教皇の罠に填って断末魔の叫びを上げさせられました
私は声をかけてきた教皇を見つけると、ポーラを地面にそっと置いて前に出た。
私の後ろにはレックスがついてくれた。
レナードは上で邪魔が入るのを防いでくれているみたいで、魔術の爆発音が上の方で次々に聞こえた。
「やっと出てきたわね。変態!」
私は教皇が何か言い出す前に機先を制して言ってやったのだ。
こいつは黙っていたら絶対に私の悪口を言い出すだろう。
それにポーラをこのようにした教皇は私は絶対に許さないと決めていた。
「へ、変態だと……」
教皇は驚いた顔をした。
「竜娘、貴様言うに事欠いて猊下を変態呼ばわりするとは何事だ!」
後ろの黒服が叫んだが、
「ふんっ、学園を卒業したばかりの何の罪もない女の子を、拷問にかける男を変態と呼ばずして何と呼ぶのよ」
私が反論すると
「何を言うのだ。その女の罪は爬虫類を神と呼ぶ背教者の貴様と親しくしていたことだ。可哀相に貴様の友人だったばかりにこのような目に遭ったのだ」
教皇は何かほざいてくれた。
「何が爬虫類よ。ドラちゃんは竜よ。神聖な竜に対し爬虫類ってあなた目が悪いの? はあああん、だから変態なのね」
私はもう一度変態と強調してやったのだ。古代竜のドラちゃんをそんじょそこらの蛙とかと一緒にしてほしくない。そういえばこの教皇は何かに似ていると思ったら、どちらかというと顔がガマガエルに似ていた。
「それに似ていると言えばあなたの顔の方が爬虫類の蛙に似ているわよ」
「な、なんだと、竜娘。貴様は神聖なこの聖女教の教皇猊下を蛙呼びにするとはどういうことだ。貴様こそ、爬虫類を神とあがめる異端者であろうが」
「そうだ。わしは蛙ではないわ! 爬虫類の親玉よ」
教皇も黒服と一緒に叫んでくれた。
「爬虫類、爬虫類って煩いわね。神聖な竜神様を爬虫類呼びにするとはさすが変態ね」
「貴様、まだ言うか。所詮爬虫類の親分は頭まで爬虫類の思考回路なのだな」
私の言葉に教皇が言い返してくれた。
「ふんっ、もう良いわ、変態教皇! よくも私の友達のポーラに酷いことをしてくれたわね。ここで、成敗してあげるわ」
私はそう言うと名も無い剣を抜き放ったのだ。
「ふんっ、しゃらくさい。竜娘よ。逆に返り討ちにしてくれるわ。余に逆らったことを後悔するが良い」
教皇はにやりと笑ってくれたのだ。
私は何故、教皇がそれだけ余裕を持った態度でいられるかもっとよく調べるべきだったのだ。
その不気味な笑みの意味をもう少し考えれば良かったのかもしれない。
「喰らえ!」
私はそう叫んで突っ込んで行こうとした。
その瞬間だ。教皇が本当に笑ってくれたのだ。
「必殺竜殺し」
そして、教皇が叫んだ時だ。
突如教皇の後ろに巨大魔方陣が浮かび上がった。
とっさだったので、対処しようもない私めがけてその魔方陣から黒い煙の奔流が襲いかかってきたのだ。
そして、それは駆けだしていた私の頭に凄まじい痛みを与えたのだった。
「ギャーーーー」
私は痛みのあまり、頭を抑えてのたうち回ったのだ。
「ギャオーーーー」
そして、それは後ろにいたドラちゃんも同じだった。
二人してドタンバタンとのたうち回ったのだ。
私の頭は割れそうに痛み、私は目の前が真っ暗になったのだ。
「おい、リディ! 大丈夫か」
私に駆け寄ろうとした、レックスは現れた黒服に囲まれて、私の元にすぐに駆けつけられなかった。
「死ねえ!」
そう叫んで黒服が痛さに転げ回っている私に襲いかかってきた。しかし、頭を抑えてのたうち回る私は本能で男の剣をかいくぐると、脳天を蹴飛ばしていた。
「ギャーーーー」
男は飛んで壁に激突していた。
「痛い! 頭が痛い!」
「ギャオー、ギャオー」
私とドラちゃんは一緒にのたうち回っていた。
私達に攻撃を仕掛けようとした黒服は一人はドラちゃんの尻尾で吹っ飛ばされて、穴の開いた天井から外に吹っ飛ばされていた。もう一人は痛さで振り回す私の手に当たってそれも空に飛んで行った。
ドラちゃんはドシンバシンと壁にぶち当たって大聖堂がミシミシいい出した。
私は転がり回りながら、レックスを囲っていた黒服を蹴飛ばしていた。
「ギャーーー」
「グウォ」
「ドゥエ」
男達はのたうち回る私に巻き込まれて、四方へ弾き飛ばされていた。
「リディ!」
「近寄らないで!」
私によってこようとするレックスを私は叫んで押しとどめた。
「しかし」
レックスは必死に近寄ってこようとしたが、私は止めたのだ。
「おのれ、竜娘、しぶと過ぎるぞ」
教皇は思うように私が倒れないことにいらだっていた。
「こうなればもっと出力を上げてやる。最大出力だ」
教皇はそう叫ぶと何かスイッチを押してくれた。魔方陣が不気味な緑色に輝いて、更に多くの黒い煙の奔流が飛び出したのだ。
それは私とドラちゃんにまとわりついて、何故か私の頭に凄まじい痛みを加えたのだ。
「ギャーーーー」
私は次の瞬間、断末魔の叫び声を上げていたのだった
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
絶体絶命のリデイの運命やいかに?
次は明朝です。
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