側近の悪巧みで隣国を占領することになってしまいました
ごめんなさい
昨日順番を間違えて投稿してしまい、あわてて入れ換えました
本当にごめんなさい
「き、貴様ら、よくもこの国の王であるギンガルメ国王である俺様を馬鹿にしてくれたな。皆のもの、この男を捕まえろ」
ハワードの剣が首から離れた瞬間、国王は叫んでいた。
「ふん、ギンガルメ国王は、いや違って、ギンガルメ男爵は反省しないと言うのだな」
「何を言う。何が男爵だ。俺はこの国の国王だぞ。小国であるインスブルクの王族にすぎないリディアーヌ風情に何故男爵位に落とされる必要があるのだ」
ギンガルメ国王は叫んでいた。
私もその言葉の端々にはむかつく言葉もあったが、大筋はその男の言う通りだと思った。
「何をふざけたことを言っているのだ。ギンガルメ男爵。リディアーヌ様は新たに建国された竜王国の初代国王陛下であらせられるぞ。その領土はインスブルクはもちろんのこと、このギンガルメもシュタイン王国でさえも含まれる、大王国の竜王陛下なのだ。貴様のギンガルメなどその属国に過ぎない。それも貴様のこれまでの言動で、属国から直轄地の男爵領に先ほど変わったのだ」
「な、何を気の狂ったことを言っているのだ」
ギンガルメ国王がそう言ってくれた。普通はギンガルメ国王の言うことなど、絶対に聞くわけは無いのだが、この時ばかりは私は同意しそうになったのだ。本当にその通りだと思った。
「ええい、この気狂いを切り捨てよ」
ギンガルメ国王の命に従って騎士がハワードに斬りかかったが、ハワードの敵では無かった。
あっという間に、ハワードは斬りかかってきた男を一刀両断の元斬って捨てていた。
「ギンガルメ男爵、次はないと申し渡したはずだ」
ハワードは叫んでくれたけど……
いや、それって、絶対に聞くと思えないんだけど……
「愚かですな、ギンガルメも、ここで大人しく聞いていたら、死ななかったものを」
「ちょっと、レナード、あなた達わざとやってるわよね」
私がレナード達に言うと、
「これは姫様、異なことを。私どもは最低限、姫様のご意向を聞いた上でですな。ギンガルメにも、一応、生き残る道を残してやったのですぞ。それを使わないのはギンガルメの勝手ではないですか!」
「良く言うわね。こんなの納得するわけないじゃない」
レナードに私が反論すると、
「まあ、それより、姫様。兄嫁達をどうされます? ドラの助は、もう、離したそうにしておりますが」
私の問いをはぐらかせて、レナードが聞いてきた。そういえばドラちゃんがまだ咥えて飛んでいたのだ。兄嫁達は必死に何か叫んでいる。
「あなたたち、この兄嫁らがどうなっても良いのね」
「キャーーーー、お父様助けて」
「陛下、お助けください」
必死に兄嫁とかがギンガルメ王に頼んでいた。
「ええい、コーデリア! 貴様らは、作戦に失敗したあげくに、余計な奴らを連れてき寄ってからに!」
「何を言っているのよ、お父様が、爬虫類を信仰しているインスブルクの奴らは単純だから、騙され易いとおっしゃったんでしょ」
「何を言う。教会から金をかけて竜に効くという聖具を取り寄せて、貴様には与えてやったでは無いか。それを上手く使えもせずにこのように捕まって足手まといになって戻ってくるなど、今後同断じゃ」
「何言っているのよ。全然その聖具は効かなかったわよ。何が捕まえた後は奴隷にして竜や竜姫は見世物にでもすれば良いよ。全然歯が立たなかったのよ。どうしてくれるのよ!」
私はその言葉を聞いて完全に切れていた。
「私達を奴隷にして見世物にすれば良いですって! 誰に向かって言ってるのよ」
こいつらは許さない。
「ドラちゃん!」
私はドラちゃんに紐を離すように命じていた。
「えっ、やめてよ、リディアーヌ!」
兄嫁も今さら遅い。
「キャー」
悲鳴を残して、兄嫁達は湖の上に落ちて行った。
「全軍攻撃開始!」
私は叫ぶとドラちゃんに尖塔にぶつからせた。
ドシーン!
大音響と共に、尖塔がゆっくりと傾く。
「キャーーーー」
侍女達が悲鳴をあげるなか、大陸一の美城と吟われた城のシンボルの尖塔が湖に崩れ落ちた。
そのまま、私は城にドラちゃんを下ろした。
バキバキバキバキ
建物がドラちゃんの重さに耐えられずに潰れた。
ドカーン、ドカーン
「きゃーーーー!」
「敵が攻めてきたぞ」
「逃げろ」
王宮に次々に魔道爆弾が命中して、皆逃げ惑った。
「おのれ、爬虫類の化け物め! これでも喰らえ」
城壁の上から魔術師達が次々に火炎魔術で攻撃してきた。
「ギャオーーーー」
ドラちゃんは叫ぶや首を振りかざして、次々に火炎魔術を跳ね返した。
ドカーン、ドカーン、ドカーン
「ギャーーーー!」
魔術師達は次々に火炎魔術を受けた爆発に巻き込まれて吹っ飛んだ
そして、城壁が崩れ去る。
最後はドラちゃんが尻尾で残りの城壁を吹っ飛ばしていた。
テラスにいた騎士達の大半はハワードにやられていた。
10分後にはギンガルメ城は火の海になっていて、崩れ落ちたのだった。
大陸一美しい城は、ギンガルメ王朝の終焉とともに廃墟となったのだった。
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