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レベル99冒険者による、はじめての領地経営  作者: 藤崎
Episode 1 レベル99から始める領地経営 第二章 実践編

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2.ドワーフの里が抱える問題(後)

お待たせしました。後編です。

「メインツ鉄鉱山は、水晶を食らう怪物(クォーツ・ビースト)に荒らされて水晶しか産出しないようになっているんだろう?」


 疑問の形にはなっているが、実際はただの事実確認に過ぎなかった。

 ストレートすぎる物言いに、ミランダ族長を始め、周囲のドワーフたちから驚愕の視線を向けられる。


 錆を食らう怪物(ラスティ・ビースト)の亜種である水晶を食らう怪物へ、邪なる神は錆を食らう怪物と同様に自給自足の能力を与えた。

 錆を食らう怪物は周囲の鉄を錆に変え錆を食らい、同様に水晶を食らう怪物は周囲の鉄を水晶に変え、水晶を食らう。

 錆を食らう怪物と並び、ドワーフたちにとっては悪夢のような存在だ。


「どこでそれを……」

「神に聞いた」


 アルシアたち神に仕える司祭が使用する神術呪文の中には、信仰する神に祈りを捧げ、能動的に天啓や神託を受けるものがいくつかある。

 多少の準備は必要だが、大司教(パトリアーチ)の資格を持つアルシアならなんの問題もない。


「あと、少し先に石炭が掘れる場所があるんだよな。最近、ジャイアントの群れが棲み着いているけれども」


 こちらは、昨日メインツにやってきた時、ついでに上空から確認している。


「ふむ。つまり、租税を払わなかったのではなく、払えなかったのか……」


 水晶を食らう怪物は、気づいた時には、もう手遅れだったのだろう。そして、ジャイアントの群れになど手を出せるはずもない。

 驚きと怒りと屈辱に、ドワーフたちはなにも言えなかった。


「これからは、そうはならないさ」


 ヴァルトルーデが自責の念に駆られないよう、この街の住民が不安をぬぐえるよう、ユウトは努めて明るい声で言った。


「水晶を食らう怪物の存在も、悪いことばかりじゃない」

「ワシらドワーフに、水晶でなにをさせようと言うのじゃ? 宝飾品に加工させるのか? それとも、粉末にして顔料にでもせよと?」


 ミランダ族長の言葉に、ユウトは無言で首を振った。


「ただの水晶だったら、それくらいしか使い道が無かったな」

「どういう意味じゃ?」

「これは、ヴァイナマリネンの爺さんから借りてきたんだが……」

「ヴァイナマリネンとは、もしやあの大賢者のことか?」


 族長の驚きに、ユウトはヴァイナマリネンの名前を出すべきではなかったと後悔する。周囲のドワーフも、その名に圧倒されていた。


 雰囲気を変えなくては。


 ユウトは、無限貯蔵のバッグから取りだした青みがかった黒い鉄鉱石を、わざと大きな音がするようにゴトリと転がす。

 すると、さすがにドワーフと言ったところか。未知の鉱石へ、一斉に視線が集まった。


「これは、玻璃鉄(クリスタル・アイアン)というらしい。自然界だと、偶然、水晶と鉄が混ざって生まれる希少鉱石だとか」

「玻璃鉄……じゃと?」


 さっきから驚き方っぱなしの族長に気付き、ユウトは少し笑いそうになる。

 隣で表情を変えずに黙っているヴァルトルーデのお陰でなんとかこらえ、玻璃鉄を掲げて周囲に見せながら話を続けた。


「水晶を食らう怪物は、こちらで始末する。問題はその後、玻璃鉄をどう使うか」

「それも……」

「神に聞いた」


 なぜ玻璃鉄を産出するようになったと断言できるのか。当然とも言える疑問に、ユウトは簡潔に答えた。

 身も蓋もないが、同時にブルーワーズで英雄と呼ばれるような冒険者たちであれば珍しいことでも無い。困ったものだと、ユウトも思う。


