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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第30章ですますわっ!

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 繁殖期を迎えていない魔物しか出ないダンジョンでの討伐依頼を受け、レベル上げに励むこと数日。

 討伐依頼は報酬が高い分類の内容な上に討伐した魔物の素材は討伐した冒険者の物になるというルールなので、確実にチマチマと貯金額を増やしている。

 なので宿屋ではなくギルド内の休憩室で休んだり、野宿をすればもっともっと効率よく貯金額を増やせると思ったんだけど……ドラードが頑なに宿に泊まると言い張るものだから、連日豪華にフカフカベッドで眠る日々だ。

 しかし、始めの数日は2部屋取っていたんだけど、ドラードがあまりにも長時間オレの部屋に居座ることと、普通に寝落ちて睡眠までとってしまうので1部屋でよくないか?ってことで、ベッドが2台ある大きめの部屋にした。

 大きめの部屋にしてから就寝前にはドラードによる、エイリーンの魂に呼びかける催眠療法を試したり水木清隆に関する質問を受けたりと出来る限りのことはしているが、エイリーンの気配は相変わらずどこにも感じられず、オレの記憶も酷く曖昧のまま変わることがなかった。

 何かヒントはないかと乙女ゲームにも手が伸びたが、結局何も分からないということが再確認できただけだった。

 「エイリーンになる前、水木清隆は死んだのか?」

 ブッ!

 今日はどんな質問が来るんだろうかと紅茶を飲みつつ待っているところへ、深刻そうな表情をしつつも容赦ない質問をしてきたドラードに、思わず吹いてしまった。

 しかし、絶命の瞬間まで意識があったわけでもないから、確実に絶命していたとも言い切れないんだよな……。

 「始めは激しい胸の痛み、その後呼吸も辛くなって、頭がぼんやりとして動けなくなったって所まで覚えてる」

 客観的に聞くと、エコノミークラス症候群というよりは心臓発作とか狭心症とか、なにか心臓に深刻なダメージがあった感じがする。

 「ハバキの体にエイリーン本体の魂が完全に消えている以上、稀にしか出現しないハザマが、ちょうど絶命の瞬間に出現し、同じく絶命の瞬間を迎えていただろうエイリーン嬢とつながり、魂が入れ替わったとしか考えられないが……あり得るのか?そんなタイミング……」

 あぁ、やっぱりエイリーンも死に直面していたのか……いや、絶命して魂が肉体から出てしまったんだ。

 それでハザマを通して別の体に……入ったところでそれは死体なのでは?

 え?じゃあオレとエイリーンはゾンビってことになるのか?

 それよりも、それだと説明がつかない。

 「始めの頃は体の中にエイリーンを感じられたし、ドラードだってエイリーン本人と話したじゃないか。魂が完全に入れ替わっているというなら矛盾してる」

 海岸で砂浜に道具を深くに埋めた時オレは寝ていたのだから、埋めたのは確実にエイリーン自身だった。

 それにだ、催眠療法の時にエイリーンが出てきて自由になりたいと訴えていた。

 「魂が肉体に宿った後、意思は魂側になると考えられているが、”肉体”には脳も含まれてる。初めの頃に感じていたエイリーンの気配は、脳である可能性がある」

 え、なに急にグロテスクじゃない?

 脳?

 「そんなこと……あり得るのか……?」

 魂が入れ替わっているってだけでも信じがたい現象だってのに、感じていたエイリーンの気配が脳味噌だったなんて……。

 「これを見てくれ」

 そういったドラードは、テーブルの上にいつかに購入した魔物図鑑を開いて置いた。

 開かれているページには黒いモヤやゾンビなど闇属性の魔物が描かれている。

 やっぱり今のオレはゾンビってこと……なのか?

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