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32.部活見学③〜団体戦・感想〜

◼️前回までのあらすじ◼️

部活見学で、3対3の団体戦を見学したよ。

団体戦は男性陣のBチームが勝利。



(前回の後書きで書きそびれたので……)


◼️登場人物紹介(アバター編)◼️

・セツナ

  eスポーツ部の部長・久遠寺 刹那のアバター

  職業:剣士

  属性:水

  主武器:ショートソード

  スキル:

   蜃気楼★

   ???

   ???

   ???

   ???


団体・模擬戦〈Aチーム〉

・クルミ

  ツインテールの先輩(三年生)・百瀬 胡桃のアバター

  職業:投擲士

  属性:雷

  主武器:投擲槍

  スキル:

   電磁加速投擲★

   空間転移★

   雷音発破★

   落雷★

   武具錬成★


・マリー

  赤メガネの先輩(三年生)・楠木 緋鞠のアバター

  職業:魔導師

  属性:火

  主武器:杖

  スキル:

   火球弾★

   火炎大爆撃★

   炎の加護★

   ???

   ???


・カエデ

  二年で目つきの悪い先輩(二年生)・風祭 楓のアバター

  職業:拳闘士

  属性:雷

  主武器:鉄甲

  スキル:

   ???

   ???

   ???

   ???

   ???

   

団体模擬戦〈Bチーム〉

・レッドリーフ

  副部長(三年生)・椛谷 慎一郎のアバター

  職業:剣士

  属性:風

  主武器:細身剣

  スキル:

   属性纏衣★

   斬波衝★

   ???

   ???

   ???


・プロテイン

  マッチョの先輩(三年生)・芦田 彰のアバター

  職業:騎士

  属性:地

  主武器:斧槍

  スキル:

   金剛纏衣★

   泥礫捕縛罠★

   ???

   ???

   ???


・リョーマ

  二年で糸目の先輩(三年生)・獅堂 龍馬のアバター

  職業:狩人

  属性:風

  主武器:長弓

  スキル:

   天弓乱射

   ???

   ???

   ???

   ???


   

「終了だ! お疲れ」


 試合が終了し、観戦者として見ていた部員達の光学迷彩が解消されたところでセツナが声を張り上げ部員を集める。


「今回はBチームの勝利だな。さて、まずは戦ったメンバーの意見を聞こうか」


 集まった部員達。まずは今の戦いを行なっていた6人に意見を聞く。


「うわあぁぁぁん。筋肉怖い〜〜っ!!!」


「はっはっは! 筋・肉・炸・裂☆」


 クルミはへたりこんで泣いている(フリだとおもうんだけど、本当に泣いているように見える)


 それを、プロテインは見下ろしながら大笑いしている。


「こちらが有利となる組み合わせで3竦みに持って行けたのが勝因だな。やはり『雷』属性のクルミに、スタン無効の『地』属性のプロテインがぶつけられたのが大きかった」


「僕のところに苦手な接近タイプのカエデが来た時は心臓が止まるかと思いました」


 続いて勝者であるレッドリーフとリュートの意見。


「少し私達に慢心があったかも知れないっす。最初の攻撃で3人を散開させて連携を断つまでは良かったんすけど、その後の連携がいまいちだった。やっぱセツナの指示がないと、団体戦の戦力が大きく落ちる、ってのが印象っすね……」


 最上級生なのに「っす」が口癖で下級生っぽく聞こえるマリー先輩。


「アタシはマリー先輩からのバフが効いている間に押し切れなかったのが反省です。

 それにリーフ先輩との一騎打ちに意識が取られてしまい、二人のフォローが出来てませんでした。

 クルミ先輩がピンチのタイミングでフォロー出来ていたマリー先輩の視野の広さを見習いたく思います」


 最後に一番いい動きをしていた印象のカエデが自己分析結果を語る。


「うむ。みんな良く自分の良い所、悪い所が洗い出せてるな。

 では、観戦していた部員からも意見を聞こうと思うのだが――」


 セツナ先輩の視線がこっちに向く。


「折角なのでゲストのSnowの感想をまず聞いてみようか?」


 いきなり無茶振りされ、私は「ほえっ?」と変な声が出てしまった。


「「先輩っ?!」」


 その無茶振りにアカネとルナが抗議の声を上げる。


「そんな怖い顔をするな、別に嫌がらせで最初にSnowに話を振ったワケじゃないんだ。

 部員以外の者がいることが少ないからな、他の部員の意見に左右されない率直な意見を聞きたいと思っただけだ。

 なので「すごかった」とか「こんなもんか」だけでも良いので意見があれば聞きたいのだが、どうだろう?」


 真っ直ぐな視線が私を捉える。


「え、っと…… 何て言ったら良いのかな……」


 他の人の意見を聞いていれば、それを参考に出来たんだけど、それが無いのでどう答えたら良いのか分からない。


「別にどんな意見でも構わない。君が感じたことを忌憚なく言って貰えば良い」


 セツナは柔らかく微笑む。


 う〜ん、なんて言ったらいいんだろう…… でも、どんな意見でもいいって言ってるし、強くなるためのアドバイス的なことを言えば良いのかな。それなら――


「わ、私の率直な感想は、両チームとも()()()()()()のかなって思いました。


 普通ならば最初の大魔法をあんなに早く回避出来ないですし、あんなにピッタリとトラップスキルが嵌ることもそうそう無いのだろうと思います。


 慣れているがために予測されて回避されて、慣れているが故に対抗スキルが嵌ったのかなと思います。身内での対戦ではそれでもいいかといいと思うのですが、すこし視野が狭くなっていたのではないかなと思いました。


