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婚約破棄されたので下剋上することにしました  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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隣国への折檻状を作りました

 私と飛竜騎士団の面々によって、反逆勢力は一瞬で制圧された。


「姫様」

「竜姫様、万歳」

「姫様!」

 王宮に私が帰ってきたことで兵士達も、侍女達も文官達も皆歓迎してくれた。


 レナードや、マトライ、エイブ等は私に王位に就いてほしいみたいだったが、私は首を振ったのだ。

 お父様も私に譲るとか訳の判らないことを言ってくれたが、


「お父様。何を甘えたことを言っているのですか。お父様はまだ40です。隠居するなんて甘すぎます。お兄様をちゃんと矯正するのは全てお父様の役目です。私には私の役目があり忙しいのです」

 私ははっきりとお父様に言い切ったのだ。


「お前は何をするのだ?」

「まず、今回の無礼な娘を我が竜王国に送り込んできて、あまつさえ軍を派遣しようとしてきたギンガルメ王国国王に思い知らせてやらねばいけません」

「さすが、姫様。早速征伐して占領なさいますか」

「準備はすぐに出来ますが」

 何かエイブとマトライが言ってくれるんだけど……


「ちょっと、マトライ。準備が出来ているってどういう事よ」

 私が驚いて聞くと

「今回の反逆が起こってよりすぐに文官どもに命じて、占領計画を作案させております」

「ちょっと待って、それ以前に、この国の解放計画の方が先では無かったの」

「姫様がお戻りになればそれだけで勝てると思いましたし、事実その通りになりました」

 いけしゃあしゃあとマトライは言ってくれるんだけど……


「いや、それはそうかもしれないけれど……あなたひょっとしてシュタイン王国占拠計画も立てているんじゃ無いでしょうね」

「必要とあれば24時間以内に用意出来ます」

 私は頭を抱えてしまった。


「で、姫様。竜神様に無礼を働いたギンガルメ王国に降伏勧告を送りますか」

 エイブが嬉々として行ってくるんだけど

「ちょっと待ってよ。私でもいきなり占拠はしないわよ」

「ギンガルメの奴らはそのつもりだったと思いますぞ」

「まずはコーデリアを帰さないといけないと思うのよ」

「ああ、あの姫様が殴って顔の形が変わった姫様を送り返すのですか?」

 何か言い方がいちいちむかつくレナードが言ってくれた。


「そうよ」

 私は前の発言に納得は行かないが頷いた。


「頭を丸坊主にするので」

「何でそうなるのよ」

「竜神様への不敬罪です。本来ならばギロチンで処刑ですが、姫様は人の命を奪うのは嫌いでしょう」

「そこまで酷い事はしないわよ」

 私はそこで考えていたことを皆に説明した。


「儂の考えの方がまともに思えましたが」

 レナードがげんなりして言うんだけど……

「ギンガルメ国王の悔しがる様が目に浮かぶようですな」

「また、余計なことをしてくる前に、国王夫妻を処刑、国を占拠した方が良いと思いますぞ」

 エイブとマトライが言ってくれたが、

「良いのよ。一度は更生の機会を与えてあげないと」

 私が慈悲深く言うと

「二度手間ですな」

「あの傲慢国王が反省などしないかと」

「蛇の生殺しでは無いですか。一度で始末しないとギンガルメの国民が苦労しますぞ」

 三人が三人とも反対してきたんだけど、

「良いのよ! これでいくんだから」

「はいはい」

「姫様も苦労人ですな」

「何回もさせられる私達の手間暇も考えて頂きたい」

「じゃあ作戦開始よ」

 ブツブツ文句を言う三老を無視して、私は作戦準備をハワード等に命じたのだ。


 ハワード等は嬉々として作戦準備を始めてくれた。


「ハワード、折檻状は出来たの?」

 私は自ら書きたいと志願したハワードに効いた。

「はい、リディアーヌ様。こちらに出来上がりました」

 ハワードは喜んで見せてくれた。


「『傲慢な豚王へ』って、ちょっと、ハワードこれは無いんじゃ無い」

「そうですか? では『身の程知らずにも神聖なるインスブルク王国へ陰謀を企てた豚へ』ですかね」

「豚は変わらないのね」

 王相手に豚はどうかというと

「そもそも折檻状を送ること自体がどうかと思いますが」

「さようでございます。そのような手をかけずとも最後通牒を突きつけてやれば良いのです」

 レナードとマトライが言ってくれた。折檻状は前世では織田信長が家臣の佐久間信盛に送った物が有名だ。まあ、一介の王女が隣国の国王に送るのもどうかと思うが、ここは気分なのだ!


「ちょっとハワード、この『神の生まれ変わりの超絶美少女であるリディアーヌ様が告げるって何よ』」

 私は二人を無視して、ハワードに文句を言っていた。

「そうだ。妖精のように可憐なにしろ」

 レックスが余計なことを言ってくれて、

「いや、世界最強の戦神にしたほうが」

「いや、お姿を見ただけでドラゴンも逃げ出すリディアーヌ様にした方が良いですぞ」

「いや、山姥も逃げ出すにした方が現実的でしょう」

「ちょっと誰が山姥なのよ」

 三老の戯言に私が切れていた。


 結局折檻状は私自身が書くことにした。

 その夜ああでもないこうでもないと悩んで私は折檻状を書く羽目になってしまったのだ。




すみません。作戦決行は今夜です。

お楽しみに

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表紙画像

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表紙画像
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上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/

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