16、皇帝ユーリウス
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戦闘が行われている神殿より離れた、首都の中央にある広場では、EAたちが金属板を地面に敷き詰める作業を行っていた。
そのため、全ての瓦礫を片付けられ、見通しの良い場所へと作り変えられている。
「陛下まで行ってしまわれるとは」
その作業を手伝っていたシャールカが、神殿を見上げて呟いた。
ヴィート・シュタクたち精鋭部隊が神殿へ向かった、その少し後の話だ。
最低限の護衛だけを連れた皇帝が、王錫を持ったままゆっくりと坂を上っていたのだ。
もちろん止めようとしたシャールカだったが、アネシュカに遮られてしまい見送ることしかできなかった。
「陛下も、ずっとこのときを望んでいたのだ、シャールカ」
「しかし、陛下は帝国を治める至尊の座におわすお方、このような場所で前線に立つ意味は」
「ないと思うか?」
「……ないと思います」
軍服姿の銀髪の令嬢が、少し自信なさげに答える。
アネシュカは僅かに頬を緩めた後、自身のEAへと乗った。
今、地面に敷き詰められている金属板には、複雑な魔法刻印が刻まれている。それらを取り囲むように、周囲には二ユルほどの柱を担いだEAたちが控えていた。
円形の魔法陣の中心部に向かいながら、鎌を担いだ紅蓮のEAが肩を竦めた。
「確かに皇帝としては立つ意味はないな。しかし、いつかわかるさ」
「……そうでしょうか。私なら、ヴィレーム様に危険な目に遭って欲しくありません」
「だから、ブレスニークの権力を使って勇者を逃がすのに目を瞑れ、か」
「お許しいただき、ありがとうございます。閣下」
「まあ、レナーテを前に勇者の相手をしなくて良いなら、願ったり叶ったりだ。特にヴィルにはな」
半径二十ユルほどの巨大魔法陣の中で、アネシュカが鎌を振り回す。そのいつもの様子に、シャールカは尋ねてみたくなった。
「陛下が危険な目に遭うのを、奥方である閣下は平気なのでしょうか?」
その質問に、将軍の動きが一瞬止まった。EAを着ているので見えないが、シャールカは彼女が中で微笑んでいるという気がしていた。
「私は陛下のお姿を好んだのでも、その権力に揺れたのでもない」
彼女は、魔法刻印の外で立ち尽くす銀髪の令嬢を見つめ、
「その心のあり方を好いたのだ。ならば、止めることはできまい?」
とからかうように笑ったのだった。
メノア帝国十八代皇帝ユーリウス・メノアがいつも夢に見るのは、屈辱と悲しみに塗れた過去だ。
それは順調だった国の運営に影を刺すような事件。
十一年近く前に起きた、北西三カ国による帝国侵略だった。
すぐ外で剣撃の打ち鳴らす音が聞こえる中、アネシュカは皇帝の前に跪いている。
「陛下、お逃げ下さい」
忠義高い部下としての顔で、アネシュカが進言する。
だが、顔の左半分に包帯を巻いた彼女を見て、ユーリウスは力をなくしたように倒れ込みながら抱きしめてしまった。
当時は右軍や左軍という分け方ではなく、帝国自身が抱える六騎士団と貴族が連れて来た私兵団、そして傭兵や民兵が主戦力だった。
敵にはレナーテにより派遣された竜騎士がいる。
そこに魔法に長けた魔法騎士団を主戦力として配置し、貴族の軍勢を後詰めにした。
ブラハシュアやヴラトニアの軍は傭兵や民兵で時間を稼ぎ、その間に短期決戦で竜騎士団を墜とす。そうしなければ、短期的には良くても長期的には負けると確信していた。
帝国は今も昔も広い国土を持つ。万全の状態で挑めなかったのも手痛かったが、何とか押しとどめるしかない。
とりあえず時間を稼ぎ、長期戦へ持ち込んで国力での戦いに持ち込む。それしか勝つ手はない。
ゆえに前線の士気を上げるために、皇帝も戦場の後方まで出張ってきた。
だが、悲壮な決意を持って挑んでいたのは、近衛騎士団と愛するアネシュカが鍛えた少数の騎士団だけだった。
貴族たちは、皇帝が出陣すると知って慌てて体裁を整えただけだった。
魔法騎士団は長い平和で政治闘争の場となっており、大した力がない金と権力が取り柄の指揮官ばかりだった。
民兵や傭兵は、形勢が不利とわかった瞬間に逃げ出し始める。魔法騎士団や貴族の私兵団が逃げ出したのを見て、釣られるように遁走した。
結果として、長い歴史を持つ国の悪い部分が集まったような、無様な戦いとなった。
ユーリウスは戦線を維持するために、皇帝自身の守りを薄くしてでも、自身の近衛を前線の補強に回した。