「しかし、玻璃鉄とは……」


 実物を前にしていないからか、族長や周囲の反応は今ひとつ鈍い。


「名前程度しか聞いたことがない故、どう扱ったものか……」

「ああ、なるほど……」


 水晶と鉄が混ざると別の鉱石になるなど、ユウトからするとファンタジーすげえとしか思えない。

 多元大全で調べたケイ素鋼とも、また違うようだった。まあ、魔法銀(ミスラル)やアダマンティンが実在する世界では、今更だろう。


 そう思っていたのだが、ドワーフたちも実は同じ困惑を抱いていたのだ。


「ヴァイナマリネンが言うには、魔法との親和性が高いらしいけど、実は、俺も特性とか、詳しいところは知らない」


 無責任に言い放つユウト。その顔には、イタズラを仕掛けようという子供のような笑みが浮かんでいる。間違っても、伯爵家の家宰とは思えない。


「特性を調べ、鍛えるのは、メインツに残る者の仕事だ」

「しかし、それでは……」

「準備のための金も用意してある」


 またしても、ユウトが先回りして族長の口をふさぐ。

 横に置いていた無限貯蔵のバッグをまさぐり、金袋を取りだした。もちろん、ひとつだけではない。

 その口を開けると、金貨がまばゆい光を放つ。


「金貨が五千枚ある」


 日本円にして五千万円を前にしていると思えないほど簡単に、ユウトは言った。


「好きに使ってくれていい。ただし、期限は三ヶ月だ。それで成果がでなければ、メインツ鉱山は閉鎖する」


 そうなったら、鉱山街であるメインツ自体も解体。いずこかへ移住することになるだろう。

 暗にそう言って、決断を迫る。


「しかし、これほどの大事ワシ一人では決められぬ。皆で、話し合わねば……」


 金に目が眩まない、良い族長だ。

 だが、悠長にはしていられない。ユウトが更に言葉を重ねようとしたところ、横からヴァルトルーデが声を上げた。


「話し合いというのは、ここにいる皆でということか?」


 ミランダ族長がゆっくりと頷く。


「ユウト、そっちは私が引き受けよう」


 そう言って、ヴァルトルーデも無限貯蔵のバッグに手を伸ばした。今度はそこから、酒樽が姿を現す。

 それを横に、女騎士は凜とした声を張り上げた。


「ドワーフは、皆酒豪と聞く。そこで、ひとつ勝負といこうではないか」


 本当は、ちょっとした手土産にと用意していたものだ。ユウトも、この展開は予想外。


「私と飲み比べをして、負けたら族長の方針に従ってほしい」

「領主様に賛成をしろ……ではないのですか?」


 出稼ぎドワーフのリーダーを任せられたトルデクが恐る恐る聞く。


「族長の方針に従うのと、私たちの案に賛成するのは同じことだ」


 自信満々に言い切るヴァルトルーデ。

 それに触発されたのか、周囲のドワーフたちから声が上がり始めた。


「そんな酒樽ひとつで、俺たちを酔い潰そうというのか」

「無論、そんな礼を失する心づもりではない」


 無限貯蔵のバッグから、次々と酒樽が姿を現す。

 これには、ドワーフたちも驚きに目を丸くする。


「さあ、誰からだ?」


 まるで戦いに赴くかのように、ヴァルトルーデが挑戦的に微笑む。


 実に美しく、気高かった。





 族長との話し合い――内実は、単なる条件の確認だったが――を終えて大広間に戻ったユウトが見たのは、ほろ酔い加減で言いしれぬ色香を放っている主人の姿だった。


 少なくとも表面上は平静を保ちながら、しかし、やや広めの歩幅でそんなヴァルトルーデのもとへと移動する。


「こっちは、片が付いたぞ」

「うん。一目瞭然だよな、これは」


 視界にはドワーフたちの兵どもが夢の跡も広がっていたが、努めて意識の外に追いやっていたのだ。ドワーフが全員が酔いつぶれて屍山血河となっているなど現実と思いたくはない。


