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魔女ッ娘マナ(下)

 帝都タワービル――帝都の観光パンフレットにも載っている帝都の観光名所の一つで、帝都一の高さを誇る30年前に建設された建造物である。

 そのタワーの屋上にはビヤガーデンがあり、夜になると仕事帰りのサラリーマンやOLで賑わいを見せる。

 店の位置する場所は、高度が非常に高いため強風が吹き荒れ、店内を超強化ガラスで覆わなければ、とても営業などしてられなかった。

 そのためビヤガーデンと言っても一般的なビヤガーデンと違い屋外にあるという訳ではなかった。

 しかし、壁や天井は全てガラス張りのため外からの光を店内に取り込むことが出来る。それが命と時雨の狙いであった。

 仕事帰りのサラリーマンやOLで活気に満ち溢れているこの場にどうみても不釣合いな二人。

 ひとりは巫女装束で格好がこの場と合っていない。もうひとりはなぜか全身から恐怖を醸し出していて、この場の明るい雰囲気とは正反対の顔をしていた。

 暗い面持ちの黒いロングコートを来た男――時雨はフロアの中央にある時計を見た。

「月が昇るまで後、40分くらいだね」

「まだ、陽が沈んでおらんというのに人が多いのぉ」

 命は店内を一瞥した。

「日曜だからね、しかたないよ」

「しかしのぉ」

 命は渋い表情をしてもう一度店内を一瞥した。

「どうしたの?」

「マナがここに現れたら、この者達に被害を及ぼすのではないかと思ってのぉ」

「……あ゛っ、気づかなかった」

「しかし、多少の犠牲は仕方ないであろう?」

「まぁね、ボクが殺されるよりまし……だよね?」

 時雨は複雑な表情をしながら店内にいる人たちのことを見回した。

 時雨の目線がちょうど中央エレベーターホールに向けられた時、ちょうどエレベーターが来たらしく、そのドアが開かれた。

 チン! という音とともに出てきたのは――。

「探したわよぉん、お二人さーん!」

 エレベーターが開かれたと同時に中から出てきたのはマナだった。

 マナはエレベーターから降りると、腰に手をやりワザとくさいモデル歩きで二人の元へ近づいて来た。

「おほほほ、命ちゃ〜ん、やってくれたじゃな〜い」

 マナは少し怒りの表情を浮かべ、ゆっくりと二人の元へじりじりと歩いてその距離を狭めてくる。

 命はマナの感情を逆なでするようにいかにもとぼけたようすで言葉を返した。

「なんの事じゃ?」

「おほほ、とぼけてもムダよ〜ん」

「だいぶ苦労したようじゃのぉ」

 命はマナを見下したような微小を浮かべた。

「あたりまえじゃない。どんな術を使ったか知らないケド、どんな魔法を使ってもあなたたちの居場所が見つけられなくて苦労したんだから」

 マナは時雨たちを探すのに地道に聞き込みをしたらしい。

「特殊な護符で結界を張ってあったのじゃよ」

 命は護符をマナに見せ付けた。

「さすがは命ちゃんね、でもこのゲームはあたしの勝ちよぉん!」

 マナはそう言うと大鎌をどこからともなく取り出し、突然時雨に襲い掛かった。

 店内の客たちにどよめきが走る。逃げ出す者もいれば時雨たちの周りに群がる野次馬やよっぱらいもいた。

 時雨はコートのポケットからビームサーベルを取り出すとそれのスイッチを押した。すると閃光が飛び出し辺りを照らし、客たちの歓声が挙がる。ショーと間違えて拍手をする者もいた。

「ショーじゃないんだけどなぁ」

 時雨が困った表情をして客たちを見回していると、マナが時雨目掛けて大鎌を振り下ろしてきた!

