第18出撃　強敵・猪型ロボ

「出てきたヨ〜、まさかお前達がウサギロボのパイロットだったなんてヨ〜」

　やっぱり俺達の事がバレていたようだ。

「なんでここが分かったんだ」

　俺は一番の疑問を聞いてみた。

「簡単な話だヨ〜！！　俺は再戦する為にババアの車に発信器をつけてたんだヨ〜」

　発信器?

　車に?

　後で外しておかなければ。

「後の心配なんて必要ないヨ〜」

「どういう事だ！！」

「それは、今日がウサギロボの命日だからだヨ〜、ターボタックル！！」

　猪型ロボが突進してきた。

「亮くん！！　回避して！！」

　晃子の声で俺は緊急回避出来た。

　発信器の事を考えてたから反応が遅れていたのだ。

　声をかけてくれなかったら、直撃していた。

「良く避けたヨ〜！！　でも、どんどん行くヨ〜！！」

　猪型ロボのタックルは、攻撃する毎にスピードが上がっている。

「攻撃しなきゃ勝てない、亮くん！！　黄金人参を入れて」

　温存したかったが仕方がない。

　俺は黄金人参を入れた。

　これで残りのゴールド人参は後2つか。

　大事に使わないと。

『キャロニウムエネルギーチャージ率220％』

　避けるだけで15%も使っているのか。

「晃子、次の回避と同時に反撃だ」

「分かった」

　猪型ロボの攻撃をギリギリで回避した。

　もう、これ以上回避出来そうもないが、反撃の準備は出来ているのだ。

「晃子！！」

「うん、キャロニウムガン発射！！」

　キャロニウムガンが猪型ロボに全弾命中した。

「なんだヨ〜！！　今の蚊みたいな攻撃はヨ〜！！」

「効いてないの！！」

　キャロニウムガンの攻撃は確かに命中した。

　狐ロボと熊ロボには効いたのに何故?

「不思議がっているヨ〜！！　理由は新しい強化装甲ヨ〜！！」

「強化装甲?」

「お前達が、狐と熊のバカコンビを倒したデータはもうアニマル帝国にて分析済みヨ〜、流石にキャロニウムソードは無理だが、キャロニウムガンくらいなら耐えれる装甲にしたんだヨ〜」

　マジか。

　こんなに早く対策されるなんて。

　でも……。

「お前バカだろ。キャロニウムソードが弱点って言っているようなものだぞ」

　キャロニウムソードは耐えられないと自分で言っている。

「その理由はもうすぐ分かるヨ〜」

　自身満々のボタンだ。

「なら、お望み通りキャロニウムソード！！」

「行くわよ！！　最大加速」

　ウサギロボのスピードをマックスにする。

「最大出力・兎ピョン！！ピョン！！け〜ん」

　マックススピードからのキャロニウムソードだ。

「これで終わりだ〜！！」

「甘いヨ〜！！」

　猪型ロボが視界から消えた。

　ウサギロボの攻撃は空を切った。

「分かっただろうヨ〜、どんな強い攻撃も当たらなければ意味ないんだヨ〜」

　俺と晃子は言葉が出なかった。

　キャロニウムソードで捉えられるスピードではなし、キャロニウムガンではダメージを与えられない。

「さて、まだこのボタン様の実力は、こんなもんじゃないヨ〜」

　確かにまだ猪型ロボはタックルしかしてきていない。

　それでここまで追い詰められている。

「どうしたら……」

　絶対絶命とはこの事だろう……。