聖女
ほぼほぼ下書きが完成していたのですが、ストーリーを一部変更すると雪崩形式で結局全て書き直してしまった…笑
訂正
魔術というのが語呂が悪いと御指摘を受けましたので魔術から魔法に修正します。
全話今後少しずつ修正いたします
今回の話は少し長くなります。では、どうぞ!
レオナールは、数秒程で我に返りティアのステータスを再度確認する。
光魔法を習得出来ているなんて…それもレベル12にしては魔法レベルが高いってものじゃないし…賢者の職業の恩恵でもあるのか?…それに、称号の聖女ってなんなんだ?……まあ〜取り敢えず賢者と聖女については、加護で詳しく鑑定したら分かるよな?
レオナールは、自問自答しながら考えに耽っていたが加護に頼ることにした。
因みにではあるが、火水風雷土…このそれぞれの属性は比較的習得しやすいため基礎5属性とされている。しかし、光魔法及び闇魔法に関しては、光魔法・闇魔法それぞれの習得可能な神官や死霊術師等の職業にならなくては一般的には習得出来ないとされているのだ。また、例え該当する職業であったとしても、スキルレベルアップに基礎5属性に比べると多大な研鑽を要するとされている。
職業:賢者
魔術師の上位互換職業
火水風雷土属性魔法の習得及びスキルレベルアップ大幅上昇補正
光闇属性魔法の習得及びスキルレベルアップ極微小上昇補正
魔力量大上昇
称号:聖女(他者からの閲覧禁止)
母神レティシアに認められし唯一の申し子。
光属性魔法の習得及びスキルレベルアップ大幅上昇補正
任意による指定人物に対し一定時間の対魔物・魔族特攻大幅上昇補正
…まじか。…だから、光魔法のレベルが高いのかよ…。
…ってか、閲覧禁止なのに何故俺が見えてるんだよ‼︎もしかして加護のおかげなのか?それしか考えられないよな?
レオナールは、目頭を摘むように押さえながら考察し、アリウスに視線を移す。
「アリウスちょっといいか?」
レオナールは、アリウスに声を掛けティア達から距離をとる。そして、レオナールを除く全員が首を傾げながらもアリウスは1人後を追いレオナールに話しかけた。
「どうしたんだ?」
「いや、一応まずお前に聞いてからティア達に伝えるか判断を仰ごうと思ってな。アリウス…聖女って言葉に聞き覚えあるか?」
レオナールは、二人から距離をしっかりおいたことを確認し問い掛ける
「…ん?何を言ってるんだ?聖女って、ラフィリス教会のあの聖女のことか?国宗なんだから知ってるに決まってるだろ?」
「え?この国に聖女っているのか?」
聖女が国にいるってどういうことだ?
ティアのステータスに唯一の申し子ってあるのに…聖女が二人いる?
レオナールが混乱している中、アリウスはさらに言葉を綴る
「いるから言ってるんだろ?でもまあ、聖女と言っても今では名ばかりの存在だがな…。数少ない光魔法を使える女性で、より強い力を持つ者が教皇に指名されているだけなんだよな。」
アリウスは、余程良い印象を持っていないのか眉を顰め不機嫌そうに呟いた
「そうだったのか…。でも、名ばかりの存在ってどういうことだ?」
「ん〜…レオ、お前はどうやって聖女が教皇に指名されるか知っているか?」
アリウスは、顎に手を添えながらレオナールに問い掛ける。そして、当のレオナールは首を左右に振った。
「そうだな…聖女について記録上に残っているのはここ400年ぐらいしかないのだが、ある問題点が浮き彫りになっているんだ。…実は、聖女の選抜されている人物が例外なく教皇や枢機卿といった教会の大幹部の娘や身内の女性からしか選ばれていないんだよ。だから、教会のトップ達は民からの寄付金で至福を肥やす馬鹿者共の巣窟になっているのさ。特に、今代の聖女は教皇の愛孫で我儘三昧…自分が気にくわないことがある毎に異端者扱いして民を裁いているんだ。」
「なんでそんな事になってるんだよ…。」
レオナールは、呆れた表情を浮かべる。また、アリウスも同様に苦い表情を浮かべる。
「私もいつから悪しき風習になっているのか分からんさ…私や父上もどうにかしたいのだ…でも、下手すれば王家が異端者扱いされ兼ねない、もし異端者扱いされよう者なら民達の反乱が起きてしまうからな。昔のようになれば良いと思うのだが…。」