 時雨はマナの攻撃を流れる水のように交わし、ビームサーベルで大鎌の枝の部分を斬り落した。

 鎌の部分が金属音を立てて地面に落ちた。すると鎌はまばゆい光とともにどこかに消えて、いや、消滅してしまった。

 マナはすかさず次の攻撃に入った。

「我は汝をクイック召喚する」

 マナの足元からは光が迸り彼女の髪は下からの霊気により逆立てられる。

「出でよ、アンドラス!!」

 マナの声と共に地面が裂け中からはおぞましいうめき声が地響きと共に聞えてきた。

 そして、中からマナに召喚された悪魔が巨大な狼にまたがり閃光と共に地の底から現われた。

 悪魔の姿は、体は天使の姿、背中には黄金に輝く翼、頭は鴉、そして、手には剣が握られていた。

「さぁ、アンドラスちゃん、殺っちゃってぇ〜ん」

 悪魔は時雨を睨みつけ剣を構えた。

「我、全テヲ滅スル者ナリ」

 時雨は命の方に顔を向け、

「やばいんじゃないの?」

 と問い掛ける。

「客を外に出さねば」

 命はそう言うと指でくうに印を描いた。

 すると、印を描いた場所に丸い穴がぽっかりと開き、風を切る音を立てながら店内の物を穴の中へと吸い込んで行った。そして、人間までもすごい勢いで吸い込んでいく。

 穴に吸い込まれないように必死で抵抗する者もいたが、あえなく皆穴の中へと吸い込まれた。まさにそれはブラックホールのさながらであった。

 そんな、光景を目の当たりにしながら時雨は命に聞いた。

「ねぇ、これって神隠しってやつ?」

「まぁ、そんなところじゃ」

「あのさぁ、吸い込まれた人たちはどこに行っちゃったの?」

「わからん」

「わからんじゃないでしょ」

『わからん』それはつまり、本当の神隠しとさして変わらないということなのだろうか?

