9、サーシャとふしぎないえ
そうじがきらいな織花は、サーシャをみならいたいです。
もりのいりぐちにサーシャという、くりいろのかみをおさげにした、とてもかわいらしいしょうじょがすんでいました。
まずしく、うまごやのようなところにすんでいましたが、かぞくみんながきれいずきなので、サーシャもようふくもくつも、いえのなかまでいつもきれいにしていました。
あるひ、いどがかれてしまい、サーシャはもりのいずみにみずをくみにいくことになりました。
ところが、とちゅうでみちにまよってしまい、ぐるぐるもりのなかをさまよっているうちに、あたりはすっかりくらくなってしまったのです。
とおくでわおーんととおぼえがきこえます。
サーシャはこわくなって、おもわず「たすけてください」といのりました。
すると、めのまえにちいさいけれど、あたたかなひかりがあるいえがあらわれたではありませんか!
サーシャは、かみさまかだれかがたすけてくださった!とまよわずに、そのいえにはいりました。
はいってみると、いえのなかはくものすとほこりと食べかすだらけ。
おまけにかべもまどもすすのようなものでよごれています。
サーシャは「こんなところではねむれないわ!」とおなかがすいているのもわすれて、そうじにとりかかりました。
すると、ちいさなこえがきこえました。
みみをすますと、ゆかが「みがいてくれ」、まどが「ふいてくれ」といっているのです。
これもかみさまのようなものがたのんでいるのにちがいないとおもったサーシャは、いわれるとおりはたきでくものすをとりはらい、ほうきでほこりをはきだし、モップでみずぶきしました。
そこはちいさいのですが、おどろくほどごうかないえでした。
きれいずきなサーシャはむちゅうでそうじをしていたときはきにならなかったのですが、たくさんうごいたせいでおなかがぺこぺこで、しゃがみこみました。
おなかがなると、「とだなのパンとチーズをおたべ」といえがいったので、サーシャはかたいパンにチーズをはさんでたべると、つかれていたため、すぐねむってしまいました。
あさになり、ドシンドシンというあしおとでサーシャはめをさしました。
まどのそとは、すっかりあかるくなっています。
そのあしおとは、いえのまえでたちどまります。
「だれだ!おれのいえをそうじしたのは!」
サーシャは、ちいさいころにおばあちゃんに、もりにはおそろしいまものがすんでいるのだときいたのをおもいだして、からだをぶるっとふるわせました。
「くそ!きれいにしやがって!」
「おれは、きたないものがすきなんだ」
サーシャがふるえていると、いえがあることをサーシャにささやきました。
それをきいたサーシャは、こわいけれどできるだけおちついたこえをだして、まものにいいました。
「まものさん、きたないものがすきなのなら、ここからきたへみっかあるいたところに、だれもすんでいないほったてごやがあります。そこはどうぶつたちのふんにょうでひどくよごれているそうですよ」
「なんだと!ふんにょうでまみれたこやだと!ほんとうか?」
サーシャは、きてんをきかせてこたえます。
「えぇ、とてもくさいにおいがして、だれもちかよらないそうです。そうじをするまえのこのいえよりずっとずっときたないのですって」
「そりゃあいい!よし、こんかいはゆるしてやる」
ドシンドシン。まものはどこかにいってしまいました。
サーシャはいえにいいました。
「ほったてごやのこと、おしえてくれてありがとう」
すると、いえはすてきなおとこのこにすがたをかえました。
「ぼくは、もりのいずみのせいなんだ。あのまものがいつもいずみをよごすから、あいつのいえにばけておいはらうきかいをうかがっていたのさ。きみがそうじをしてくれたおかげで、おいだすことができたよ。ありがとう」
サーシャは、「どういたしまして」と、わらいました。
「おれいに、きみのいえのいどともりのいずみをつなげてあげよう。そして、とくべつにきみのいえをぼくがすがたをかえていたいえとおなじにしてあげるよ」
サーシャはとてもよろこんで、あたらしいごうかないえで、かぞくとずっとしあわせにくらしました。
たくさんのしんせきやともだちがあそびにきて、いつもにぎやかだったそうですよ。
おわり
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