「ドワーフ女王の遺産の探求。あの時の話を肴に飲んでいたらな、いつのまにかこうなっていた」

「お、おう……」


 ヴァルトルーデは、ドワーフたちが勝手に酔いつぶれたと言いたいのだろう。

 言いたいことは分かる。


 しかし、信じろというのは酷な話だった。


「こっちも、首尾は上々だよ」


 だから、ユウトは自らの報告に話を変える。


 ミランダ族長との話し合いは、順調と言うよりは他に選択肢が無いと表現すべきだろう。

 玻璃鉄に関して、ヴァイナマリネン経由で可能な限り情報を提供すると約束をしただけで、玻璃鉄の研究にあっさりと合意に達した。


「しかし、玻璃鉄など私も初めて聞いたぞ。どんな金属なのだ?」

「俺も詳しくはないけど、鉄と水晶の特性を合わせ持つとか、魔法との親和性が高いと言われてるようだな。上手く加工すれば、魔術師も金属製の盾や鎧を装備できるとか」


 魔術師を代表とする理術呪文の使い手がローブを好むのは、おしなべて筋力が低いのに加えて、素材を問わず盾や鎧が魔力や発動に必要な導引を阻害するが故である。

 どういう理屈かは不明だが、玻璃鉄にはそれを緩和する特性があるというのだが……。


「うむ。分からん。鉄と水晶は別のものだろう」

「大丈夫だよ。俺も専門家ってわけじゃないから」


 専門家どころか、ただの高校生だ。

 しかし、玻璃鉄の加工は勝算があると見込んでの提案でもある。


「そうか。ならば、さっさと片付けるべきだな」


 アルコールの影響など微塵も感じさせない所作で、魔法銀の鎧を身に着けたままのヴァルトルーデが立ち上がった。

 違いと言えば、わずかに頬が赤らんでいる程度。彼女の美しさを強調する役割しか果たしていない。


「しかし、随分飲んだな」


 見た目からは想像もできないが、ヴァルトルーデは飲む。


 ザルだ。


 普段は飲むより食べる方を好むが、飲むとなったらいくらでもいける。胃袋が異次元に繋がっているんじゃないかと、ファンタジー世界の常識を疑ったほどだ。


「普通だろう?」


 平然と答えるヴァルトルーデに、これ以上の追及は無駄だと、ユウトはあっさり白旗を揚げた。


「というわけで、鉱山の水晶を食らう怪物とジャイアントどもをなんとかするぞ」

「それは良いが、水晶を食らう怪物はなぁ」


 モンスター退治が族長から突きつけられた条件だが、珍しくヴァルトルーデが難色を示す。視線の先には、討魔(ディヴァイン・)神剣(サブジュゲイター)と魔法銀の鎧。


 冒険者にとって、自分の装備は命の次に大事。


 水晶を食らう怪物など、何匹集まってもヴァルトルーデにとっては赤子をひねるように始末できる相手だが、装備をやられるかも知れないとなると、どうしても躊躇してしまう。

 ヴァルトルーデの反応も分かりきったことだったので、ユウトは族長の邸宅から外を目指しつつ説明する。


「そっちは、さっくり俺がなんとかする。ヴァルは、ジャイアント担当な」

「あの……」


 その時、遠慮がちにトルデクが声をかけてきた。

 まだ動けるドワーフがいるとは思っていなかったユウトは驚きの声を上げそうになるが、ぐっとこらえる。

 威厳は保っておきたい。


「同行させてもらっても、よろしいでしょうか」

「いいよ。一緒に行こうか」


 安請け合いと言われかねないほど簡単に、ユウトが了承した。


「ええっ!? 本当にいいんですか?」

「騎士に二言はない」


 ユウトから教わって以来お気に入りになったフレーズで、ヴァルトルーデも請け負った。

 実際、道案内は誰かに頼むつもりだったのだ。


「まずは、鉱山へ案内してくれるかな?」

「は、はい」


 トルデクがあわてて二人の前に出て、街の西側を目指す。


「あの……。母、族長も、皆さんが女王の遺産を見つけ出してくれたことは知っているし、感謝もしているんです」

「それとこれとは、話が別だって言うんだろ? まあ、俺も最近、分かってきた話だけどさ」


 好悪でも善悪でもなく、利益と損失で判断しなければならない。

 つまり、政治だ。


「私には向かない世界だな」

「その通りだけど、もう少し取り繕おうな?」

「私は、嘘は吐けぬぞ」


 そんな心温まるやりとりをしつつ、歩くこと一時間ほど。

 そろそろ昼時といった頃に、坑道の入り口に到着した。


 水晶も利用価値がないわけではないが、鉄ほどドワーフたちの琴線を刺激しないのだろう。一目見て寂れたと分かる鉱山だった。


「それで、具体的にどうするのだ?」

「要するに、武器が金属じゃなければ良いんだよ」


 その手段は準備済みだ。

 懐から呪文書を取りだし、8ページ破って宙に放る。呪文書のページは膝の高さぐらいで静止し、淡い光を放ち始めた。


 光が徐々に強くなる。


「《天上獅子の招来(ビーストランズ)》」


 まばゆいばかりの光は一瞬。

 光が収まると、そこには黄金に輝く獅子が八体現れていた。


「ひっ」

「ほう。なかなか可愛いな」


 体長は一般的なライオンよりも一回り大きな5メートルほどか。そんな野獣、それも群れが側にいるのだ。トルデクの反応は当然と言えた。そもそも、ライオンを見たこと自体初めてだったのかも知れない。

