龍王種
沢山の感想ありがとうございます‼︎
賛否両論あるのは頭で分かっているのですが、やはり結構ダメージきますね…泣
更新を待ってくださる方々の為にも頑張って執筆していきたいと思います。
今回の話は少し長い説明回のようなものも含みますので悪しからず汗
良ければ評価やブックマークよろしくお願いいたします。
レオナールは、気持ちを切り替えアリウス達に向き直る。
「すまんな。ノリのいいやつなんだが、時々調子に乗りすぎるのが玉に瑕なんだよ。」
レオナールは、苦笑を浮かべつつアリウス達に再度謝罪した。
「そうなのか。私の龍王種のイメージが……。」
アリウスは、レオナールの言葉に引き気味に答える。だが、引いていたのはアリウスだけではなかった。
「ちょっとお待ち下さい。あの先程、火龍の王と聞こえたのですが、どういう意味でしょうか?」
リリルは、先程の件から終始青白い顔を浮かべている。
そして、ティアに至っては、腰を抜かし地面に座り込んだままの状態だった。
「疑いたい気持ちも分かるが、言葉通りの意味だ。この龍達は龍王種なんだよ。私もランクに目を奪われて後で気付いたが間違いない。」
アリウスは、事実を口に出してはいるが、自分でも信じられないような変な心境に陥る。
「りゅ、龍王種ーーーー⁉︎」
そんな中、アリウスとは異なるリリルの甲高い叫び声が練兵場内を駆け抜ける。
「おいリリル、まだ驚くのは早いぞ。」
更にアリウスは、追い討ちを掛けるように冷静にリリルに突っ込む。
リリルは、また一段と青白い顔を浮かべつつもアリウスに問いかける。
「どういう事ですか?」
「実は、この龍達はSSランクなんだよ。」
…………。
場を埋め尽くす再三に渡る静寂。
ティアもリリルも魂が抜けたかのように口を開けて龍達を見つめていた。
ルーメンは、そんな空気を切り裂く様にレオナール達に話しかける。
『主よ、話しが全然前に進んでおらんのじゃが、儂が代わりに話しても良いかのぉ?』
ルーメンの一言で、アリウス達もルーメンに自然と視線を向けた。
「あぁ、すまんな。ルーメンの方が分かりやすく説明できるだろうし頼むよ。」
レオナールは、龍王種のことやティアの件も踏まえてルーメンから伝えてもらった方が早いと考え了承する。
『相分かった。一つ一つ語るとするかのぉ。儂は、ルーメン……光龍を統べる龍王種じゃ。また、他の龍王種である此奴らを纏める長老でもある。
まず、儂等の事を語ろうと思うが……お主らが儂等を属性龍なんぞと勘違いしたのは、この見てくれもあるんじゃろ?違うかの?』
ルーメンは、アリウス達に視線を向けて語り始める。
アリウスは、ルーメンに問い掛けられ直ぐに反応した。
「はい、そうです。私も含め勝手な想像で申し訳ないのですが、古龍のような荘厳なイメージを持っておりました。
まさか、このように子龍の姿で居られるなんて夢にも思わず、お気を煩わせてしまい申し訳ありません。」
アリウスは、王であるルーメンに敬意を払いながら自らの考えを伝えた。
『儂等は今、主を持つただの召喚獣じゃ。そもそも取って食おうなんぞせんから、そんなに遜った物言いをせんでよい。儂等の中に、あの脳筋のように威張ろうとする者はおらんからのぉ。』
そういいつつルーメンは、今だアクアに叱られている寂しい背中のイグニスを呆れたように見つめていた。
『それはさておき、儂等が皆同じ時に生まれた理由も話さねばの。儂等龍王種は、死ぬ間際にそれまで得た知識や経験を持って転生する。……じゃが、本来全員が一緒に死ぬ訳もないし産まれる訳もない。
ここに全頭産まれているのは、ひとえに主によって召喚された際に過剰とも言うべき魔力が流れ込んできたからに他ならないんじゃ。主は、まだまだ使いこなせておらんがその身体には儂等でも驚く程の魔力を宿しておる。』
ルーメンは、そういいつつレオナールを見つめる。
俺って、そんなに魔力があるのか?
