確変の時
魔王様side最後です。
月日は流れ、今現在に至るまで、我等の望む娘は産まれてこなかった。しかしどうやらそれも今日で終わりを迎えるようだ。ついに魔族の母と為り得る娘が見つかった。数年おきに人間界へ視察へ向かっていたヴァンパイア族の長が、人間界で魔力の波長を感じたらしい。そして見つけたのが二人の娘。しかし内一人は既に結婚しており更には子供も身籠っているらしく、残念ながらそちらは諦めることになった。だがもう一人は未婚で処女だ。そして魔力の量も申し分ない。
「クリスティーナ・ミハエルか・・・」
一体どんな娘なのだろうな。我の花嫁となる娘なのだから永い時を共に生きることになるのだ。ならば少しでも見目の良い者が望ましいが、まあ子供さえ産んでくれれば問題はない。我が欲しいのは娘の愛ではなく魔族の未来を紡ぐ子供なのだから・・・
しかしその我の考えは彼女に・・・クリスティーナに一目会った瞬間に様変わりした。まさか我が人間の娘に心を奪われることになるとは。あんなにも深い感情を与えられるなんて、数百年魔王という孤独の中にあった我には到底知るものではなかった。
始まりからクリスティーナがてんで出てこなかったですけど次からはバンバン出てきますのでお楽しみに!!




