第十三話:エージェントとかかっこつけてるけどただの人集め屋だろ
お久しぶりです。投稿遅れて申し訳ないです。
秋の競馬の調子がいいので投稿します。
ジャパンカップ外したら投稿遅れますのでご容赦ください。
「ということですまん、金貸してくれ」
「貴方たち、どんだけ馬鹿なんですか?」
次の日、共に一文無しになってしまった俺たちはショコラに金をせびっていた。
「頼む、昨日から朝飯すら食べてないんだ」
「お願いショコラ、パーティの危機よ」
「私が就職間違えたことだけは分かりました」
そういいながら、ショコラが一日分の食費を貸してくれた。その上、朝飯もおごってくれたのだった。
「うめえ、こんなに飯がうめえのは久しぶりだッ」
「で、その『パチンコ』なるものは一体なんなんですか?」
「なんか異世界の機械らしい、少なくとも俺たちの世界には存在しないだろうものばかりだ」
ショコラが奢ってくれたパンをむさぼりながら、昨日の話をする。
確かにあれは金が増えることもあるかもしれないが、減る可能性のほうが何倍も高い。
冷静に考えればわかるが、あの派手な演出に正常な判断力を奪われていたのかもしれないと今になって思う。
「そういえば、前にケンジが異世界がなんだとか言ってました」
「なんだ、あいつ異世界のことについて知ってるのか?」
「詳しくは知らないですが、自分は異世界から来たーとかなんとか」
なんだそれ、自分が強すぎて頭おかしくなっちゃったのか?
自分のことをおとぎ話の主人公だと思っているのだろうか。
「まーわからないけど、そこそこ楽しかったわよねあれ!」
「ミル、もう二度と行くなよ」
俺は今回の件で懲りたが、ミルはあまり反省してないかもしれない。
「で、今日はどのクエストをこなすんですか?」
「ああそうだ、今日は二人でクエスト行ってくれ」
「ロック、あんたついにサボる気?」
「違うわ! 今日は就職エージェントに登録しに行くんだよ」
就職エージェントとは、ギルドで扱っている求人だ。
ここにパーティを掲載することで、ちまちま個人を集めるより人の目につきやすくなり、応募者が増える。
うちは今、3人しかいない。しかし、基本的にパーティメンバーは4人必要だ。
「それに、こいつらよりいい人材が欲しいしな」
「あ、もしかして今ロック私をクビにすること考えました!? 終身雇用ですよ!」
「安心しろショコラ、まずクビにするのはミルからだ」
「ちょ、なんてこというのよ!!」
ということで、そろそろ約束していた時間だ。
朝ご飯を流し込み、ギルド就職エージェントカウンターへと向かった。
そこには、明らかにいけてなさそうなパーティ探し中の冒険者から、バリバリ戦えなそうな戦士まで数多くいた。
最近は転パーティも流行っているから、就職エージェントも忙しいんだろう。
「お待ちしておりましたロックさん、こちらです」
カウンターへ向かうと、受付が中へ通してくれる。
就職情報を掲載する側は、カウンターの中で行うみたいだ。カウンターで受け付けているのは求パーティの人用だろう。
「すみません、現在担当が少し遅れてまして、もう少々お待ちください」
そういいながら、女性職員はカウンターのほうへ少し目を向ける。
そこに座っていたのは、丸眼鏡をかけた男性。どうやら俺の担当は彼みたいだ。
「えーと、もう一度お尋ねしますね。ご希望のパーティはどのような……?」
「もちろん、Aランク以上のパーティだ」
「だから無理ですって! さっきから言ってるじゃないですか!」
どうやら、厄介な客に捕まっているようだ。
冒険者には無駄にプライドだけが高い人も数多くいる。転パーティするのはそう簡単じゃないんだろう。
「何故だ、私はAランクスキル保持者だぞ」
「確かにそうですけど、そのスキルの戦闘実績ろくなものがないじゃないですか!」
「仕方ない、それでは大手パーティを」
「いやそれは無理です!大手は実務経験を重視するので、あなたの経歴じゃ厳しいです!」
「何故だ」
「キャリア採用ですよ! 即戦力を求めているのだから、実績やスキル、経験を重視するんです」
「ふん、貴様に騎士道精神は分からん。 出直す」
やっと解放されたのか、疲れた顔でこちらにやってくる担当エージェント。
こんな相手ばっかしていたら、精神がすり削れそうで嫌になるな。
「はあ……お待たせしました、担当のジェイルです」
「いや、そちらこそなんかお疲れ様」
「いえいえ、あの方は毎日いらっしゃるので」
毎日なんだかんだ来てるのかよ。めっちゃパーティ探してんじゃん。職求めちゃってるじゃん。
「それで、今回は掲載についてですね」
「即戦力のアタッカーが欲しい」
「アタッカーの求人ですね、それではこちらの書類に労働条件をご記入ください」
そういって渡された紙には、労働条件や活動実績などを記入する欄があった。
仕方なく、現状のうちのパーティの情報を記入して、担当のジェイルに手渡す。
「はいはい……なんですかこれ」
「いや、ありのまま記入しただけだぞ」
「活動実績がスライム狩り、レンガ積みだけって本当に冒険者パーティですか?」
「仕方ないだろ、これがうちの実績だ」
「これじゃ掲載条件にすら達してないです、実績を積んでから出直してきてください」
そういうと、ジェイルは先ほどと同じような疲れた顔をして席を去っていった。