全然気付かなかったけど、思ってた以上に女神の加護って凄いのな。
レオナールは、自身の力に口角が引き攣る。
そんな中、アリウスがルーメンに話し掛ける。
「分かった。では、ルーメンと呼ばせてもらおう。貴方の話で、レオがより異常な事は分かった。『おい‼︎』ーー龍王種は、転生を繰り返すと聞いているが、何故貴方が長老となっているんだ?」
アリウスは、レオナールのツッコミを華麗にスルーしつつルーメンに問いかける。
『そうじゃのぉ。儂等龍王は、転生をする際に魔法を用いて転生するんじゃが、予期せず死んだ場合転生することは叶わんのじゃ。儂以外の此奴らは、龍王としては二代目になる。』
「えっ?どう言うことだよ?」
ルーメンの話にレオナールも割り込み疑問をぶつける。
『昔、この世界では一度だけ未曾有の危機に陥ったことがある。お主らの世界でも話が残ってるかもしれんが邪神ヴァイスの暴れた話じゃが知らんかの?』
ルーメンは、レオナール達に逆に問い掛け、ハッとした表情を浮かべたアリウスが答える。
「それって、もしかして童話に出て来る『七勇者と悪魔』のことか?七人の各属性の使い手が悪魔を討ち滅ぼす話の……。」
その話なら俺も聞いたことあるな。小さい頃に母さんが何度も寝る前に語ってくれた童話だ。様々な種族が力を合わせて世界を滅ぼそうとした悪魔を討ち滅ぼす話だった気がする。
『そんな風に伝わっとるとは知りもせんかったが、勇者なんぞと呼ばれる者はおらんかったぞ。
あの時、儂と先代龍王種、下級龍からなる眷属は人族等の味方をした。亜竜や他の魔物供は、邪神に味方を……いや、従わされていたと言った方が良いかのぉ。
儂等は邪神と文字通りの死闘を繰り広げ、人族等は、魔物や魔族を相手をして共に戦った。
結果……邪神は打ち滅ぼしてなんぞおらん。
儂以外の先代龍王は皆が息絶え、邪神もあと一つのところまで追い詰めたが依代である魔王から抜け出し逃げ切られた。
先代龍王種は、それぞれ全く別の龍王として知識や経験も無いまま生を授かり生まれるわけじゃ。
そして、彼奴は、邪神と言う名の神じゃが不死身ではない。精神体とも言うべき存在でもあるが、依代と共に倒せれば滅ぼせるんじゃ。
これは、かつて魔王と呼ばれ依代となっていた者が邪神が抜け落ちた後、正気に戻り死ぬ間際に教えてくれた事実じゃ……。
長々と話してしもうたが、儂等はいずれ現れるであろう邪神を今度こそ滅ぼす為に以前以上に力を蓄えている訳じゃよ。所謂、儂等の存在意義のようなものじゃな。』
ルーメンが語り終えると皆が一様に息を飲んだ。
レオナール達は、今まで聞いていた童話が実話であったこと。それも人族等の良いように改変された物語となっていたことや、邪神や魔王といった龍王種ですら勝ち得なかった存在の脅威に震撼した。
「そんなことがあったのだな……。すまない、変なことを聞いてしまって。」
アリウスは、自分の質問で嫌な過去を思い出させてしまったと思い謝罪する。
『いや、かまわんよ。いずれ主にも伝えようと思っていたことじゃ気にせんでくれ。まぁこれが、儂等龍王種の有り様といったところかのぉ。』
昔を悔しむ様に語り、レオナール達には優しそうに語るルーメン。
レオナールは、そんなルーメンに悪いと思いつつ一抹の不安をぶつける。
「すまんな、ルーメン。俺も変な事を聞いてしまって。ーーでも、一つ質問なんだが、もしかして、邪神や魔王は復活しているなんてことはないよな?」
レオナールは、尻すぼみに声を顰めながら生唾を飲む。
『そうじゃの。それは、儂等でも分からん。いつか間違いなく復活するじゃろうが、それが明日なのか数百年後なのか……既に復活している可能性も少なからずあるじゃろう。
仮に復活すると魔族や魔物供の行動が活発になる傾向があるのもまた事実じゃな。』
ルーメンは、淡々と自身の考えを述べた。
そして、忘れていたかの様に驚きの声をあげた。
『そうじゃそうじゃ‼︎本題を忘れるとこじゃったわい。ここまでで儂等に関する話は終いじゃ。魔族の話で思い出したが、本題はお主の話じゃよ。』
ルーメンは、そういいつつティアに視線を向ける。
ティアは、ずっと腰を抜かしていたが急に話題が自分に移り固まるのだった。
次回 呪い(仮)
今週日曜日18時〜19時頃には更新予定です。
因みに、最後までの大まかな流れは一応出来上がってます。とても話数が長くなりそうで…そこまで意欲が持つか分かりませんが頑張っていきます‼︎応援よろしくお願いいたします汗
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