表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の祖父は創造神 ~管理する世界でのんびり過ごす現人神~  作者: 名無しの戦士
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/221

第10話 初めてのダンジョン攻略 その2

 町の外へ赴いたショウは、ナビリスが目の前に表示してくれた半透明の地図を見ながら、下級ダンジョンへ向かっていた。


オーウェンの町にあるダンジョンと言っても、言葉通りに街のど真ん中にドンと置かれているわけではない。


 今ショウが向かっているダンジョンは、オーウェンの町から西側の門を出て、そのまま西に見える森に一直線に徒歩で約一時間ほどの距離を、石畳で整備された道を歩いた先にある。


 冒険者の街として栄えている都市、オーウェンの町。ダンジョンまでの道が綺麗に整備されており、城門の入り口にはダンジョンで狩った魔物を運ぶために荷馬車を行き来させている商会もいる。石畳を外れた両端には屋台がそこら中にあり、美味しそうなタレをつけた魔物の串焼きや、氷の魔導具を使ったひんやりとした飲み物、ランプなどの雑貨品、さらにはポーションや毒消しなどを売っている屋台もある。


 森の入り口にはコンクリートの柵で覆われた立派な砦が設置され、中には荷馬車が大量に何台も用意されている。砦の横に設置された食堂が冒険者たちで賑わっており、二階は泊まれる部屋があるようだ。砦の城門入り口のすぐそばに大人数の冒険者相手に対応出来る広い受付が設置されており、槍を持った門番係の兵士たちが楽しそうに喋っている。受付まで近づくと、一人の兵士がこちらに気づき、ショウに話しかけてきた。


「おーい、君もダンジョンに潜るのかい?それなら、ギルドカードを提出してくれるか」


 どうやら、ここの受付で出入りの管理をしているらしい。


「どうぞ」


「…Dランクか。よし、門を潜っていいぞ。だが、その前にこちらの書類に名前とランクを記入してくれ」


 紙と羽根ペンを渡されたショウは名前、冒険者ランク、職業を記入して兵士に渡し、門の中に入った。砦の中には魔物の死体を運ぶために集まった冒険者や、探索を終えて食事をする者、怪我を負った冒険者が治療を受けに行く者もいる。


「銀貨5枚で支援魔法かけますよー! 三人で一人タダですよー!」


 得意な魔法で小遣い稼ぎをしている魔法使いもいる。


 奥へ進むと、砦の奥に三つの巨大な建物が薄っすらと見えてくる。


 オーウェンの町にあるダンジョンの入り口は三つとも隣同士で固まっている。砦の中に入ってきたパーティーに入っておらず、防具を一切身に着けず、一本のロングソードだけを腰にぶら下げた青年に、食事をしていた冒険者たちが疑わしい目線を向けてきたが、ショウは気にせず三つの建物へ歩き続けた。


 手荷物を持たず、ロングソード一本だけをぶら下げて歩き続けるショウは、周りの冒険者たちから異質に見えた。ちょうど近くを歩いていた冒険者のパーティーから一人がショウに寄ってきた。


「おい、君。見たところDランクになったばかりの新顔だが、ソロで挑むほどダンジョンは甘くないぜ。それにゴブリンの棍棒一発食らったら死にそうな軽装備だ。パーティーを組んでから潜った方がいいぜ」


 がっしりとした体つきで傷だらけの鉄製プレートメイルを着込み、ロングソードを背中に背負い、腰に投げナイフやポーションが入ったウエストポーチをつけた、同い年ほどに見える青年がショウに忠告を呼び掛ける。