「急いでおったのでの、そこまで手が回らんかった。まぁここよりは安全じゃろ」

「確かに……いや、そうなのか?」

 平然と答える命の言葉に首を傾げる時雨であったが、今はそんなことを考えている暇などなかった。

 悪魔を乗せた狼が咆哮を上げ、悪魔は手に持った剣を一振りした。すると、もの凄い風が店内に吹き荒れた。竜巻だ、悪魔は剣を一振りしただけで竜巻を起こしたのだ。

 竜巻は店内を滅茶苦茶にし、店を覆うガラスの壁は凄い音を立てて粉々に砕け、強風が店内を吹き荒れた。

 時雨は身を屈め強風に耐えている。命とマナは法力により風の影響を全く受けていない。

「……ずるい」

 ガン! 時雨の後頭部に何かが当たった。

「いてぇ〜」

「だいじょぶか、時雨?」

「ボクにもその術かけてくんない?」

 命は右手の人差し指と中指で時雨のおでこを強く押した。

「渇! これでだいじょぶじゃ」

「はぁ、それじゃあ行きますか」

 そう言って時雨は悪魔に斬り込んで行った。

 時雨のビームサーベルは地面を擦りながら半円を描き上へと斬り上げられた。その太刀を悪魔は剣で受け止める。

 舞を踊るかのように軽くジャンプ回転しながら剣を横に振る時雨に対し、悪魔は剛剣でそれを軽く受け止めた。

「我、全テヲ滅スル者ナリ」

 悪魔は時雨目掛けて剣を叩き落す。

 それはどうにか受け止められたものの時雨の顔には焦りの色が見える。そして、目線を命の方へとやった。

「見てないで助けてよ」

「わらわはこやつ相手で手がいっぱいじゃ」

 そう言う命はマナと交戦中であった。

 お嬢様笑いを高らかに上げるマナの手には新しい大鎌がしっかりと握られている。

「おほほほ、なかなかやるわねぇん」

「あたりまえじゃ、お主にわらわが負ける訳なかろう」

「言ってくれるじゃな〜い」

 マナは大鎌をブンブン振り回しながら命に襲い掛かる。

 命は手に握られた護身刀でそれに応戦する。

 そんな光景を見ながらぼそりと呟く時雨。

「あっちはあっちで大変そうだなぁ」

 時雨が悪魔から目線を外した瞬間を突いて悪魔が攻撃をしかけてきた。

 自分目掛けて振り下ろされた剣をビームサーベルで受け止めると、悪魔はさらに剣で時雨の身体を押してきた。

 地面に足を取られ体制を崩してしまった時雨に悪魔の全力を込めたの大剣が襲いかかる。

 危機一髪、時雨はそれを顔面すれすれのところで相手の剣をビームサーベルで弾き返した。

「危ない、あんなの喰らったら肉片になっちゃうよ、ふぅ」

 額の汗を拭く時雨は顔では笑顔を作っていたが、相手の渾身の一撃を防いだビームサーベルを持った右腕はだらんと地面に立て下がっていた。そう、相手の攻撃を防いだ右腕の骨は粉々に砕けてしまったのだ。

「ちょっと、タイムとかはないよね……?」

 悪魔は時雨の都合などお構いなしといった感じで攻め込んできた。

「はぁ、やっぱし。仕方ないから逃げちゃお」

 そう言うと時雨は全力疾走でとんずらをしようとした。

 それを見た命が叫ぶ。

「待たんか、わらわを残して逃げる気か!」

「そんなわけないじゃない、あはは」

 時雨の顔には確実に同様の色が出ていた。

「……まぁそうじゃな、エレベーターが壊れていては逃げる事もできんか」

「なんですとーっ!!」

 時雨は絶句した。確かに部屋の中央にあるエレベーターはドアが閉まった開いたりそれを繰り返していた。

 悪魔の影が時雨に忍び寄る。

「今年最初の大ピンチって感じだなぁ」

 時雨は今になって、あの時した紅葉との約束を後悔した。

 