 最初の大魔法も発動前の魔法陣展開時にBチームは散開を開始していたので、途中キャンセルすれば体力を消費せずにアドバンテージが取れていただろうし、拳闘士の先輩は高速で飛来する矢を捌けるならば斬撃の衝撃波も捌けると思うので、避けるために距離を取らずに、その場で斬撃を捌いて狩人へ接近戦を仕掛けられたかなと思います。そうしていれば同士討ち(フレンドリファイヤ)を恐れて斬撃の手は止まったかもしれません。

 あとこれは私が教わったことの受け売りなのですが、全身鎧の先輩は敵を倒した後に喜びを表現してましたが、それは大きな隙になっていましたのでやめた方がいいと、思い、ます……」


 言葉を選びながら意見を言ったのだけど、みんなの表情が険しくなっていることに気づいて、言葉が尻すぼみになる。


 あれ、何か変な事こと言っちゃったかな……


「うむ。なるほど。良い意見だ。


 先程戦ったのはうちの学校内でも私を抜いた中での最強のメンバーなのだがな。他の部員ではここまで的確なアドバイスは出来なかっただろう。想定した通り、いい意見だった。参考にさせててもらうよ」


 セツナの言葉で自分のしでかした事に気付く。


 そうだ。今戦ってたのこの部活で一番強い人たちだったんだ。だから、改善点を挙げるのではなく、良かったことを挙げるべきだったんだ。


 他の部員からの視線が「何だこいつ」みたいな意思を感じる。


 どうしよう。何とか今の発言を撤回するような、良かった点を言わなくては――


「あのっ、投擲士の先輩は一瞬で適正な距離を取る空間把握能力と、一撃で全身鎧の隙を縫っての部位破壊する投擲の制御力(コントロール)が凄くて、魔導士の先輩は全体を見渡せる視野の広さ、それと分かりずらかったですがフォロー時に飛んできた矢を急所から外したあの一瞬の動きが――」


 慌てて良かった点を列挙したのだが、その言葉を遮るように部員の中の一人が手を挙げて立ち上がった。

 逆立った髪型のアバターなので、めちゃくちゃ怒っているように見える。


「先輩、意見いいっすか?


 部長がスカウトしてきたこの子、本当に強いんですか?

 スポーツ大会の映像見ましたが、俺はこいつはチートツール使って調子乗ってるだけの奴にしか見えないんですけど。

 ずっと我慢してたんですけど、先輩方のバトル見て調子乗ってアドバイスとかしてるの、我慢なんねぇ」


 (まなじり)を吊り上げて、怒気の孕んだ声で捲し立てる言葉に、何人かの部員も同調するかの様に頷いている。


 あぁ、どうしよう。()()()()()()じゃない、本当に怒ってるんだ。


 私は慌てて謝ろうとしたのだけど、それより先に別の怒声が響く。


「はぁ!? Snowがそんなズルしてるワケないでしょ! 勝手な事、言わないでよ!」


 怒りの声を上げて掴みかかろうとしたのはアカネちゃんだった。


「ダメだよアカネちゃん。相手は二年の先輩だよ!」


「そんなの関係ない! 友達にあんな事言われて黙ってられるワケないじゃない!」


 それを必死にルナが止めている。


 どうしよう、私の迂闊な言葉でアカネちゃん達まで巻き込んてしまった。早く謝らなくちゃ――


「ごめ――」


「静かにしろ、お前ら!」


 私の言葉より先に、混乱したその場を収めたのは、部長であるセツナの一喝だった。


「フミヤ。私はSnowに意見を聞いていたんだぞ。お前の意見など聞いていない。それは貴重な意見を遮ってまでする話だったのか?

 それにバトルしていた6人は、Snowの意見は無意味、生意気な戯言だなんて思ったか?」


 セツナの問いに、6名は首を横に振る。


「Snowはゲストだと言ったろ?

