魔王とか神様は無理しか言わないんです
悔しくて仕方ない……特に勝ち誇ったらような鼻高々なペンネルの顔よ!
絶対に鼻っ柱をへし折ってやるんだから!
「アァァァもう、タウリ何とかしなさいよ! 私達は魔法が使えないのよ」
「分かってるけど! 力が入らないんだよ!」
駄目だわ、タウリも抜けられそうに無いわね。
万策つきたわ……
その時、私のポケットから小さな声が聞こえてきたの、バレないように目を声のする方に向けると手を振るアララとデンキチ達の姿があったわ。
そんな私に念話でアララが話し掛けて来たの。
『カミル? 起きたら大変な騒ぎになってるみたいですが、どうしたんです?』
『アララ、ミスっちゃったの何とか出来ないかしら、と言うより、何で念話で話せるのよ!』
質問攻めの私にアララは、どや顔で一言。
『私とカミルの念話は神技だからです。つまり魔法は使って無いんです』
私の中である考えが花開いたわ。
もし、上手くいけば逆転できる筈、覚悟しなさいよ! 魔王ペンネル、絶対に泣かせてやるんだから!
魔法はマドラッドでは使えない、私の者になった神技も同様に魔法扱いになるのは理解したわ、でも魔神の力は今も有効、現にアララやデンキチ達は小さいまま、ビルクの力は解除されて無いんだもの、それに駄目で元々よね。
試しに私はアララを少しだけビルクの力で大きくしたの、ポケットの中で微かに大きくなるアララを見て考えは確信に変わったわ。
『今からアララ達に暴れて貰うわ、デンキチ達にもそう伝えて! 今から魔王様御一行を泣かせやるんだから!』
『少しだけ待ってカミル、神であるマルサ=チヨル様に力を使っていいかを確認させてください。直ぐに連絡しますので』
アララが慌てて、マルルに連絡をするとマルルは『遣り過ぎなければ言い』と寛大な心でアララにマドラッドでの戦闘に関して戦闘許可を出してくれたの……つまり! 神様公認の魔王退治になったわ。
でも、藪から棒に攻めても相手に有利な運びになったら全て無意味になるわ。
私は冷静に判断しようと決めた時だったの、いきなり念話でマルルが話し掛けて来たの! まさかの神様からの直電にビックリしたわ。
『やぁ、カミル、元気しとるかい、今回は些か秩序の崩壊の恐れがあるのでな、特別に神力しよう、代わりにある頼みを聞いて欲しいんじゃがどうかね?』
神様のマルルが人間の私に頼み事? 面倒な予感がするわね……
『因みに頼みって? 言っとくけど、今、大ピンチで対して力に成れないわよ?』
私の言葉に微笑み声を浮かべながらマルルは軽い口調で恐ろしい事を語り出したの! 正直に言うと神様って恐ろしいって本気で感じたわ。
『ほっほっほっ、なぁに簡単じゃ、力を使えるようにするからのぉ、魔王を押さえた後、ザカメレアとベジルフレアの大艦隊を沈黙させてくれ、勿論、魔王軍と2国の死亡者はゼロで頼むぞ』
無理言い過ぎじゃない……でも、遣るしかないって訳ね、マルルの無理難題を受けてやるわ。
『わかったわよ! でも、怪我人だらけになっても文句なんか受け付けないわよ』
最後のマルルの言葉は『儂は賭けに負けないんでな』だって、神様だけあって奇跡でも起こす気かしら?
そしてチャンスが訪れたわ。
ペンネルが部下達を集め、最初の標的に選んだザカメレアとベジルフレアの大艦隊に向けて映像を繋げたの、その瞬間、背を向る魔王軍の姿、今しかないと本能で感じたわ。
「さあ! 今からいくわよ。ビルク! この場に居る全ての者を小さくして! ナッツ、メルリ魔法が使える筈よ! タウリの着地に協力して、ビルク、鎖から抜けたら私達だけ大きく戻して頂戴!」
一気に攻撃するわ! 絶対になんとか切り抜けるんだから。
私の声に慌てるペンネルと魔王軍、でも、もう遅いわよ。
「デンキチ、スカー、メガ、敵を潰したら駄目よ! アララ、敵の戦意を全力で殺ぐわよ!」
アララが天高く光魔法と雷魔法を合わせた混合魔法を撃ち放つと、まるでプラズマ砲のような凄まじい光が天井を貫く、私は降り注ぐ瓦礫を風魔法と火炎魔法で灰にする。
体を小さくされたペンネル達は巨大な私達に必死に攻撃してきたわ。
勿論、蚊に喰われた程度のダメージだったので、怒る気すら失せたわ。
簡単に言うなら私達の勝ちよ!




