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ダンジョン11話

何故銃を使わず剣を使っているのかについての説明回となります

私がダンジョン探索を初めて1週間が過ぎた、と言っても昨日一昨日は土日で休みだったので実働は5日ほどだが、2階の探索を始めて2日目でレベルが3に上がったのでまた少し身体能力が上がっていた。


「レベルアップの恩恵で一番わかりやすいのは目に関する事かもしれないなぁ」

元々眼鏡をかけていても視力が免許更新にぎりぎりだった私にしてみれば視力が0.1上がるだけでも大きかったりするし、車の運転中に流れていく看板も前よりも鮮明に読める。


「今なら異世界転生をする為に飛び出してきた人がいても躱すことが出来る事ができるかもしれない」

そんな事を考えながら私は職場に向けて車を走らせる、片道1時間は運転しながら余計な事を考えて独り言を言うのにはちょうどいい時間である。


「今日もよろしくお願いしますね」

そう言って三橋さんが話しかけてくるが、キララ嬢は非常に不機嫌であった。

「キララちゃんどうしたんっすか?」


それに気づいた北原君が三橋さんに話しかけるが苦笑して、首を横に振る。

「貴方達のせいではないですよ、前にも言いましたが、動画を上げているんですけどね。再生回数があまり芳しくないんですよ」


なんでも何人かのアイドル達はダンジョン内に潜る衣装を薄手にしたり、あえてスカートから下着を覗かせる事で回数を増やしているらしい、それが気に入らずに不機嫌そうにしているそうだ。


「ダンジョンに潜るのに薄手の衣装で潜るなんて、よく現場の自衛隊員が許しましたね」

「そこはほら、芸能界の闇って奴ですよ」

私の質問に三橋さんは深く溜息をつく、実際あるんだなそういうのって。


「一応誤解を解くために言っておくが、受けたのは現場の自衛隊員じゃないぞ」

私達の会話に雄兄が割り込んでくる。

「現場の自衛隊員からすれば薄手を許可してその結果アイドルが傷ついた等となれば大変な事になるからな、そういう交渉を受けたのは現場を知らん上の人間だ」

雄兄は苛立たし気に吐き捨てる。


「ダンジョンアタックチームがついていれば上層で怪我する事なんて万が一にもねえだろうよとか言ってな、ダンジョンで怪我をする原因なんてモンスターだけに限らないんだけどな、くそが」

雄兄は言った後にはっとした顔をして、内緒だぜ?といいダンジョンの入り口を管理している人達の下へと歩いていく。

ダンジョンの入り口では今日も一部の人間が自分達を入れろと騒いでいる、そんな彼等を撮影しているテレビ局クルーも居て、ダンジョンの出入り口を管理している人達は酷く迷惑そうだ。


北原君も最初はテレビに映れるとかって嬉しそうにしていたが、今では関わりたくなさそうな顔をしている。

唯一キララ嬢だけがそんなマスコミにも関わっていこうとして三橋さんに止められていた。

「しかし、今日の人達は顔がいかついな」

所謂ヤクザという奴なのだろうか?サングラスをかけて自衛隊員に怒鳴り散らしている。

自衛隊員が少しでも手を出せば後ろにいる人間がテレビに流してある事ない事を流すのだろう。

「うまくいかないねぇ」

ダンジョンが出来てモンスターという未知の存在が生まれても人間同士で仲良くすることはできないようだ。


上段に構えた剣を振り下ろす、全力で振り下ろすと剣先がぶれてしまうので、力は抑えてモンスターの首に綺麗に落とせるようにセーブする。

レベルが0だった頃に比べれば振り下ろす剣はぶれが少ないがそれでも全力で振り下ろせば狙ったところに振り下ろせずに逆に手間がかかってしまう。


「今更だけど、剣よりも銃器とかの方がよかったんじゃないんですか?」

雄兄に手元の武器を見ながら話しかける。

「いくらお前等が善意の協力者だからって、銃器を簡単に貸し出したり出来ねえよ」

と雄兄は苦笑する、銃器を貸し出せない代わりに自衛隊員がついているのだ、という。


「俺達がついているうちはまぁいいが、お前たちは1ヶ月もすれば一人で戦うようになるわけだ、そうなった時、銃でしか戦えないと色々と不便がある、それに剣に比べてどうしてもコストが嵩むからな、どうしても剣や槍といったコストがかからない武器が好かれるってわけだ」

「その剣や槍だって馬鹿にならないお金がかかるおかげで私達はここにいられる訳ですからね」

と北原さんが言うと、雄兄は嫌そうな顔をする。


「それともう一つ、奴等は脳も骨も心臓もねえからな、あいつ等を倒すには大きな傷をつけてそこから魔力が漏れるのを待つのが一般的だから、銃や鈍器よりも剣や槍がいいってわけだ」

「確かに前に見せてもらいましたけど、そういえば、あいつ等どうやって思考して、どうやって動いでるんですかね?」

そう私が聞くと、雄兄は一言

「知らん」

と切り捨てた。


「色々と研究はされてるみたいだが、未だに解明されてねえな、そういう訳だから、銃とは相性悪いんだよあいつ等」

銃を使った場合、民間に貸し与えられるような銃では、モンスターの体に小さな穴をあける事しかできない、それでは痛みで怯まないモンスターには効果が薄く、また穴が小さいために体内の魔力を全て失うまでに時間がかかりすぎるのだと。


では頭を狙えばどうか?という話だが、完全に吹き飛ばすならともかく、多少破壊したくらいではそのまま行動を続けるのだという、過去に銃で撃ったら頭の左側が吹っ飛んだネズミがそのまま襲い掛かってきて、トラウマになった人が出たらしい。


「だからモンスターを倒すには、大きな傷をつけて魔力を一気に失わせるか、首を刎ねるのが効率がいいんだよ、わかったか?」

私達は一度顔を見合わせてから、頷く、脳もないのに、動き回るなんて、モンスターは本当に訳の分からない生き物だな。


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