134/720
欠けた物を重ねて※この会話はカラカスから遠く離れた地で行われています。
「どうだい。イシュムカネー」
「妻と一緒じゃないと、うまくいかないね。残念だよ。オメテオトル。君の依頼を伝えようと一度帰ってみたら、彼女は死んでいた。これでは完全な占いはできない。せめて予言の神、テスカトリポカが手伝ってくれたらいいんだけどね。彼の血脈は、僕たちを隔絶して久しい」
「そうか。まあ、テスカトリポカは仕方ないし腹立たしい。君の妻の死は僕には些細だけど悲しいね。イシュムカネー。女の穴が恋しければいつでも言ってくれ。僕は両方あるから。老人の君に抱かれるとか、身の毛がよだつがね」
「ははは。オメテオトル。君みたいな背反の神の穴を借りたいと思うほど、若気は満ちていない。僕は妻だけで良いよ」
「それは未練がましいが尊い思考だ。しかし、困ったね。外来種は今日、『僕の末端』に接触したんだ。物凄く血の遠い『末端』だ。遠過ぎて場所も時間も状況も焦点が合わない」
「じゃあ、力を合わせようじゃないか。オメテオトル。君が『末端』から受け取る不完全な感覚。そして僕の不完全な占い。2つを重ね合わせれば、完全に近づくかもしれない」
「ありがとう。イシュムカネー。じゃあ、そうしようか」




