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【10/7 コミカライズ3巻発売!】悪役令嬢の矜持〜婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。〜  作者: メアリー=ドゥ
八大婚姻祝儀祭

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序節


 ーーー社交シーズンの終わり。


 夏の陽気も徐々に落ち着き、学生たちの卒業を迎えた秋の気配を感じる時期に、多くの人々が異国よりライオネル王国を訪れていた。


 王太子、レオニール・ライオネルの結婚式に伴って催される前代未聞の規模の祝祭を楽しもう、という観光目的の富裕層、あるいは外交を目的とする異国の為政者たち。

 さらには、近隣に住むライオネル王国民や、少しでも自らの領地の利になるよう立ち回ることを考える国内貴族。


 そうした人々の熱を呑み込んで膨れ上がっていく、王都の浮かれた空気の中心。

 

 一日だけ解放されたコの字型に囲まれた王城の中庭には、多くの国民が詰めかけて喧騒が響き、左右の建物のテラスにはそれぞれ、招待された有力貴族が椅子に座って歓談している。


 しばらくすると、重い太鼓の音が響き渡った。


 その音に合わせて人々の喧騒が徐々に鎮まり、ゆっくりと王城のバルコニーに姿を見せたのは、ライオネル国王陛下夫妻。


 祝いの日に、その姿を一目見ようと集まった人々の歓声が爆発し、夫妻は優雅に手を振って答える。


 しばらくしてまた太鼓の音が響いて歓声が収まると、コビャク・ライオネル国王陛下が口を開いた。


「この()き日を、皆と共に迎えられたこと、喜ばしく思う。正午の鐘を(もっ)て、王命により恩赦と施与を下賜する。存分に楽しむがいい」


 威厳ある声音と共に宣言が為され……教会の塔にある大鐘が王都の空気を震わせると、祝祭が始まった。


 


 ーーー八大婚姻祝儀祭。



 後にそう呼ばれて、歴史に刻まれる一週間のお祭りが始まった。


 主に開催に協賛したのは、名門と呼ばれる家門と、巨大な勢力を持つ組織。


 ライオネル王家。

 海外にまで影響力を持つ筆頭侯爵家である、オルミラージュ家。

 リロウド伯爵の実家であり、古き家門であるリロウド公爵家。

 バルザム帝国一の財力を誇る、ロンダリィズ伯爵家。

 軍閥の筆頭であるデルトラーデ侯爵家。

 前王国王家の血を継ぐアバッカム公爵家。

 そして〝国の穀物庫〟と呼ばれるオルブラン侯爵家と。


 聖女の婚姻を祝福する、聖テレサルノ教会。


 教会の敷地や緑地などでタダで炊き出しが行われ、表通りには市場から溢れ出した露店がズラリと並ぶ。

 

 街は飾られて国旗が所狭しと立てられて、王太子と王太子妃、共に婚姻する名家や英傑の結婚を祝う言葉がそこかしこで飛び交っていた。


 そうして、五組の結婚パレードが行われる三日目の朝。



 ーーーウェルミィ達女性陣は、戦争もかくやという慌ただしさに、飲み込まれていた。


 

 

結婚式、開幕。


ああ、多くの指摘があるので伝えておきますと、リロウド家には『伯爵家』と『公爵家』があります。


伯爵家は、ウェルミィの父クラーテスが貴族に復帰した時に与えられた一代貴族位で、それとは別に、実家として彼の弟(ウェルミィの叔父にあたる人物)が継いでいるリロウド公爵家があるのです。


 クラーテスの伯爵家に別の名前をつけてしまうと、ウェルミィがエルネストから名前が変わってリロウドの血筋なのに別の苗字、それからオルミラージュ夫人、みたいに描写がややこしくなるので、このような措置にしています。


 ご理解よろしくお願い致しますー。

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[一言] 再開ありがとうございます! 心待ちにしてました。 嬉しいです!
[良い点] 結婚式が楽しみです!
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