことができないんだ。神託の際にもこの加護がなかっただろ?」
「ああ、確かに。」
「そして、この加護には他にも色々恩恵があって、鑑定、偽装、習熟度アップ、経験値アップ、魔力量アップといった効果のお陰でこのステータスになっているんだよ。」
「……………………嘘だ、ろ?」
「悲しいことに本当のことなんですよね……これが……。」
苦笑を浮かべながら言葉を紡ぐレオナールに対し、呆然と立ち尽くすジーク。
「さて、どうしたものかな?」
レオナールは、そんなジークを見つめ一人今後の展開を考えるのであった。
何故ウェントスの暴風が止まっていたのか?
この話で明らかにしようと思ってましたが次回更新で明らかにします汗
よければ評価やブックマーク、勝手に小説家になろう投票お願い致します




