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私達は楽しいんです7

 私の質問に対して、勲章を複数つけた男が酒の注がれていたグラスをテーブルに置く。


「幾らなんでも、常識ってのがあるだろう? ましてや、一国の大臣の元に殴り込みだと? 調子に乗りやがって!」


 話が長くなりそうだけど、質問に答える気はないみたいね?


「はぁ……ッ、フンッ!」


“ドゴォ!”


「ッぐあっ…………」


 一瞬で勲章男の目の前に移動し、腹部を鎧ごと軽く小突く、死なないように力を押さえた感じね。


 壁まで吹き飛び気絶する勲章男、その光景にオッサンと美女達の表情がひきつり、青ざめる。


「さて、大臣はどちらかしら?」と、ニッコリと笑みを浮かべると……美女達がオッサンを指差したの。


「大切な話があるの、関係ない人達は退室願えるかしら?」


 当然だけど、一斉に美女達は走り出していく、室内には私とデンキチ達、それと大臣と気絶した勲章男が残されたわ。


「で、大臣さん、今回の反対派のリーダーなんでしょ、話を聞かせて貰おうじゃない?」


「ぬ、キサマッ! こんな事をして、立場を理解していないのか! 此れはバトラングからの侵略行為だと言わざるおえぬのだぞ!」


 怒りから口に出しちゃいけないワードを口にする大臣。


 あとは簡単、大臣にバレないように執務室の様子をレナクル中に魔道具を使い映し出す。


「わざわざ、その言い回しをするって事は対立する意思があると言うことでいいのかしら? 平和に近づくレナクル王国の大臣とは思えない口振りね?」


 わざとらしく、そう口にすると予想より頭の悪い回答が返ってきたの。


「平和だと? フン! レナクルの軍事がなくなれば、多くの軍人とそれに関わる者達の生活が終わりを迎えるのだよ。言わば争いはレナクル王国の収入源となる」


 大臣はそれから、我が物顔で戦争をし続ける事を語っていたわ。


「つまり、貴方は自分と一部の軍人達、それと関わる武器商人の為に国民の平穏は要らないと、そう言う事かしら?」


「当たり前だ! 何故、平民の為に我等が我慢をしなければならないのだ! キサマにも分かるだろう、旨い食べ物、旨い酒、自由に使える金、全ては当然の権利であり、当たり前の報酬だ、あはは!」


 本当に救いようのない駄目人間だわ、まあ、お陰で簡単に真相が国民に伝えられたけどね。


 そんな事を考えていると、大勢の足音が執務室へと近づいて来る音がしてくる、外には怒り狂った国民の姿もあり、次第に集まりだしているように感じる。


「最後の質問よ。貴方はサンデアに協力して、レナクルの平和に力を使う気はあるのかしら?」


 最後の慈悲と言える質問なんだけど……


「バカバカしい、キサマのお陰で、レナクル王国とバトラングは戦争に逆戻りだ、心から礼を言わせて貰おうじゃないか」


 私の手はグッと握られていた。【死んでもバカは治らない】って言葉があるけど、コイツはその類いだわ!


「そこまでだ、カミル。もう十分だ、帰るぞ」


 私の背後から囁かれた言葉に振り向くとシュビナの姿があり、最後に我慢せねばならない握られた拳を震わせながら、ゆっくりとほどいていく。


「そうね、この先はレナクル王国に任せるべきね……」


 肩の力を抜き、デンキチ達を戻すと私はシュビナに連れられ執務室を後にしようとする。


 最後にシュビナが大臣を睨みつける。


「命拾いしたな、カミルが本気なら城ごと塵も残らなかっただろう、まあ……どっちが楽だったかと考えると複雑だがな」


 それから直ぐにレナクル王国のサンデア派の兵士達が大臣を国家反逆罪として拘束したの、そこから芋蔓式に反対派の軍人達と貴族達が捕縛される事になる。


 流した映像に次々に名前があげられたのだから当然の結果ね。その後、サンデアからシュビナに戦闘の意思は無いと改めて謝罪が行われたわ。


 レナクル王国から反対派がいなくなり、サンデアとソルトを阻む障害はなくなったと言えるわね。


 そして、私達はバトラングへと船を急がせたの、理由はレナクル王国の国民に不安を与えない為だとシュビナが笑いながら言っていたわ。


 本当に疲れたわ……スゴく良く眠れそう、でも、良いことをするのは楽しい……少しやり過ぎたけど……

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