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【ノベル6巻発売中!】悪役令嬢の矜持〜婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。〜  作者: メアリー=ドゥ
第四部・表 導くは双玉。

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序節


 ーーーウェルミィ・エルネストが死んだ。


 彼女は、イオーラ・エルネストに一家ぐるみで非道な扱いを行い、さらには脱税をして国家背任の罪に問われた。


 ウェルミィ自身はその日の夜に、牢内で舌を噛み切った。

 発見したのは、今回の件の告発者が彼女だと知っていたエイデス・オルミラージュ侯爵。


 その件を知り彼女の母は錯乱、北の修道院へ送られた後に心を壊したという。

 

 その時、ウェルミィは、デビュタントの夜会でエイデス・オルミラージュ侯爵と接触しなかった。

 大広間に現れた際に、入口前でウロウロしていた一人の令嬢が存在せず、彼女を避ける動作をしなかったエイデスがそのまま大広間に入り、ウェルミィを抱き留めなかったからだ。


 ーーーウェルミィ・リロウドが死んだ。

 

 社交界に奇跡的に舞い戻った彼女は、精神操作の魔薬によって多くの令息を操り、王太子殿下までをもその餌食とした。


 その罪を暴いたのは、ダリステア・アバッカム公爵令嬢。

 【王太子殿下婚約披露パーティー】にて行われたその断罪劇により、ウェルミィは一時拘束。

 

 異論を唱えたのは、彼女を保護していたエイデス・オルミラージュ侯爵とパーティーにて王太子殿下の婚約者として紹介されたイオーラ・エルネスト女伯であった。


 しかしエイデス・オルミラージュ侯爵が、彼女の冤罪を主張して捜査を開始した直後、ウェルミィは何者かの手によって脱獄。


 その後、北にあるバルザム帝国内で潜伏していることが判明し、侯爵自身が確保に赴いたところ、脱獄を主導したオルブラン侯爵令息の側で死亡しているのが確認される。

 

 オルミラージュ侯爵は、その直後にオルブラン侯爵令息を殺害。

 消息を絶ってライオネル王国に舞い戻り、誘拐に関わった者達を殺し尽くした。

 その後、放心状態のところをレオニールの手で拘束され、陛下より采配を預けられた彼によって、処刑が決定した。


 その時、ウェルミィは聖女テレサロと接触しなかった。

 彼女は精神操作の魔薬に関する一連の出来事に関わる前に、聖教会の総本山へと居を移していた。

 テレサロの思い人であるソフォイル・エンダーレン騎士爵が、騎士団入団直後にその才覚を南部辺境伯に認められ、すぐさま南部辺境騎士団へと移籍したことが遠因だった。


 テレサロが想いを伝える機会を得られなかったのは、大公国から来た使者に足止めを食らわなかった南部辺境伯が、予定通りに王下直属騎士団を視察した為だった。


 ーーーミィが死んだ。


 その正体は、お遊びでオルミラージュ本邸に潜り込んでいたウェルミィだった。


 死因は、貞操を奪われたことによる契約魔術の発動。

 

 犯人は不明とされた。

 オルミラージュ侯爵による公式発表の裏で、ひっそりと一人の庭師と侍女として仕えていた別の少女が行方不明になった事実は秘匿された。


 ある日、二つの死骸がスラムで発見されたが、通りいっぺんの調査のみで身元不明として処理された。


 聞き込みで二人を目撃した人物によると、よほど酷い目に合ったのか体はボロボロで、心を壊したような顔をしていたという。


 そこには、ウェルミィが盗難冤罪事件を知るきっかけになった『傷顔』と呼ばれた少女と、茶色い髪の少女がいなかった。


 『傷顔』は、『傷顔』となる前に虐待死していた。 

 ルトリアノが『彼女が自分の実の娘である』という事実を、家を乗っ取った弟夫妻から聞き出さなかったからだ。

 その時、調べるきっかけとなった人物は、彼に接触しなかった。


 ーーーオルミラージュ侯爵夫人が死んだ。


 八大婚姻祝儀祭での披露パレードの最中に起こった痛ましい事故だった。


 空中でショーを行っていた飛竜二体が、隊列を乱して接触。

 墜落しかけた仲間の飛竜の体勢を立て直す代わりに墜落した、アーバイン・シュナイガーの乗騎が彼女の乗った地竜車を直撃したのだ。


 オルミラージュ侯爵は咄嗟に防御魔術の展開を行ったが、衝撃で倒れたウェルミィは頭を打ち、アーバインも全身を打撲し、そのまま帰らぬ人となった。


 アーバインは辺境伯領で、師としてその才覚を伸ばす『殲騎』レイデン・アバランテに出会わなかった。


 レイデンは辺境伯の誘いを断り、一人の少女の為に王都に残っていた。

 『婚約者様にご相談なさっては』と助言した、騎士団の下働きの少女がいなかったからだ。

 

 ーーーウェルミィは死ぬ。


 大公選定の儀に参加する為に大公国に赴き、王太子一行を狙った暗殺者から、エイデス・オルミラージュ侯爵を庇って。


 その犯行を指示するのは、ライオネル王国が取った態度を不快に思う一人の男。


 その前に、排除しなければならない。


 ーーーウェルミィは、様々な要因で幾度も死に続ける。


 ありとあらゆるほんの些細なズレが、彼女がオルミラージュ侯爵と生涯添い遂げる上での障害となった。


 何者でもない少女。

 賢く、演者としての力に優れ、朱の瞳の一族であること以外に、特別な祝福など何一つない少女。


 しかし、あらゆる歯車を最良の状態にする為には決して欠かせず、物事の中心に立つ少女。


 ーーーウェルミィを救え。


 ありとあらゆる想定の中で、たった一つ、彼女が生き得る状況を作り出せ。


 『夢』の中での、幾多の試行錯誤の末に、この世界は現在、最良の道を辿っている。


 ーーー1人の【魔人(フール)】の計画通りに。

 ーーー1人の【夢見(ナビィ)】の計画通りに。


 ーーー1人の【鏡像(アリス)】の、計画通りに。

本日、悪役令嬢の矜持2発売日ですー♪


久賀フーナ先生に描いていただいた美麗なイラストがご覧いただけますので、お買い上げいただけると嬉しいですー♪



挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[気になる点] え、えっ?!ホントにセーブ&ロード的な能力者が関わったりしてるの?!
[気になる点]  ーーー1人の【魔人フール】の計画通りに。  ーーー1人の【夢見ナビィ】の計画通りに。  ーーー1人の【鏡像アリス】の、計画通りに。 この中途半端な句読点は何かの伏線なのか?誤字な…
[気になる点] 「レイデンは辺境伯の誘いを断り、一人の少女の為に王都に残っていた。  『婚約者様にご相談なさっては』と助言した、騎士団の下働きの少女がいなかったからだ。」 ここの部分の話がどの章に出…
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