アリウスは、遠くを見つめるように尻すぼみになりながら囁く
「昔のようになればいいって?」
「ああ…何でも今では最早伝説になっている話だが、聖女の起源となった逸話があるんだよ。一千年以上前に、ある小さな村で魔物の大氾濫が発生したそうだ。その村の住人は、あまりにも突発的な事故であったため皆が着の身着のままの状態で逃げ惑ったそうだ…。
だがな、そんな時に一人の少女が魔物達に立ち向かい強力な光魔法で魔物達を駆逐し、時には村人達を手当したらしい。そんな光景を目の当たりにした若い村人が一人…また一人と彼女共に戦ったそうだ。そこでな、当時その少女と戦った数人の人々が全員いつも以上に力を発揮出来て無事一人の犠牲を出すことなく魔物の大氾濫を乗り越えることができたんだとさ。
そして、その事件を機に民衆は少女を神の御使だ…聖女様だと大陸に広まり当時の教会が囲い込んだんだと…。まあ、私の知る限り過去の聖女達には、魔物に対して力を発揮できるなんて能力なんぞ聞いたことがないし、本当のあったのかは不明だがな。」
アリウスは肩をすくめて話し終わる。
対して、レオナールは、天を仰ぎながら溜息を吐いた。
要するに、昔の聖女は間違えなく本物だったんだな。それで、それ以降の聖女様は本物かどうかも怪しいってことか…。
『そうじゃろうな。儂も永く生きとるが確かに今思えば、そんな少女がいたかもしれんの…あまり覚えておらんがの……フォフォフォ。』
ルーメンも聞いたことがあるなら本物だな…。聖女になっていたとしても、閲覧禁止ということは魔眼でも鑑定石でも分からなかったってことだろうし、本人も気付かなかったんだろうな。だから、今では光魔法が強い女性ってだけで聖女扱いされるようになったんだろう…待てよ?なら……。
「なあ、もし仮に何だけどな…今、聖女は私だと新たに名乗りを挙げた場合どうなる?」
「決まってるだろ?聖女なんて確かめるすべもないんだから、偽物呼ばわりされるだろうな。下手すれば、神の御使を騙るわけだから異端審問に掛けられて最悪打ち首だな。実際、年に数件起こっているし。」
「だよな〜…。」
レオナールは、再度溜息を吐いて落胆する。そんな姿を見てアリウスは、痺れを切らして声を荒げた。
「だから、何なんだよ⁉︎」
「ごめんごめん。その…俺の能力でティアを鑑定したんだけどな…。俺の鑑定では、聖女って言葉が称号にあるんだよ…。」
レオナールは、口角を引きつけながらアリウスに答える。
「…………………ん?すまない。聞き間違いだと思うんだがもう一度言ってくれるか?」
アリウスは、頬を引きつけながら珍しく動揺する。
「だから、ティアが聖女なんだよ!それも、聖女の効果がさっきお前が話した伝説の通りの能力なんだよ!」
レオナールは、少し声を荒げて返答する。
「そ、それが本当なら一大事だぞ⁉︎それが、露見しよう者なら異端者扱いされることは必須だし、何といってもそれを実証する方法が無い……それに父上に報告しようにも信じてくれるわけが無い……レオ、お前の能力は一体どうなっているんだ?鑑定石や私の魔眼でも知り得なかった情報を容易く分かるなんて…それに能力が分かるなんてどういうことだ⁉︎」
「そんなの知るか⁉︎俺にもわかるわけ無いだろ⁉︎」
まあ、加護のお陰ですけどね…説明できるわけ無いじゃん。
「なあ、これどうする?ティア達に伝えるか?」
「言えるわけ無いだろうが‼︎例え、聖女の評判が悪かろうが1度認定されてしまえば偽物でも本物だ…。確かめる手段がレオしか持っていない現状だからどうしようも無い…。誰も信じないだろうからな…下手すれば、レオお前が異端者扱いされてしまうぞ。」
「だよな…。まあ取り敢えず判断は、アリウスに任せるよ。」
アリウスは、真剣な眼差しで頷くのだった。
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頑張って面白くストーリーができるように精進してまいります!
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