女傑アネシュカ・アダミーク率いる集団だけが持ちこたえたが、それも賢者一人に蹂躙された。
相手は万全の準備をしてきている。
称号持ちと竜騎士という突出した武力が、遺憾なく発揮される戦略を用いていた。北西三カ国連合は強く、帝国軍は撤退と敗北を繰り返した。
ついには、戦陣の最後部にいた皇帝の近くにまで、敵部隊が押し込んできた。
「おお……ああ……アネシュカ……」
自分を抱きしめる男の背中へ、彼女も腕を回して抱きしめ返す。
「陛下、陛下は帝国にとってはなくてはならぬお方。ここは、私にお任せを」
と皇帝をあやすように軽く背中を叩いた。
「だが、お前を置いていけるか!」
「お聞き下さい陛下。近衛と我が手下どもで何とかここを守り切ります。その間に、少しでも遠くへ。馬と私の信頼する部下をつけます。どうか、ヴィルを……ヴィレームをお願いします」
ゆっくりと離れたアネシュカが、皇帝の顔に右手を近づける。彼女が何かを呟いた瞬間に、ユーリウスの意識が一瞬で遠くなって眠りに落ちた。
それが眠りの魔法だと気づいたのは、彼が戦場を離れ起きた後だった。
「……ここは?」
「ご安心下さい陛下。すでに戦場は離れております」
若い勝ち気そうな女騎士が跪く。
「アネシュカは!?」
周囲を見回しても彼女の姿はなく、疲れ切った兵士たちが皇帝の前に跪いている姿だけだった。
「……姉御は……わかりません」
「戻るぞ」
「陛下、申し訳ありません。そいつは聞けません。姉御の意思を無駄にすることになる。アンタを殴ってでも止めろって言われてますんで」
女騎士に言われ、彼女の言葉を思い出す。息子を頼むと。
「……アネシュカ……」
「まずヴレヴォまで戻るぞ、何としても」
「はっ」
始まった撤退は、至難を極めた。
北西参加国連合は速度を重視していたようで、皇帝一団の足取りよりも早く深く、帝国に切り込んでいた。
ゆえに幾度も敵兵に追われながらの逃走だった。途中でユーリウス自身も右手を切り落とす重傷に襲われた。
ついてきた兵士も、残りは二人。若い女と眼鏡の男だけだった。どちらもアネシュカが育て上げた信頼できる人間だった。
「陛下……ヴレヴォが」
「……なんということだ」
彼らがその町を見下ろす丘に辿り着いたとき、息子がいるはずの町はすでに占領されていた。
「どう……されますか」
「帝都に戻る」
「……坊ちゃんはきっとオヤジが助けてくれているはずです」
「お前達の忠誠は本物だ。そう信じる」
「高く買って貰ったところすんませんが、姉御のオシオキが怖いだけなんですよ、二人とも」
若い女が笑うと、割れた眼鏡の男も苦笑を浮かべた。
「それでも構わんよ。妻の誉れは、私の誉れだ」
その後、何とか帝都に戻ったとき、ユーリウスは心底失望していた。
良い後継として育てたつもりのエリクは、母親や周囲の貴族たちに唆されたようだ。負けを認めたかのような講和に、皇太子として勝手に調印しようとしていた。
次男のザハリアーシュとその母は、彼らを止められなかったことに頭を下げるだけだった。
ヴィレームだけが、父親に抱きついて、その傷ついた姿を見て涙を零した。
これが大陸最大の国か。彼は自嘲しながら、残った左腕で王錫を握る。
必死に機嫌をうかがう、情けない顔の人間たちが居並ぶ。
普段は威勢の良いブレスニークも東方に引きこもり、何の役にも立たなかった。他の貴族も似たようだものだ。
ヴィレームを残った左手で抱きしめた彼は、堅く決心をする。
時代を変えると。
全てを更地にしてでも強い国を作り上げ、二度とこのような屈辱を味わうまいと。
そして、この世を操る者に復讐をすると。
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父さんが次々と魔法を打ち消していく。
王錫にそういう効果があると聞いていたので、最初から使う予定にはなっていた。だが、皇帝本人が持ってくるのは、完全に想定外だ。
『ぬううう、悪魔めええ、ここまで儂を虚仮にするかぁ!』
「バカが。ここに悪魔の意思はない。貴様は、我らメノア帝国に負けるのだ!」
レナーテが空中に浮かべた花弁のような魔力体からは、次々と陛下目がけて魔法が放たれていた。
だが、父さんが杖を振るうだけで、魔法だけではなく魔力体までが消えていく。
「シュタク少佐、ボーッとするな!」
「承知しました。全機、今のうちに螺旋槍を出せ!」
