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人参機神ウサギロボ  作者: テイル
16/46

第15出撃 暴走の婆ちゃん

毎週月曜日更新中。

「勝負は次のサービスエリアまでだからヨ〜」


 次のサービスエリアまでだから。

 パーキングエリアはいくつかあるが、サービスエリアとなるとかなりの距離がある。


「分かったじゃ」


 婆ちゃんは返事をしてしまった。

 もう覚悟を決めるしかない。

 

 俺達は婆ちゃんの車に乗り込んだ。


「……乗りたくない……」


「……私も……」

 

 つい本音を口にしてしまった。


「いいから、さっさと乗るんじゃ、まぁ儂に任せるんじゃ」


 婆ちゃんは自身満々だ。

 でも、相手はアニマル帝国だ。

 普通の車で勝てるのか?


「あのさ婆ちゃん、相手はアニマル帝国なんだよ」


「分かっておるわ!!」


 分かってる?

 嫌な予感がする。


「よし、始めるヨ〜」


 いつの間に用意したのか、シグナルランプが設置してあった。


 婆ちゃんとボタンは同時にエンジンをかけた。

 いよいよ、地獄のスピード勝負の開始だ。


 ピピピ、ピー!!


 シグナルが青に変わった。

 

 2人は同時に走り出した。

 アクセル全開で走り出す婆ちゃん。

 ボタンの機体とのスピードはほぼ互角。


「ヘイヘイヘイヨ〜、なかなかやるじゃないかヨ〜」


 どうやらスピードは同じらしい。

 まぁ、今はだろうけど。

 アニマル帝国の機体がこんなスピードのはずがない。


「なんじゃ、アニマル帝国とやらはそんなものか」


 婆ちゃんがボタンを煽りだした。


「婆ちゃん!! そんな事しなくても!!」


「そうきたかヨ〜!! ならば、これならどうヨ〜」


 ボタンがスピードを上げた。

 やはり本気ではなかったようだ。

 でも、婆ちゃんの車は180キロのマックススピードが出ている。

 これは負けたな……。


 負けを確信した。


「やはりスピードはあやつが上か……、ならば!!」


 婆ちゃんが何かのボタンを押した。

 

「緊急ウサギ加速装置オンじゃ!!」


 車は信じられないスピードで走り出した。

 後ろを見てみると、ロケットみたいに火を吹き出しながら走っている。


「婆ちゃんこれは?」


「黙ってるんじゃ!! 舌噛むぞ!!」


 横の晃子はぐったりしだしている。

 やはり車酔は治ってなかったようだ。

 まぁ、治ってたとしても無理だったと思うが。

 俺も気持ち悪いし……。


「なんだヨ〜、なんてスピードだヨ〜」


 ボタンの機体をあっと言う間に抜かし、暴走している。


「こっちも限界突破だヨ〜」


 ボタンも全力を出したのか、婆ちゃんの車とスピードは互角だ。


 デッドヒートが続いていく。


「サービスエリアだ!!」


 ゴールのサービスエリアが見えた。


 そして……。


 ゴーーール!!


「どうなったんじゃ?」


「ヘイヘイヘイヨ〜、やるじゃないかヨ〜、引き分けだヨ〜」


 結果は引き分けらしい。


「婆さんのくせにやるヨ〜、また勝負しようヨ〜」


 そう言って、ボタンは去っていた。


 やはり俺達がウサギロボのパイロットだって事はバレてなかったようだ。


 でももう会いたくない相手だ。

 

「なかなかの相手じゃったの、ほれ、先を急ぐか」


「暫く休ませてくれ……」


 俺も晃子もとうぶんまともに動けそうもなかった……。 

本作をお読みいただきありがとうございます。




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感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

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