表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の婚約者は6人目の攻略対象者でした  作者: みかん桜
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/68

12.乙女ゲーム!?

 時が経つのも早いもので私達は15歳になった。


 この国の貴族は皆、16歳になる年から18歳になる年の3年間は王立学園に通う決まりがある。


 そして今日はその王立学園の入学式。


 久々の学生生活、実はずっと楽しみだったのよね。昨日は楽しみで中々寝付けなかったくらい。新しいお友達ができたらいいなぁ。


 なんてこれから過ごす学園生活に思いを馳せながら、ワンピースタイプの制服に身を包み、ウィル様から頂いたサファイアのブローチで彩る。


「クラウディア様、そろそろ殿下の到着時刻です」

「分かったわ。ありがとうポーラ」


 そうそう、ポーラは私の護衛騎士と結婚したの。護衛術を身につけるため、ポーラは騎士の訓練を受けていた時期があってね。その時、色々アドバイスをしてくれた騎士と意気投合したみたい。


 訓練は私がウィル様と婚約する前から始まっていて、私の専属じゃなければそんな事しなくて良かったのにと謝った事があったの。そしたら元々体を動かす方が好きだからって全く問題なかったのよね。



 迎えに来てくださったウィル様の胸元にはルビーのブローチ。私のとは色違いでお揃いなの。ニヤけちゃいそう。


「おはようディア」

「おはようございます。ウィル様」


 きゃー。制服姿のウィル様がカッコいい!!


 もうすっかり痩せて、側妃様似のイケメンになったウィルハルト殿下。今まで残念王子って言っていたご令嬢達も、手のひらを返すかのごとくウィル様にすり寄ってくる。ちょっと……いや、だいぶムカつく。


 なんて思いは心の内にしまっておき、ウィル様のエスコートで馬車に乗り込む。王家の紋章入りの馬車で通学するのは恐れ多いけど、この際ウィル様の婚約者は私だと分からせてやろうと思う。


「ディア? 今日だけじゃなく、毎朝迎えに来るからね?」

「っ!!」


 私、声に出してましたか!?


「ディアは俺の大切な婚約者なんだ。当たり前だろう?」


 と言って私の髪を一房手に取り、キスをするウィル様。


 は? 王子様かよ。


「ふっ」


 ふっ。ってなに!? 今のもカッコよすぎるんですけど!


「あ、ありがとうございます/// その……毎朝起きるのが楽しみになりそうです」

「ディア……」


 私を見つめ……嬉しいと言わんばかりにぎゅーっと抱きしめ、耳元で『俺もだよ』なんて好きな人に言われたら、顔が赤くなるのは仕方がないと思うのよね。


「可愛い」


 はい、ありがとうございます。でもしばらく黙ってください。


 はぁ。。毎朝彼氏が家まで迎えに来てくれて一緒に登校するとか、控えめに言っても最高すぎっ! 前世からの夢が1つ叶ったよ。



 でも幸せな時間というのはあっという間に終わるもので、もう学園に到着してしまった。


 ウィル様の婚約者として恥ずかしくないよう、馬車を降りる前に深呼吸して……よしっ! 令嬢の仮面、装着完了!


 それにしても……本当、何度見ても学校って感じがしないわ。うーん、ヨーロッパの歴史ある大学に……似てるのかな? 前世の私が通っていた大学って有名な建築家のデザインだったのよねぇ。入学したての頃、おしゃれなキャンパスで嬉しかったのが懐かしいわ。


「ディア?」


 おっと、危ない。少し感傷に浸ってしまった。


「ウィル様、入学式が終わったら学園内を見て回りましょうね?」

「ふっ。ディアは変わらないね。もちろん探検しよう」


 もうっ! 私はちゃんと言葉を選んだのに、探検って言っちゃうんだから。


「程々にしてくださいよ」


 !! 声を掛けてきたのはウィル様の側近の1人。皆様、いつの間に近くに来ていたの!?


「ずっといたよ」

「あら? 私、また声に出していました?」

「俺はディアの顔を見れば分かるから」

「そ、そうですか///」


 これでも淑女教育は頑張ってきたのよ? 先生方だって褒めてくださるし。


「あっ……私もでした」


 私もウィル様の顔を見れば、なんとなく考えていることが分かるんだった。


「知ってるよ」


 ウィル様は私の頬に手をあて……って、ご令嬢達の悲鳴が煩い。でもそのお陰で、周りにたくさん人がいることを思い出したのだけど。


「ウィル、講堂へ向かおう」


 またまたいつの間にいたのか、第三王子であるラインハルト殿下御一行様まで近くにいるじゃないか。


 思っていたより多くの人に見られていたことが恥ずかしくなってしまった私は、ラインハルト殿下の婚約者であり、私の数少ないお友達でもあるサブリナの隣に逃げた。……ウィル様にすぐ捕まったけど。


 最近は学園の入学準備等で忙しく、サブリナと会うのは久しぶり。近況報告をしながら大所帯で入学式が行われる講堂へと向かっていると……。


「きゃあ!」


 !?!?


 私達の行く手を阻むように、髪色がピンク色の女生徒が転けた。


 もしかして王族の命を狙う刺客!? 学園在中の衛兵は何をしているのよっ! と思い、睨みを効かせ……ることは出来なかった。


 なぜかって? 驚きで固まってしまった私をウィル様が瞬時に腕の中に囲い、守ってくださったから。私の視界はウィル様の胸元で遮られちゃったの。


 ねぇ、ちょっとカッコよすぎじゃない? 私の婚約者。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