広場で密集陣形を作っていたボウレⅡたちが、背中に抱えていた槍を構える。円錐状に尖った普通の槍だ。
聖龍が魔法を放つたびに、陛下の構えた杖が動いて、魔法がかき消えていく。
正直、皇帝陛下を危険に晒しているようで気が引けるが、クソトカゲの注目がそちらに集まっているのは好都合だ。
「全機、突撃しろ!」
オレとミレナは魔法を打ち消す陛下の前を離れられない。今は他の人間の活躍を祈るのみだ。
出した号令に従い密集から横列へと隊列が変わる。槍を構えたEAたちが脚部装甲内に魔力を叩き込み、一気に加速して突撃し始めた。
『悪魔め、悪魔めぇ! ぬううぅ!』
最初はレナーテの魔力障壁に弾かれていたボウレⅡたちだが、何度も何度も突撃を繰り返していく。やがて、槍の先端がその体に届き始めていた。
『そのようなもの、我が龍鱗には刺さらぬわ』
巨体に接触した槍が弾き返される。
だが第二陣は、加速を緩め、先端を鱗につけて止まった。
手に持った槍の柄に、ボウレたちが魔力を流し込む。
『ぬうううう!?』
その痛みに聖龍が身をよじらせた。
高速戦闘艇の水面下にある高速回転翼。魔力を流すことで回転して推進力を得るという機構だ。
それと同系統の機能を使った、先端が高速回転する槍。
ヴラシチミルはドリルとかいうリダリア語を使っていたが、正式採用されたのは螺旋槍という言葉だった。
『この、ヒトごときが! 小賢しいわ!』
聖龍が長い尻尾を振り回し、ボウレたちを吹き飛ばす。
そこへ第三陣の螺旋槍が突き刺さり、回転を始めた。
砕けないはずの鱗を砕き、聖龍の肉体に刺さっていく。
すでに槍の半ばまで刺さっているものもあった。
『この、ヒト風情がああああああ!』
虫のように集るボウレたちを薙ぎ払うが、我が軍のEAたちは、愚直なまでにその行動を繰り返す。槍を失ったEAは刺さっている槍に魔力を叩き込み、落ちている槍を拾っては刺し貫いた。それもできないEAは、他のEAを背中から押してでも、レナーテに傷をつけようと試みる。
『この……火撃六王散華』
その螺旋槍部隊をようやく脅威と認めたのか、巨大な龍が足元に向けて魔法を放とうと魔力を集める。
「やらせはせんよ、レナーテ」
魔法を放とうとすると、父さんがオレたちの背後から王錫を振るう。その直線上にある魔力や魔素は全て消え去り、淡い緑の光と還元された。
もちろん、魔法の効果は出ない。
『悪魔め、悪魔めええええ、この聖龍をここまで何度も、追い詰めるかぁあああ!!』
怒りに満ちたクソトカゲの声が周囲に轟く。
ヤツは空中に浮かび始めた。アイツはどうも魔力消費なく空中に浮かぶ特性を持っているようだ。
螺旋槍を持ったEAたちを振り払い、徐々に地面から離れていく。
「逃がすかよ」
これだけ陛下と近接部隊が時間を稼いだのだ。
オレの背後には、柱を持った第二陣のEAたちが到着している。砲撃強化型のボウレⅡも一緒だ。
「全機、あの目障りなトカゲを撃ち落とせ! 物言わぬ死体へと変えてやれ!」
オレがそう指示を出すと同時に、後方に並んだ砲撃部隊が、一斉に魔力を込める。
三十機以上の弓型武装を持ったボウレⅡたちが砲撃を始め、その後ろにいた『柱』を抱える部隊が、レナーテに勝るとも劣らない光熱の魔法を放った。
その全てが、空に浮かぶ龍の巨躯へとぶち当たる。
治癒したばかりの体を貫き、足を破壊し、鱗を削り取っていく。
「かましてやれ!」
陛下が発したのは、まるで贔屓の剣闘士を応援するかのような、興奮した声だった。
それと同時に放たれた魔力の塊が、レナーテの頭部に着弾すると大爆発を起こし、遥か後方へと吹き飛ばしていく。
最後に轟音を立て、レナーテ神殿の後ろにある山裾から大きな土煙が上がったのだった。
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首都から逃げ出した避難民の行列は、遅々とした足取りで東の港へと進んでいた。
幾度も休憩を挟み、夜間には動きが完全に止まるからだ。レナーテの戦闘が始まった頃でもまだ、道のりの半分も達していなかった。
その行列の半ばほどで、護衛と手伝いを行っているのは、青い線の入った白地のEAだ。
青髪の少年コンラートは、また休憩に入った行列にため息を零しつつ、レクターから降りる。手に持っていた水筒から水を喉に流し込んだ。
「戦闘が始まっておる頃か」
「……だろうな」
