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過労死転生した最強悪役令嬢、追放されチートで聖獣とスローライフしてたら冷徹公爵に溺愛された件  作者: 限界まで足掻いた人生
第2章:現実世界侵攻 編

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第56話 幻の有給休暇と、即日採用の罠

「――それで? 貴様ら、今までどこをほっつき歩いていた?」


地下帝国、裏国家本部ビルの一室。 私と《食卓の騎士》と元魔王軍四天王のメンバーは、強面の男たちに囲まれていた。 彼らは葛城総理の側近である、裏国家の幹部たちだ。


「総理の姿が見えんようだが……あの方はどうされた? まさか、貴様らだけ逃げ帰ってきたわけではあるまいな?」


幹部の一人が、ドスを利かせた声で詰問する。 隣でアーサーが「正直に話すべきか……」と口を開きかけたのを、私は素早く手で制した。


(……言えるわけない)


私は、数分前――第13開発室オフィスを去る直前の、あの**「若い総理」**の言葉を思い出していた。



転送陣が光り輝く中、本来の姿に戻った葛城総理は、私にだけ聞こえる声で耳打ちした。


『よいか、コーデリア君。……わしらが「外側の人間プレイヤー」であること、そしてこの世界が「作り物」であることは、地下の連中には内密にな』


総理は、アリス(幼女CEO)と並んでウィンクしてみせた。


『あやつらは、設定されたプログラム(AI)とはいえ、心を持って生きておる。……自分たちが「ゲームのキャラ」だと知れば、精神崩壊(発狂)しかねんからな』


『……承知しました。総理のことは、どう説明すれば?』


『適当にごまかしておいてくれ。「高度な政治的判断により、雲隠れした」とでもな。カカカ!』



(あの狸親父……! 面倒な説明を全部私に丸投げして……!)


私は内心で毒づきながらも、営業スマイル(鉄壁のポーカーフェイス)を貼り付けた。


「ご心配には及びません。総理は現在、**『極秘ミッション』**により、別動隊として動かれています」


「極秘……だと?」


「はい。世界を根底から覆すための、高度な政治工作です。その内容はトップシークレット……私たちが口外することは固く禁じられています(大嘘)」


私がすらすらと嘘を並べると、幹部たちは「おお……」と感嘆の声を上げた。


「さすが総理だ。常に我々の想像の先を行っておられる」 「我々如きが知ろうなどと、おこがましいことだったか」


チョロい。 彼らの総理への忠誠心が高すぎて、勝手に良い方へ解釈してくれた。


「して、貴様らは?」


「私たちは総理の命により、一時帰還しました。……次の指令(GOサイン)が出るまで、この地下で**『待機』**せよとのことです」


私は「待機」という言葉を強調した。 そう、これは休暇だ。バケーションだ。 総理も言っていた。「好きに使っていい」と。


幹部は深く頷いた。


「なるほど、理解した。『待機』だな」


「はい(ニッコリ)」


「つまり、**『遊ばせておくのは無駄だから、ウチで働け』**ということだな」


「……はい?」


私の笑顔が固まった。 幹部は、手元の書類にハンコをバン! と突き、ズイっと突き出してきた。


「総理が連れてきた人材だ。腕は立つんだろう? ちょうど人手不足でな」


彼は、背後の部下に指図した。


「おい、こいつらのサイズに合う**『制服』**を持ってこい! 明日から本採用だ!」


「ちょ、ちょっと待ってください! 私たちは『待機』を命じられて……」


「ああ、分かっておる。**『住み込みで24時間体制の待機(=労働)』**ということだろう? 我が裏国家は福利厚生メシはいいが、仕事はキツイぞ。覚悟しておけ」


どさっ。 私の腕の中に、新品の作業着と、安全靴、そしてヘルメットが積み上げられた。 アーサーたちや四天王にも、同様のセットが配られる。


「明日の朝8時、本部前集合だ。遅刻は厳禁だぞ」


幹部たちは「よろしく頼むぞ、新人!」と爽やかに肩を叩き、去っていった。 残されたのは、作業着の山を抱えた私たちだけ。


「……係長。これはいったい?」 ランスロットが困惑している。


私は、ギリリ……と奥歯を噛み締めた。


(話が違うじゃない……!!)


あのイケメン総理の顔が脳裏に浮かぶ。 『好きに使っていい(=裏国家の施設で働け)』 『英気を養え(=労働後の飯は美味いぞ)』 『無期限の自宅待機(=終わりのない住み込み労働)』


(あいつ……! 最初からそのつもりで……!!)


私は作業着を握りしめ、心の中で絶叫した。


(全然『休み』じゃないじゃないッ!! 結局ここでも社畜なの!?)


「……ふふ、ふふふ」


「か、係長……? 目が笑っていませんが」


「みんな。……こうなったら、この地下帝国(ブラック企業)でもトップに登りつめて、『働き方改革』を断行してやるわ!!」


「「「イエス・マム!!(よく分からんがやる気だ!)」」」


こうして、私たちの「戦い」は終わらなかった。

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