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慎司とおにぎり

彼と過ごしたとある朝の話。

「慎司、もう起きてたの?」

「ああ、目が覚めてな」

「……何してんの?」

「見りゃ分かるだろ。おにぎりを作ってる」


 朝の五時。ちょっとしたおじいちゃん並の時間から行動を開始していた慎司は、何故かキッチンでおにぎりを握っていた。


「いやなんで?」

「お前をねぎらってやりたくて?」

「疑問形なのはどうしてだよ。そこ疑問符は不要だろ」

「いいから食べてみろ」

「あ、形は綺麗なんだね」


 お皿に乗るのは、一つのおにぎり。僕はそれを手に取ると、一口食べた。


「どうだ?」

「……うーん、味がしない」

「だろうな。塩すら振ってねぇ」

「振れよ」

「あと三個あるぞ」

「こんな味気ねぇおにぎりが合計四個も!?」

「せっかく握ったんだ、全部食えよ。俺は寝直す」

「えええええ!?」


 慎司は欠伸を一つすると、自分のベッドに帰って行った。後に残されたのは、僕と四個のおにぎり。


「……結構、でかいな……?」

「二合炊いて全部使ったからな」

「胃袋爆発するわ!」


 とりあえず、せっかく作ってくれたのだから食べるしかあるまい。残ったおにぎりは崩してチャーハンにしちゃダメかなぁ、などと、僕はおにぎりを頬張りながら考えていた。

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