表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されたので下剋上することにしました  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/116

兄嫁に刺されました

「ようこそ、お待ちしておりました。リディアーヌ様」

 お父様のベッドの前に優雅にお茶を飲みながら待っている兄嫁、コーデリアがいたのだ。


「もっと早くお越しになると思っていたのですけど……」

「お義姉様のお国がいろいろ余計なことをして頂けたので、その対処をしていましたの」

 私はむすっとして兄嫁に言った。

「そうですの? 余計なことでは無くて、この国に必要なことだと思ったんですけど」

「どこがよ。この国にギンガルメの大軍を入れるなんて許されないわ」

 私がきっとして言うと、

「ビリー、お前そのような事を許したのか」

 お父様がきっとしてビリーを見た。

「リディの横暴を止めるためには仕方がないと判断しました」

 お兄様が平然と言ってくれた。

「私の横暴ですか?」

「そううよ。リデイアーヌ様。あなたの存在自体がこのインスブルク王国の未来に良くありませんわ」

「ふーん、義理の姉であり、他国のあなたにどうのこうのいわれる筋合いはないわ」

 私は言い切った。

「小国が巨大な戦力を持ったところで、大国に取り込まれるか、邪魔者として処分されるかどちらかですのよ。あなたは既に大国から目をつけられております。そんな者がこの国にいるのは国にとって迷惑以外の何者も無いですわ」

 なんか兄嫁がブツブツ言ってくれた。

「それがどうしたの?」

「だから、ここで、あなたには終わって頂くだけです」

「ふーん」

 私は兄嫁が何を余裕ぶっているのか全然判らなかった。


「これが何かご存じ」

 兄嫁は緑に輝く貴石を取り出した。

「その石ころが何なの?」

 私には全く判らなかった。

「ほら、ドラちゃん、お食べなさい」

 兄嫁はドラちゃんに手を出した。

 その瞬間、ドラちゃんは目を輝かせたのだ。

 そういえば私は忘れていたけれど、ドラちゃんはとても食い意地が張っていた。


「ピーーーーー」

 と鳴くと一気に小さくなって、なんと恩知らずにも私の元から兄嫁の膝の上に飛び乗って兄嫁の手から貴石を受け取ると嬉々として舐めだしたのだ。


「これは竜石と言って、我がギンガルメ王国に伝わる竜を虜にする石ですの。古竜王国の竜も最後に、ギンガルメ王国の王女の手にあったこの石で王女のペットに成り果てて、古竜王国は滅んだそうですわ」

 そう言うと兄嫁は笑ってくれたのだ。

 妖艶に。


 私は食い意地の張ったドラちゃんにつくづく愛想が尽きた。

「リディ、俺はお前にいつも勝てなかった」

「何言っているの? 文官の能力は私はお兄様に勝てないでしょ」

「そんなのは誰でも出来る。俺はまったく竜に相手にされなかったんだぞ」

 お兄様が叫んでくれた。

「いや、国王は何も竜に愛されずとも」

「何を言っているんだ。竜王国の国王が竜に愛されなくてどうする。俺はお前と違って、竜に愛されていない。付き合う期間が短いからと思って、お前がいない時も必死に竜の世話をしたのに、竜は俺に対して見向きもしなかったんだぞ」

 お兄様はきっとしてドラちゃんを見た。

「でも、これで竜はお前の物では無くて、コーデリアのものだ。もう、俺は竜に見向きもされない王太子だと陰口をきかれることも無いんだよ」

 兄が必死に叫んでくれた。


「黄金竜を侍らせた女がインスブルク軍の全軍の指揮権を持つのでしたわよね。なら、今は私がインスブルク軍の全権を握っているということですわ。さあ、リディアーヌ様。私に降伏なさい」

「出来るわけ無いでしょう」

 兄嫁が言ったが、私は首を振ったのだ。


「そうですの。なら仕方がありませんわ。リディアーヌを拘束しなさい」

 兄嫁が一緒に来た騎士団長等に命令した。

 でも兄嫁が命じても誰も動かなかった。

「何をしている。皆の者、コーデリアの言うとおりに動け」

 兄が叫ぶが、誰も何も動かなかった。

 代わりにゆっくと兄たちに近づいた。

「な、なんで誰も動かないのです」

 兄嫁は少し焦りだした。

「コーデリア様。リディアーヌ様はあなた様のような偽りの竜姫では無くて、生まれながらの竜姫様なのです」

 後ろから来た騎士団長が言ってくれた。

「何ですって! 私は今はこの黄金竜の主になったのですよ」

「そうだ。この竜の主はリディで無くてコーリアのはずだ」


「はああああ」

 私は盛大なため息をついてあげた。

「食い物でつっているだけでしょ。ドラちゃんに何か命じてみなさいよ」

「ドラちゃん、この女をやっつけて」

 兄嫁は叫んだが、ドラちゃんは大きくあくびしただけだった。

「そんな馬鹿な。ドラ、リディをやっつけろ」

 お兄様が叫んで命じたけれどドラちゃんは無視した。

 そうだ。ドラちゃんに命じられるのは私だけなのだ。


「いい、お兄様、お義姉様。今回の反逆の件。いろいろ思い悩むこともあったのでしょう」

 私は言ってあげた。

「何を言っている。竜王で無い男は国王に相応しくないとずうっと言われた貴様に判るか! リディ様が王になられれば良いのに、何故ビリー様なのだと、重臣どもに言われ続けられる事がどういう事か貴様に判るか」

 お兄様は叫んでいた。

「それがどうしたのよ。インスブルクなんて小国の王女なんて王太子の婚約者に相応しくないって散々言われた私と何が違うのよ」

 私は叫んでいた。

「お兄様は少なくとも統治能力は私よりあったでしょう」

「竜姫である貴様に、そうでない俺の思いなんて判るか」

「ああ、そうね。判らないわよ。でも、それでお父様を刺すお兄様の心も判らないわ」

「父に裏切られた俺の思いが判るか」

「いや、違うぞ、ビリー、俺はこの国をお前に譲ろうとしてだな」

「嘘をつくなよ、親父。竜から愛されない俺を見限って竜姫のリディを呼び戻そうとしたんだろう。コーデリアがそうに違いないと言っていたぞ」

「いや、ビリー様、陛下はビリー様に継がそうとなされていたのですぞ」

 宰相が言いだした。

「私が反対しましたが、陛下はそのためにあなたのを呼ばれたのです」

「そんな、ばかな事があるか」

 宰相の言葉にお兄様は叫ぶが、

「事実だ。ビリー」

「そんな……」

 お父様の言葉にお兄様は唖然としていた。

 私達がお兄様に注意を向けていた時だ。


 兄嫁が突然手元にナイフを出して、私に突き出したのだ。


 ブス!


 私はそれをスローモーションを見るように見ていた。

 信じられないことにブスリと兄嫁の差し出したナイフが私に突き刺さっていたのだ。



いきなり刺されたリディの運命やいかに

続きは今夜です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の次の作品はこちら

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://book1.adouzi.eu.org/n9267kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