第六十九話
最近遅れている理由?
ニコ動とヒトラーの続きを書いているからです。
「ウェーク島も撤退するのですか?」
「そうだ。恐らく米軍はミッドウェー島とウェーク島を攻略する情報らしい」
ウェーク島で守備隊司令官と少佐の階級を付けた佐官が話していた。
「同時攻略ですか?」
「米軍の工業力を考えれば有り得る事だ」
司令官はそう言った。
「マーシャル諸島も撤退の命令が来ているようだ」
「迎えの輸送船は来るのですか?」
「輸送船二隻と海防艦二隻が来る予定だ。それと零式輸送機三機が来る予定だ。パイロットと整備兵優先だがな」
司令官は皮肉そうに言った。
「それは仕方ありませんな。兎も角、撤退の準備は進めておきます」
少佐はそう言った。一方、戦前から日本の領土であったマーシャル諸島も撤退の準備が行われていた。
「早く積み込めッ!! ぐずぐずしているとアメ公の奴等が来るぞッ!!」
「こんな小さい島にアメ公が来れば俺達は一溜まりもないもんな……」
「だな。それより『置き土産』をしておかないとな」
陸戦隊や整備兵達は輸送船に弾薬や物資を運び入れている。
そして第五艦隊が来る前に何とか三ヵ所から撤退する事が出来た。
一方、第五艦隊はミッドウェー島に向けて攻撃隊を発艦させていた。
「新型のF6Fヘルキャット戦闘機七八機、ヘルダイバー九六機、アベンジャー八六機の大攻撃隊です。ミッドウェー島のジャップは壊滅するでしょう」
「だろうな」
発艦していく攻撃隊を見ながらデービース参謀長とスプルーアンス司令官はそう呟いた。
「第二次攻撃隊はどうしますか?」
「……第一次攻撃隊と間隔を空けよう。一撃で済めばいいが、もう一撃必要なのか分からんからな」
「分かりました。そのようにしておきます」
そして二時間後に攻撃隊はミッドウェー島上空に到着した。
「ジャップの戦闘機はまだ滑走路で寝ている。今がチャンスだッ!! 全機アタックだッ!!」
攻撃隊指揮官がそう叫び、ヘルキャット隊が急降下をして滑走路に整列していた航空機を銃撃していく。
「次は俺達だッ!!」
ヘルダイバー隊が高度三千から急降下爆撃を敢行して搭載している四百五十キロ爆弾を投下する。
投下した四百五十キロ爆弾は航空機を吹き飛ばし、滑走路を破壊していく。
最後にアベンジャー隊が高度二千で水平爆撃を敢行して止めを刺す。
ミッドウェー島は炎に包まれたのであった。
『これでミッドウェー島のジャップは死んだぜッ!!』
「………」
部下達はそう言い合って喜んでいたが、攻撃隊指揮官は何か釈然としなかった。
攻撃隊は意気揚々と第五艦隊に帰還した。
「……確かに釈然としないな……」
攻撃隊指揮官から聞いた報告にスプルーアンス司令官はそう呟いた。
「攻撃中は対空砲火が一切無かったのは少々妙ですな」
「ふむ……」
スプルーアンスは腕を組みながらミッドウェー島の地図を見た時、何かに閃いた。
「……成る程。そういう事か」
「分かったのですか司令官?」
「うむ。奴等は逃げたのだよ」
「逃げた……撤退ですか?」
「それしか無いだろうデービース君。それとも逃げた以外で何かあるかね?」
スプルーアンスはデービースにそう聞くのであった。
「恐らくミッドウェーの他にもウェーク島、マーシャル諸島も撤退しているだろう」
「それは確実ですか?」
「確実だとも。我が艦隊はミッドウェー島から飛来した偵察機に発見されただろう? その時から撤退したんだろう」
スプルーアンス司令官の勘は当たっていた。ミッドウェー島、ウェーク島、マーシャル諸島は既にもぬけの殻だった。
「クックック……アドミラルホリは中々の策士のようだな。アドミラルトーゴーの子孫は伊達じゃないな」
スプルーアンスはニヤリと笑うのであった。そしてスプルーアンスは直ぐに上陸船団を急がせた。
攻撃後に何度も偵察させた結果、ミッドウェー島がもぬけの殻だったのが直ぐに分かったのだ。
上陸部隊は破壊されたミッドウェー島に恐る恐る上陸した。
日本軍は何処にもいなかった。
「スプルーアンス司令官の言った通りですな。恐らくウェーク島も……」
「多分、いないだろう。だが、油断は禁物だ。念のための攻撃はしておくべきだろう」
スプルーアンスは油断しないようにそう言ったのである。
ミッドウェー島の復旧は工作隊が直ぐに展開をし、占領して二日目で滑走路が復旧して航空隊が進出してきた。
「よし、次はウェーク島だ」
「分かりました。全艦出港ッ!!」
ミッドウェー島の部隊を残して後はウェーク島に向かったのである。
「堀長官の英断には感謝しています」
「いやなに、あのような小島は輸送が半端ないからな。仕方ないだろう」
内地に帰還した将宏は旗艦敷島の長官室にいた。
「マーシャルを攻略した後、米軍はどう出ると思うかね?」
「我が海軍の一大根拠地であるトラック諸島を攻撃するでしょう。ですが、空襲だけで攻略はしないでしょうね」
「ほぅ、その根拠は何かね?」
「B-29です。トラック諸島からでは内地に届きません。ですからマリアナ諸島を取れば内地に届きますし、南方との連絡を一応ながら断つ事も出来ます」
「だろうな。トラック諸島には局地戦闘機も配備させてある。対空砲等も十分だ。そう簡単にはやられはせんよ」
トラック諸島には戦闘機だけでも零戦二百四十機、雷電七二機(排気タービン非搭載機)、鍾馗八一機、疾風九十機が配備されていた。
また、マリアナ諸島のサイパン島とテニアン島には基地航空隊が主力の第一航空艦隊が配備されていた。
この基地航空艦隊は陸海合わせて八個航空艦隊が編成され、現在は第四航空艦隊までがあった。
第一航空艦隊の定数は約千九百機余りと史実と同様の定数である。
この第一航空艦隊司令長官には塚原中将が就任している。
「トラックにいる停泊している艦艇は直ぐに避難させましょう。史実のようにトラック大空襲をされて沈没させられりのは避けたいです」
「同感だな。直ぐに手配しておこう」
草鹿中将はそう言った。トラック諸島に停泊していた艦艇は直ぐに出港してラバウルか、パラオに避難を開始したのである。
「ところで、フィジーにいる機動部隊は動くと思うかね?」
「……警戒は必要かと思いますが、動かないと思います。動くとすればニューカレドニアに行くと思いますが、ニューカレドニアには基地航空隊もいますので」
「うむ、取りあえずの警戒はしておこう。何かあればソロモン方面から航空隊を移動させる」
堀長官はそう言った。
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