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恋と愛の本棚

職場で年下後輩からチョコを貰ったけど……これは義理?

掲載日:2026/02/14




「は~……疲れた……」


 仕事を終えてさっさと帰ろうとした時だった。


「お疲れさまです平塚さん。あ、ちょっと待ってください」


 と、同じ職場の年下後輩の沢木さんは俺にそう言うと、自身のロッカーを開けて、鞄をがさがさと探り、何か小さな箱のようなものを取り出すと。


「……あ、平塚さん甘いもの食べられましたっけ?」

「え?うん、食べられるけど……」

「なら、これどうぞ」


 と、沢木さんは鞄から取り出したその小さな箱を俺に渡した。お洒落な赤い包装紙に包まれた小さな箱。これは──


「今日バレンタインなので。チョコレートです」


 と、沢木さんは真顔でそう言った。


「え?俺、貰って良いの?」

「はい」

「あ……ありがとう?」

「それじゃ、お疲れさまです」


 そう言ってぺこっと頭を下げると、沢木さんはそそくさとロッカールームから出ていった。


 ──……あ、そうか、今日バレンタインだったんだ。俺には縁の無いイベントだったから、完全に忘れてた。ていうか……え?このチョコは……?何故俺に?いや、絶対義理だよな?あれだよな『いつもお世話になってるお礼です』的なやつだよな。まさか本命……


「いやいやいや!なわけないよなー!」


 と、貰ったチョコを片手に持ちながら、手を振ってはははと小さく笑った。

 まあなんにしても、バレンタインチョコとか久々だわ。義理だろうがなんだろうが嬉しい。

 チョコを鞄に入れてロッカールームから出ると、沢木さんは他の人にもチョコを渡していた。


「え!?貰って良いの!?沢木さん!」

「はい、いつもお世話になってるお礼です。ありがとうございます」


 そう言いながら、男性そして女性にもチョコを渡していた。


 やっぱ、お礼のチョコか──……って、あれ?


 そう思いながら見ていると、あることに気づいた。

 沢木さんがみんなに渡しているチョコと、俺が貰ったチョコが違う。みんなが貰っているチョコは、包装されていない、赤いパッケージの板チョコだ。それに、俺にくれたチョコは、沢木さんの鞄から直接出した物だったけど、みんなに配っているチョコは、茶色い紙袋から出していた。


 いやまさか……そんな。


 そう思いながら、俺はチョコを配る沢木さんの横を早足で通りすぎながら「お疲れさまでした~!」と、みんなにそう言うようにして、駐車場に急いだ。自身の車に乗り、鞄から沢木さんに貰ったチョコの箱を取り出し、両手で持ってじ~……っと見た。


「……やっぱ、みんなが貰ってたチョコと違う。みんなには、ただの板チョコを配ってた。なんで俺のだけみんなと違うんだ?」


 と、俺は小さく独り言を言いながら、そのチョコの箱を眺めた。明らかに、みんなのチョコとは違う箱……


 俺は胸の中にある小さな期待を、鼓動と共にだんだんと大きくさせながら、箱のリボンをほとき、包装紙を丁寧に広げた。すると中には、折り畳み式の小さなメッセージカードが入っていた。

 そこには。


『平塚さんへ。好きです。よろしければ、お付き合いしたいです。』


 と、書いてあった───
















 翌日、俺は仕事終わりに沢木さんに声をかけ、手紙の返事をした。

 すると、沢木さんは照れ笑いながら、そっ……と、俺に抱きついた─────





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― 新着の感想 ―
えぇお話や〜。 ノリと勢い! 書けてるのが凄いっ!! いや〜、でも、これ。実際にあり得るお話っすよね? 久しぶりの小説っ!! おめでとうございます!! 良かったです!! ノリと勢い大事ですよね…
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