「ん? 気にするな。今日はダンジョンがどんな所か確認しに来ただけだよ。ちょっと見たらすぐ戻るよ」


『ちょっと見たら攻略するんでしょ? 全く…』

『何を言ってるのかな、ナビリス君。言葉通り、僕はちょっと見たら帰る予定だよ?』

『信用できませんね…』


「おぅ…そうか。まあ気をつけろよ! じゃあな」


 疑わしげな目つきをショウを眺めた冒険者は手を上げながらそう言って、パーティーの元へ戻っていった。


 真っ直ぐ整えられた道を進み、三つの建物に着いた。


 ショウは左の建物に入った。ここが今日挑戦する下級ダンジョン『獣の洞窟』だ。


 中に入ると、そこは意外に広々とした空間がショウを出迎える。正面に石で囲われた開口があり、左の広場には身を覚えがある魔法陣が地面に映し出されていた。


「(これは転移魔法陣?どうして物騒な魔法陣がここに…?)」


 転移型の魔法陣は確かに便利だが、扱いを間違えると空間が大変なことになる。


『……というわけです』

『分かった。ありがとう、ナビリス』


 不思議に思ったので、ショウが知る限り一番物知りなナビリスに尋ねてみると、この世界に存在するダンジョン全てに帰還用の転移魔法陣が使われており、洞窟型のダンジョンには五階層ごとに設置、塔型のダンジョンでは全階層に安全に帰還できる魔法陣が設置されているようだ。他の世界より難易度は甘めだが、謎が解けたので、他のことを気にせずダンジョンに踏み込んだ。



『獣の洞窟』


 下級ダンジョンの一つで、Dランクのパーティーが二週間で踏破できる目安とされる。


 階層は計20階まであり、準備さえ怠らず慎重に挑めば攻略できるダンジョン。入り口は大きな石で覆われ、地面は石畳で整えられていた。光が無く、真っ暗だが、ショウには神眼があり、昼間と変わらない明るさで見えていた。目の前に表示させた地図通りに進み、10分もせずに下に降りる階段を発見した。


 ――つまらない。


 地下2階は上の階とは違い、土や岩が剥き出しになった通路が広がっていく。変わらず目の前に表示された地図通りに進んでいく。分岐点を右折すると、少し先に魔物を発見した。


 見慣れたゴブリン。

 足を止めず瞬殺した。


 ――つまらない。


 ――つまらない。


『一気に進む』

『かしこまりました』


 瞬殺されたゴブリンを放置、先に進むことにした。


 ショウは目にも止まらない速度でダンジョンの中を走り抜けていく。魔物、冒険者、転移魔法陣。。全てを無視し、真横を走り抜けていくショウに、魔物や冒険者が反応して振り向くが、何もいなかった。


 45秒後。そのまま10階まで降りると、目の前には大きな扉があり、その周りには冒険者たちが休憩していた。


 ナビリスから教えてもらった情報によると、ダンジョンの各10階には門番がおり、倒すことで下の階に降りられるそうだ。


 ショウに気づいた冒険者たちがその装備に驚いているが、誰も何も言ってこなかった。


 視線がショウに集中していると、目の前の扉が開いた。どうやら、先の人が終わったらしい。


 ショウは扉が開いた瞬間を狙い、目に留まらぬ速度で中に入り、鎮座するリポップしたばかりの門番を一閃で真っ二つにし、下の階に降りた。この間に経った時間はわずか2秒。ショウの軽装に驚いていた冒険者たちは、いつの間にか消えていた彼に混乱した。


 11階に降りた後も、雷より速い速度で進んでいった。20階でも同じことをして依頼品のミノタウロスの角を手に入れた。20階の門番を倒して現れた扉を開き中へ進むと、そこは何もない空間だった。いや、一つだけ、奥の台座にはバスケットボールほどの大きさの宝玉、ダンジョンコアが置いてあった。普通なら、このダンジョンコアに触れた瞬間、ダンジョン攻略者として地上に転移される。


 しかし、その前に一つ確認することがあった。


「(見つけた…本物のダンジョンコア)」


 今の場所から遥か地下深くに4畳ほどの大きさの部屋がぽつんとあり、その中央に本物のダンジョンコアが置いてあった。


 しかし、本物のダンジョンコアは壊さない。壊すとこのダンジョンの機能が停止し、全てが崩れるからだ。それゆえ、全てのダンジョンには偽物のダンジョンコアに触れた瞬間、攻略となる。人類からしても、一つでもダンジョンが崩れると生活が大変になるだろう。


 結局ショウは、偽コアに触れて地上に戻ってきた。


『ほら、ちょっと見て戻ってきただろ?』

『ええー、そうですねー』


「(あれ? ものすごい棒読み)」


 彼女の機嫌を直すのにダンジョン攻略より時間を掛けるショウであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