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不遇召喚師と異世界の少女達~呼び出したのは、各世界の重要キャラ!?~  作者: you-key
第1部【出逢い】篇 4章《残虐の女王が求めるもの》
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168話【それぞれの場所で】



◇それぞれの場所で◇


 装甲車【ランデルング】、その車内。

 木箱の中に、(ざつ)に入れられた大量の《石》。

 それを(のぞ)き込む小さな人影があった。


 “悪魔”リザ・アスモデウス。

 自分が居ぬ間にお仕置(しお)きが決められているとも知らずに、リザは木箱を(あさ)る。


「――これだけ大量の《石》があれば……!私は姿を取り戻す(すべ)も……フフ、フフフ……フフフフフフフフっ」


 “魔王”の力になるべく、リザは(たくら)む。

 それが無謀(むぼう)な事と分かっていても、行動せずにはいられなかった。

 リゼは異世界人でありながら《契約者》を持たない。

 フィルヴィーネやローザ達は、エドガーと言う《契約者》を()て、この世界に(てき)した身体と能力を()ているらしい。

 ならば自分はと、先程の話し合いの最中(さいちゅう)も考えていた。


 この世界に(てき)してはいない。それつまり。

 あの小娘達。サクラやサクヤよりも下、()いてはこの世界の人間よりも(おと)るということになる。


「――待っていてください!ニイフ様ぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 願望(がんぼう)切望(せつぼう)体現(たいげん)する為に、リゼは《石》を求めた。





 夜空に走る一筋(ひとすじ)の光。

 緑色のそれは、メルティナ・アヴルスベイブだ。

 夜戦をするからと、エドガーを連れ出して薪拾(まきひろ)いに出ていた所を。

 ローザ、そしてフィルヴィーネに呼び出されて、エドガーを置いて飛び出した。


 案外()ぐ着くかとも思われたが、意外な程に戦場の距離(きょり)を取っていたらしく、メルティナが速度を上げても中々着くことはなかった。

 ――その理由は、紫色の月(・・・・)原因(げんいん)だった。


 紫の月は、謎の力でメルティナの高性能のセンサー全てに(くる)いを(しょうじ)じさせていた。その理由も解明(かいめい)することが出来なかったのもあって、メルティナはセンサー頼りの自分に苛立(いらだ)った。

 しかし紫の月が元の月に戻ると、何ともすんなり二人のもとに辿(たど)り着いた。

 スタッ――と(かわ)いた地面に着地すると、先程まで戦っていたであろうローザとフィルヴィーネが寄ってくる。

 それに対して、思わずメルティナは。


「申し訳ありません。遅くなりました……」


 謝った。別に悪いことなどしていない。

 ただ、何となくだ。

 もしかしたら、《契約者》であるエドガーの謝り(ぐせ)影響(えいきょう)を受けているのかもしれない。とは言っても、エドガーも最近は謝ることが減ってきている筈なのだが。


「――別に待ってないわよ。今“魔王”も回復したところだし……ね?」


「うむ。遅くなどない、それに、紫月(しづき)(まど)わされていたのだろう?」


 理由を知っているらしいフィルヴィーネは、メルティナを見ながら説明を始めたのだが。


(しかし……どうして裸なのでしょうか……)


 もっともな疑問であった。

 フィルヴィーネは、全裸に手枷足枷(てかせあしかせ)といった、とても“魔王”とは思えない恰好(かっこう)をしていた。

 ローザがフィルヴィーネに勝ったことを知らないメルティナは、非常に怪しむ目で、フィルヴィーネの説明を受ける。


紫月(しづき)にはな……物を(くる)わせる力があるのだ。魔力を(もち)いた道具は勿論(もちろん)機人(マキナ)の民の機械、その土地の伝承(でんしょう)や封印……影響(えいきょう)を受けないものは《石》だけだ……だからメルティナよ、お前は機械を(くる)わせられた事で到着が遅れたのだ……あと、少しは《石》を使いこなすことを考えよ。機械にばかり頼るのではなくな」


「――イ、イエス……善処(ぜんしょ)します」


「《石》の使い方だけを見れば、そこのロザリームは勿論(もちろん)のこと、あの小娘……サクラだったな。あやつもいいものを持っている。もう一人の小娘はまだまだこれからだ、メルティナは一番駄目だな」