 そのゲストを貶める様な発言は部の品位を下げるものだと心得ておけ!」


 鋭い視線で睨まれ、先程意見を言った部員は「す、すみま、せん……」と腰を抜かして座り込んでしまった。


「罰として部員全員、ダイブ後に筋トレ3セットだ」


 セツナの指示に部員達は「はい」と答える。


「せっつん、筋トレって私も? さっき、私、腕立て30やったんだけど……」


「連帯責任だ。私は責任者として5セットやるから、クルミもやるんだ」


「う〜、ツンツン後輩、後でバトルでボッコだな」


 クルミが恨めしそうに、問題発言した後輩を睨みつけていた。


 あぁ、どうしよう。すごく険悪な空気になっちゃったよ……


 オロオロと辺りを見回すが、部長に一喝されて下を向いてしまった部員たちと機嫌を悪くした上級生の姿があるだけであった。


「部員の不敬を許してくれ。部を代表して私が謝ろう」


 あたふたしているとセツナ先輩が私に向けて頭を下げた。


「や、やめてください。私こそ、あの、すみません」


 慌てて私も謝りながら頭を下げる。


「ははは。なんでSnowまで謝っているのか分からないが、一つ頼みを聞いてもらっていいか?」


 頭を下げていると、セツナ先輩から声がかけられる。

 私は「はい……?」と疑問符をつけて顔を上げる。


「部員が君の実力を疑っているのは事実だ。もし良ければ私と模擬戦をしてもらえないか?」


 セツナ先輩がにこりと笑って提案してくる。それと同時に部員たちが騒めく。


「先輩っ」


 またしても声を上げたのはアカネちゃんだ。


「いや、本気でやる訳ではない。疑っている部員が納得したならそこで終了しても構わない。


 どうだろう?


 私と闘うところを見せれば部員は納得するはずだ」


 アカネちゃんの声を宥めて、再度訊いてくる。


 えっと、私はどうしたらいいんだろう。


「セツナ先輩。実力を見るというのならば、アタシが闘ってもいいと思うのですが。同じ拳闘士ですし、実際にスポーツ大会ではアタシが先に闘う予定でしたので」


 思いもよらないところからの声。それは先ほど団体戦をしていた中の一人、拳闘士のカエデだ。


 えっ、どういうこと?


「そう言われてもな……

 カエデはSnowの実力を疑っていないみたいだな。何か根拠があるのか?」


 セツナが質問を返すが、カエデは口を噤む。


 なんだろう、なんか既視感があるのだけど、カエデ先輩とどこかで会っていたかな……?


「それにカエデは団体戦をした後だから連戦になってしまう。ここは部長の私にこの役を譲るべきだと思うよ」


 嬉しそうに告げるセツナの顔はしてやったりという表情だった。


「くっ、そのために先輩はさっきの団体戦に参加しなかったのか」


「カエデー、聞こえてるぞー」


「ったく脳筋女どもが……」


 セツナとカエデのやり取りを見てレッドリーフがため息をついていた。


「ってことでバトルだ、バトル」


 近づいてきたセツナ先輩が私の肩を軽く叩く。


 えっ? 戦うこと決定?


 流れについていけずにオロオロしていると、セツナ先輩は指示を飛ばして部員たちを闘技場の端まで下がられた。


Snow(まゆき)、もし嫌なら私が部長に言ってあげるよ」

「さすがに見学のはずのSnow(まゆき)ちゃんがいきなり部長と闘うなんておかしいよ。もし断るなら私もいっしょに言ってあげる」


 駆け寄ってきたアカネとルナが心配そうに小声で訊いてくる。


 そ、そうだよね。二人にお願いして、この闘いを――


「二人とも邪魔だ、どいてくれ」


 アカネとルナの肩を掴んで引きはがし、強引に私に近づいてきたのは、先程セツナと言い争いをしていたカエデ先輩だ。その目つきの鋭さに私は半歩後退った。


「断る必要はない。部長など斃してしまえ。アタシからSnowへアドバイスだ。スキル【蜃気楼】に気をつけろ。固有スキルの【会心防御】も厄介だがSnowならば対応可能だろう。【蜃気楼】のスキルを使われたと思ったら距離を取れ。それで勝てるはずだ」


 だがカエデが口にしたのはセツナ対策のアドバイスだった。


 あれ、この感覚、知ってる。アドバイスを受けて、記憶のピースがカチリとはまる。もしかして先輩の正体って――


「クマ子さん――?」


 思わず口を衝いて言葉が零れた。それを聞いたカエデ先輩は目を大きく見開いた。


「はは、アバターを変えていても見抜くか、流石だな……」


 何とも言えない表情をして頭を振ると、キリッとした表情で見つめ直してくる。


「バレてしまったなら、クマ子としてもう一つアドバイスだ。


 アタシが強くしてやったんだ。負けんなよ」


 そして観念したかのような表情で言葉をかけてくれる。


 そうか。どうも動きが私に似てると思ったら、私が教えた動きだったからだ。


 私はカエデ先輩に抗議しようとしている二人の友達に「大丈夫」と声をかけて、闘技場中央に歩き出す。


「アカネちゃん、ルナちゃん、クマ――じゃなくて、カエデ先輩。勝ってくるよ」


 拳を向けてそう言い残して、私は部長の待つ闘技場中央へ向かうのであった。

やっぱり一話じゃ収まらなかった。


次回は vs部長 戦です。

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