青髪の少年に近づいてきたのは、老冒険者タルレガ・メンシークだ。老冒険者であり真竜国前体制の王であった彼は、元帝国軍人である仲間に向けて、情けない笑みを向けた。
「レナーテ様が負けることがない……とは言い切れんのが、今の帝国は強い……」
「たぶん、万全の準備をしてるぜ、隊長は……右軍は」
コンラートが苦渋の表情ではっきりと告げる。
自分の上官だった仮面の男がどんな人間であるか、ある程度は知っていた。容赦はなく、民を犠牲にするのも厭わない。
右軍自体もアネシュカ・アダミークという女傑に率いられた、侵略に特化した軍団だ。準備を怠ることは有り得ないだろうと、元右軍の少年もわかっている。
「魔王か。あながち嘘でもないかもしれんのぅ」
「角は生えてなかったけどな」
「冗談じゃ。何度も世界の危機を守るために戦ったレナーテ様が否定されたのじゃ。リリアナ殿が何を言おうと関係はあるまい。あの子の気持ちはわからんでもないがの」
小さくため息を吐く老冒険者の動作に、コンラートは苦笑いを返す。
そんな彼らの元に、
「あ、いたいた。アンタが代表のメンシークさん?」
という脳天気な問い掛けが聞こえてきた。。
「いかにも儂がメンシークじゃが、そちらさんは?」
避難民の行列に反って、歩いてきた男に見覚えがない。
年頃は三十に近いぐらいだろうか。冒険者としては最も脂の乗る時期だ。
鍛え抜かれた肉体に布の服をまとい、肩や心臓などには魔物の革製と思われる防具を装備している。
顔つきは精悍ながら、親しみを感じさせる笑顔を浮かべていた。
「あー、オレの名前はクリフ・オウンティネンだ。ブレスニーク公爵家に雇われた特級冒険者だ」
「特級? オウンティネンとな! というとヨルマ殿の!」
「死んだ剣聖ヨルマの兄貴さ。アイツほどじゃねえけど、それなりの腕だと自負はある」
「そうか……大剣豪クリフ……じゃったか。聞いたことがある」
「オレも『万の手』メンシークに会えて光栄だ」
「久しく言われぬ二つ名じゃ。器用貧乏の老いぼれと呼び変えても良いぞ」
「オレたちゃ冒険者だ。器用であるに超したことはねえさ」
冒険者同士が力強い握手をかわした。双方の顔には、優秀な冒険者同士が持つ自信のようなものが窺えた。
「それで、そのクリフ殿は儂に何の用事じゃ? ブレスニークに雇われたと言ったが」
「ああ。ちょいと仕事でな。アンタらを港まで無事に案内するって役目もあってな」
「ほう? それはわざわざすまんな。特級冒険者まで雇ってもろうて」
「ま、それだけじゃねえんだが。帝国にも用事がある」
「用事?」
「家出しちまったお嬢様を、無事に連れ帰る仕事さ」
クリフと名乗った男が肩を竦めて笑う。
「令嬢が真竜国に家出とな……なんとまた」
「万が一にでも殺されんように、早めに来たつもりだったんだが、ちょっと遅れちまった」
「ふむ……しかし、帝国は殺気だっておる。簡単に近づけるか?」
「なぁに、こっちだって手はある」
若い冒険者が自信げに胸を張った。
「手?」
「ああ。おっと、追いついたか」
男が肩越しに背後へ視線を向けた。
それまでボーッとやりとりを見ていた元軍人コンラートが、驚きの声を上げる。
「なんだよ、そのEAは!」
シュタク特務小隊にいたコンラートは、現行機種のEAをほとんど見たことがある。そんな彼ですら見たことのない鎧が立っていた。
「これが今回のブレスニークからの報酬さ。何でも勇者の父親とやらが作った新しいEAで、『シーカー』とか言うらしい」
そこに立っているのは、装飾を極力省いた、緑と焦げ茶色の地味なEAだった。ともすれば、風景に溶け込みそうな色合いだった。
「オトマルがブレスニークに保護されておったか。しかし、シーカー……考えたものじゃな」
老冒険者メンシークが感心したように頷く。
「オレたちみたいに技能も肉体も優れた特級冒険者が、EAって兵器に乗る。称号持ちってほどじゃなくても、良い戦力になるって寸法さ」
コンラートがそのシーカーに近づいて、訝しげに眺める。
「……レクターを丸く地味にした感じか。性能はわかんねえけど、レクターと同等ぐらいあるなら確かに戦力にはなる」
「だろ? オレたちも満足してるぜ。かなり良いな、EAは。これからは来る、新しい時代が」
特級冒険者クリフが、横に立ったシーカーを満足げな顔で叩く。
「新しい時代?」
メンシークが訝しげに問い掛けると、クリフ・オウンティネンは、
「そうさ。誰もがEAに乗る時代だ。冒険者でもな」
と野望に満ちた目で笑ったのだった。