 しかし、ライオンは命令を待ち、ユウトの方を見てその場から動こうとはしない。それを裏付けるかのように、瞳には知性の光が灯っていた。


 それも当然。彼らはただの野獣ではない。


《天上獅子の招来》は、天界に存在するという聖獣の野に住まう、聖別された獅子を招来する呪文なのだから。


「あの坑道の中のモンスターを駆逐してきてくれ」


 ガオオオオオンンッッ。


 ユウトの命令に、ライオンたちは遠吠えで答えた。そして、のっそりと移動を開始する。


「…………」


 トルデクは、驚きで声も出ない。恐らく、頭の中も真っ白になっていることだろう。


「ユウト、これは初めて見る呪文だな」

「そうだな。第八階梯の呪文なんだが、最近俺たちが戦ってた敵が規格外だからさ。ソレスタル・ライオンでも足手まといになっちゃうもんで、使い道がなかったんだよ」


 それに、《瞬間移動》の人数制限にも引っかかってしまう。使い勝手が悪いためお蔵入りになっていたのだが、状況によってはこの上なく役に立つ。

 臨機応変な呪文選択。これこそ、魔術師の真価だ。


「ええと……」

「大丈夫だよ。3時間もすれば聖獣の野に戻るから」

「は、はい……」


 野生化して棲み着いたりはしないと先回りして説明をしたが、トルデクは今ひとつ釈然としないようだった。

 きっと、そういう問題じゃないと言いたいのだろうが、こればかりは慣れてもらうしかない。


「そんじゃ、ジャイアントでも掃除に行くか」

「こ、これからですか!?」

「うん? そうだけど」

「そうだな。私は、なにも仕事をしていないからな。酒を飲んだだけだ」

「いやぁ、あれはあれで助かったよ。それに、あれだけ飲めれば、ひとつの特技だろ」

「むう……。それはあれだ、ユウトが飲まないだけだ。私をうわばみみたいにいうのは、そのせいだ」

「だから、俺は高校生だから飲酒は……っと、さっさと仕事を済まそうぜ」


 知り合ったばかりのドワーフにまで、痴話喧嘩などと言われたくはない。

 ユウトは呪文書を破り、三人に《遠距離飛行(オーヴァーフライト)》の呪文をかけた。


「おわっ」


 トルデクが、突然の浮遊感に戸惑いの声を上げる。


「ほら、掴まって」


 昔の自分を見ているような微笑ましい気分で、ユウトが手を差しのべた。

 ごつごつした皮膚。がっちりとした感触。

 職人の手だった。


「あ、ありがとうございます」


 おっかなびっくり宙に浮き、空を飛んでいるという実感に包まれていく。初めての経験だが、トルデクの中で、期待感が恐怖感を上回りそうだ。


「さて。じゃあ、ジャイアントの群れを皆殺しにしようか」

「え、ええええーーーー」


 トルデクの絶叫が後ろに流れていく。


「まあ、見ているだけで良い。すべて、私が片を付けるからな」


 横を飛ぶヴァルトルーデが大船に乗ったつもりで安心しろと請け負う。


 実際、その通りになるのだが。


 ジャイアントたちが住処にしている石炭の採掘場――石炭が露出していて、露天掘りが可能だ――には、一時間もせずに到着した。