「――!?……サ、サクヤよりも……ですか……?」


 これには中々衝撃(しょうげき)だったのか、メルティナの顔は引きつっていた。

 それが可笑(おか)しかったのか、ローザが笑い出す。


「フフっ……メルティナ、貴女(あなた)もそんな顔をするのね……フフフ……」


「ノー!わ、笑い事ではありません……ローザは()けているから余裕を持てているだけです」


「そりゃあそうね、年季(ねんき)が違うわよ」


 ローザは、丸太に座り直して言う。

 フィルヴィーネは、その場に座り込んで笑う。全裸で。


「クックック……なぁに、(われ)と戦っておれば、嫌でも覚えるであろう。善処(ぜんしょ)せいよ?」


「……うぅ、イエス」


 こうして、《石》の取り(あつか)いが上手なランク付けが出来上がった。

 順にフィルヴィーネ、ローザ、サクラ、サクヤ、そしてメルティナ。

 この中に誰かが(くわ)わった時、どう順位が変動するのか、フィルヴィーネは内心楽しみであった。





 【簡易(かんい)フォトンスフィア】を見ながら、サクラはイラついていた。

 こちらをドヤ顔で見てくる、サクヤに。


「……」

「……ふふん」

「……」

「……ちらっ」

「……」

「……ちらちらっ」


「あーーーー!!うっっっざいわねっ!!」


 三度のアピールに、(つい)に音を上げる。


「な、なんだその対応はっ!いいではないか!折角(せっかく)!わたしが!()めて!貰った!のにぃぃっ!」


 足をダン!ダン!と、言葉に合わせて地団駄(じだんだ)するサクヤ。

 それほど嬉しかったらしい。メルティナを上回っていたことが。


「それはいいわよっ、(いく)らでも喜べばいいでしょ!――でもその顔やめて!!」


「な、何がだぁ?」


「それ!その顔だってのっ!ニヘらぁってしないで!ムカつくから」


 ニヤニヤと笑みを浮かべるサクヤの顔をムカつくと言うが。

 自分も同じ顔なのだ。きっと嬉しい時はそんな顔をしている筈。

 同族嫌悪(どうぞくけんお)だろうか。


「……むぅ……仕方のない」


 渋々(しぶしぶ)納得するサクヤだが、背を向けた瞬間。


「……えへ」


 背を向け合う二人だが、その心境(しんきょう)は真逆。

 少女の心は、複雑(ふくざつ)だ。





 一方で、一人(さび)しく帰っているエドガーだが。


「……ここ、何処(どこ)かな……?」


 紫月(しづき)影響(えいきょう)で、見事に(まよ)っていた。


「もしかして、反対に進んだんじゃ……」


 振り返り、明かりを探す。

 戦闘の明かりを。

 分かりやすく明かりを出せる人間(ローザ)がいるので、それを目印(めじるし)にしようと(こころ)みたのだが。


「……静かだなぁ」


 ガックリと項垂(うなだ)れて。とぼとぼと歩き始める。

 森がある訳でもなく、遮蔽物(しゃへいぶつ)と言えば大きな岩や()れた大木しかない。

 (あた)りは、全く変わり()えしない景色(けしき)の連続だった。


「……《石》の反応……あ!!――戻った、戻った!やった!」


 右手の紋章が(かがや)きを取り戻し、エドガーは声を上げて喜ぶ。

 こんなにはしゃいでる姿、見られたら恥ずか死ぬところだ。


「はぁ……よかった、取り()えず向こうだね……と、遠いんだが……」


 反応の戻った紋章の(つな)がりを頼りに、エドガーは(まき)を両脇に(かか)え直して、再び歩き始めた。

 (ちな)みに最初に言った通り、エドガーは反対方向に進んでいた。

 つまり異世界人の少女達から、遠ざかっていたのだった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] にやけるサクヤの顔をムカつくと言うが。 自分も同じ顔なのだ。きっと嬉しい時はそんな顔をしている筈。 にやける(若気る)男性が女性のようになよなよとして色っぽい様子。 元々は鎌倉・室町…
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