 それは先月中旬ごろの金曜日の夜のことであった――。

 帝都の天使は本当に困っているのだか疑わしい表情をしながら目を閉じ少し考えたあと、その艶やかな唇を動かした。

「わかった、取り引きをしよう」

「取り引き?」

「その魔導書を紅葉にやる代わりに仕事手伝ってよ」

「よかろう、しかし、その魔導書はどうやって手に入れるつもりだ?」

「彼女のことだから、その魔導書をパクってくると思うし、彼女1回読んだらすぐに覚えちゃうから、そしたら、君にやるよ」

「契約成立だ。それでは時雨、一緒に狩りを始めよう」

 その言葉を聞いた時雨は不適な微笑み浮かべ空を見上げた。


 ――過去の回想に浸った時雨は苦笑を漏らす。

「……あの仕事よりよっぽどこっちの方が大変だよ」

 時雨はうつむき加減で愚痴をぶつぶつと呟いた。

「時雨ぃ、前を見ぃ!」

 命のの罵声が時雨に浴びせられた。

「えっ!?」

 前を見るとそこには巨大な狼に乗った悪魔がすごい勢いでこちらに向かって来ているではないか。

「……もうヤダ」

 これは時雨の心からの本音であったに違いない。

 とりあえず時雨は、悪魔から逃げながら作戦を練ることにした。

 一方、命とマナの戦いは佳境に入りつつあり、その壮絶さを増していた。

 命はマナの攻撃を反撃せずに全て避けていた。

「さっきから大鎌をぶんぶん振り回しおって、当たったらどうするのじゃ!」

「当たったら当たったでその時はその時じゃなーい」

「仕方ないのぉ」

 命はそう言うと紙の札を一枚出し、指で印を書きそれに込めた。

「動きを封じさせてもらうぞよ、悪く思うでない」

 命は紙のお札をマナ目掛けて投げつけた。

 札はマナ目掛けて一直線に飛んでいく。

「おほほほ、同じ手は二度もくらわないわよぉん」

 マナの身体は札に当たる寸前に左右に分身した。マナの使う魔術はなんでもアリのようだ。

 札は二人のマナの間を風を切りながら通り抜けていく。

「おほほほ、そんなノロい札なんてあたしには当たらないわよぉん」

「ふむ、幻術の一種か。じゃがのぉ、その札は追尾ができるで逃げても逃げても追ってくるのじゃ」

「……!?」

 マナが慌てて後ろを振り向くと札が目の先まで迫っていた。

「……気づくのが遅かった」

 マナの肩がガクンと落ちた。おでこにはゆらゆらと札が揺らめいている。

「そこでじっとして居れ」

「してやられたわぁん」

 命が時雨の元へ駆け寄る。

「時雨だいじょぶか」

「だいじょぶそうに見える?」

「死んではないようじゃな」

「そーゆー問題じゃないでしょ。それよりあれなんとかしてよ」

 二人の目線の先には巨大な狼にまたがった悪魔が時雨を追っかけて来ていた。

「仕方ないのぉ、式紙でも呼び出してみるとするか」

 命がくうに印を描く。

「汝は全てを呑込み無に還す者なり、”招”!」

 命は右手の中指と人差し指でくうを突き刺した。すると、空間が裂け、中から式神があらわれた。

 式神は命に抱えられると、そのスイッチを入れられた?