 眼下には、原始的な集落が広がっている。


 体長10メートル前後の、マウンテン・ジャイアントの一団。

 遠目では分かりにくいが、近隣から奪った家畜を丸焼きにしているようだった。歌のつもりなのか、耳障りな騒音も風に乗ってかすかに聞こえてくる。


 交渉――話が通じるのであれば、ユウトもまずはそうしただろう。


 しかし、ブルーワーズでは邪神の寵愛を得て悪の相を持つクリーチャーが存在し、彼らは人間たち善や天秤の相を持つ生き物たちにとっては不倶戴天の関係。

 譲り合って共生などできない。あのジャイアントたちは家畜を食べているが、人間でもドワーフでも、その気があれば丸呑みにするだろう。

 改心もしない、生まれながらの悪。

 地球生まれのユウトにはなかなか受け入れがたい事実だが、眼下のマウンテン・ジャイアントたちは、ゴブリンやコボルドと同じ、駆逐すべき敵なのだ。


「《大震(アースクエイク)》」


 上空。

 ジャイアントたちが気付かない高度から、ユウトが呪文を発動する。《大震》、一定の範囲に地震を起こす第八階梯の呪文だ。


 突然の事に、眼下のジャイアントが混乱しているのが分かる。中には、転倒している者もいるようだ。

 ジャイアントの意識がすべて、揺れる地面に集中する。頭上の彼らに気付く様子は全く無かった。

 そもそも、頭上からの攻撃など気にする理由もない。

 普通は。


「では、行ってくる」


 ちょっと散歩に出かけてくるといった風情で、ヴァルトルーデが落下していく。

 戦乙女のように空を駆けた聖堂騎士が討魔神剣を振るい、あっさりとジャイアントの首を刈り取った。

 重力に従ってヴァルトルーデよりも大きなジャイアントの頭が地面に落ち、いくらか遅れて体もどうと崩れ落ちる。


「凄い……」


 その一部始終を見ていたトルデクが、唾を飲み込みながら恐怖とも感嘆とも判別できないつぶやきを漏らした。


「確かに、あれは真似できないな」


 支援する気はあったのだが必要がない。そのため、トルデクと同じく観戦者になっていたユウトが、彼の感想を逃さず反応した。


「いえいえいえいえ」


 首をぶんぶん振りながら、力一杯の否定。


「アマクサ様だって、凄いじゃないですか」


 いつの間にか様付けだった。


「まあ……そうかな?」


 否定しようと思ったが、常識に照らし合わせたところ――できなかった。


 気の利いたことも言えず、視線を戦場に移す。


 だが、後は同じことの繰り返し。

 棍棒や投石で立ち向かってくるジャイアントもいたが、偶然の助けもなく空振りを続けるだけ。

 ヴァルトルーデが十数体のジャイアントを駆逐するのに、それほど時間はかからなかった。

徐々にですが、お気に入りの登録数なども増えています。

とても励みになります。ありがとうございます。

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