 その光景を見ていた時雨は疑問にかられ、どうしても命に質問をしてみたくなった。

「あのぉ、一つ聞いてもいいかなぁ」

「なんじゃ、ゆうてみい」

「それって……」

「それって?」

「掃除機だよねぇ?」

 そう、たしかに命の腕に抱き抱えられていたのは紛れも無い掃除機だった。

「そうじゃがそれがどうかしたか?」

「いや、なんで掃除機なの?」

「こやつは元々九十九神じゃったのだが、まぁ色々あってのぉ、わらわの式神にしてやったのじゃ」

「そうなの……でも、これ役に立つの?」

 掃除機が時雨の言葉に反発するように暴れた。

「なんだ、この人間俺様に対して失礼だぞ」

「まぉまぁ、そうゆうでない」

「なんだこれ、喋ったよ」

 そう、時雨の言うとおり掃除機は人間の言葉をしゃべっていた。

「当たり前だろ、俺様は式神なんだから喋れるに決まってんだろ、こいつバカか」

「よく見ると、目とか口とか付いてるねぇ」

 そう言いながら時雨は式神の目を突付こうとした。

「何すんだバカやろう、目なんか突付かれたら痛いだろ」

 ガブッ!! 式神はいきなり掃除機の吸い込み口で時雨に噛み付いき、しかも離そうとしない。

 ぶんぶんと手を振るが式神は一向に時雨の手を離そうとしなかった。

「こら、止めんかバサラ!」

 命が式神を怒鳴りつけるとすんなりと手を離した。

「こんぐらいで許してやるか」

「バサラよ一仕事じゃ、あ奴を吸い込め」

「おうよ、なかなかの大物みたいだが俺様にかかればどうってこったない」

「時雨、わらわの後ろにマナを運んでやれ」

「あぁ」

 時雨は命に命じられマナを命の後ろに運こぼうとマナを抱きかかえた。

「時雨ちゃ〜ん、レディはやさいく扱いなさい」

「はいはい、言われなくても分かってるよ」

 時雨はマナを丁重に命の後ろに運び、ゆっくり地面に下ろした。

「時雨、おぬしもわらわの後ろに居れ」

 バサラは大口を開け大きく息を吸い込んだ。すると店内に散らばる物が見る見るうちに吸い込まれていった。その力は強大でついには悪魔までも吸い込もうとした。

 悪魔は必死に抵抗する。しかし、悪魔の乗っていた狼があえ無く掃除機の中へ吸い込まれていった。

「反則技だよ……」

 時雨が小さく呟いた。

 掃除機は全てを吸い込んでしまいそうな勢いでどんどんいろんな物を吸い込んでいく。

 悪魔は大剣を地面に刺し込み必死に抵抗しているが、身体が宙に浮き、悪魔は吸い込まれないように剣を強く握りしめる。

 そして、そのまま3分の時間が過ぎた。

「粘るねぇ、あの悪魔」

「仕方ないのぉ、バサラよ出力を上げよ」

 吸い込む力が急に強くなった。

 そして悪魔はついに剣ごと掃除機に吸い込まれてしまった。――呆気無い幕切れだった。

「あぁん、アンドラスちゃんがやられるなんて信じられないわぁん」

「観念せい、マナよ」

「観念? あたしはまだ負けてないわよぉん」

 マナは自らの足で『立ち上がった』。

「あっ……」

 時雨の表情が凍りついく。マナのおでこに張られていたハズの札が無いのだ。

「二度目は少しは早く解けたわぁん」

 マナの手にはすでに大鎌が握られ戦闘体制を取っていた。

「本番はこれからよぉん」

 凍り付いていたハズの時雨の口元が少し緩んだ。そして、命も冷たい微笑を浮かべた。

「あらん、お二人とも笑ったりしてどうしたのぉん?」

「気づかんのか?」

「ほら、自分のおしりのあたりを見てごらんよ」

「えっ、何? ……!? ……いや〜ん」

 マナのスカートの裾から、くにゅくにゅと動く何か黒く長いモノが出ていた。

 マナはそれに驚き後ろを振り返ると、そこには光か輝く満月が地面を照らすために顔を出していた。

「今夜は満月の晩だったの!?」

「君の負けだよマナ」

 マナの身体には次々と異変が起きていく。

 頭にはいつの間にか黒い猫のような耳が飛び出ていて、身体は徐々に黒い毛に包まれていく。

「にゃ〜ん」

 ついにはマナの身体は縮んでいき、そのまま黒猫の姿になってしまった。

「マナって、満月の光を浴びると、黒猫になっちゃうんだよね」

「にゃ〜ん」

「はぁ、これで安心して家に帰れる」

「そうじゃな、帰路に着くとするか」

 時雨はマナを抱きかかえ家に帰るために足を動かした。命もそれに続いた……のだが、二人の足が不意に止まった。そして、二人同時に同じ言葉を呟いた。

「「あっ……」」

 二人の目線の先には元エレベーターがあった。その元エレベーターは扉を開けたり閉めたりを繰り返している。

 時雨はロボットダンスのような動きで命の方を振り向いた。

「ねぇ、ここってさぁ、タワー登るとき途中までは階段でも来れるけど最上階のここってエレベーターでしか来れないよね?」

 最後の『よね?』には必要以上に力がこもっている。

「さようじゃ」

「非常階段とかはあるよね?」

「マナと殺りあった時、壊してしもうた」

「さっきの”神隠し”は使えないの?」

「力はもう使い果たしてしもうた」

「あははははは……はぁ」

 時雨は無表情のまま心の無い笑いをして、ため息をついた。

 1月中旬の帝都の夜はまだまだ冬の寒さが厳しかった……。

 

 事件を聞きつけ駆けつけた帝都警察は、エレベーターが壊れている上に命が外に被害が及ばないようにいつの間にか張っておいた結界のせいでヘリコプターでも入れず、結局三人が地に足を付くことができたには次の日の朝方のことだった。

 マナが人間の姿に戻るのを待ち、魔法で建物、その他諸々を元通りに復元をして下に降りることができたのだった。

 なお、マナと命の力により関係者の記憶は改ざんされ、この事件は見事にもみ消され闇の中へ葬り去られたのだった。

 しかし、時雨とマナの追いかけっこだけはTVで中継されたために消せない事実として残ってしまったらしい――。


 魔女っ娘マナ 完

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