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敵艦隊に向けて最終兵器を発射しました

 私達の目の前に現れたボニファーツが作り出した私の偽物だけど、とても格好良く皇帝等帝国の軍人達に決め台詞を決めてくれた。


 ここまでは勝手に私のフェイク映像を作るなよと思っていたけど、今回の偽セラフィーヌちゃんは良かった。


 そうだ。スージーがあのガマガエルのフッセン男爵に無礼打ちにされたのも、サーリアに麻薬が蔓延して女達が奴隷にされたのも、全てこの帝国の皇帝が黙認していたからだ。


 帝国の悪徳領主だろうが悪徳金貸しだろうが、悪いのは最終的には皇帝だ。

 銀行の奴らもそうだ。はっきりと悪事に手を染めているとは知らなかったかもしれないが、フッセン男爵は帝国の貴族達に女達を奴隷にして売っていたらしいし、ある程度は掴んでいたはずだ。

 確かにボニファーツはそいつらから無断で金を搾取してきたが、元々そんな悪徳領主のフッセン男爵に金を貸すことにしていた銀行が悪いのだ。

 利益が出るところに手を伸ばし、その悪事に目を瞑って金を貸していた銀行もその悪事に手を貸していたと言っても過言ではないだろう。その悪事に手を染めた銀行から金を搾取したところで問題はないはずだ。

 何だかボニファーツとヨーナスに乗せられたような気がしたが、私はそう思うことにした。


 そして、悪逆非道の皇帝に今ここで鉄槌ならぬ最終兵器をお見舞いすることにした。


「エネルギー注入」

 電子マニュアルを見て、まず最終兵器にエネルギーを入れ出す。


「帝国M103、200機急速に接近中です。現在距離3万」

 アウノの声がスピーカーからする。


 これは急がねばとメーターを見たらまだ50%だ。


「これで間に合うのか?」

 私は心配になってきた。


「マーキュリー。最悪間に合わなかったら敵機動歩兵の迎撃は任せるわ」

「了解です」

「任せてください」

 アードルフとイルッカは素直だったが、

「ええええ! 200機もですか?」

「鬼」

「厄災姫!」

 アーロン達はいつもの如くだ。


「何か文句あるの?」

「「「いえ、何もありません」」」

 私が不機嫌な声を上げると慌てて三人は訂正してきた。

「ふんっ、文句あるのならばこの最終兵器で後ろから撃ってやるから」

「ちょっと姫様待ってください」

「嘘でもそんなこと言わないでくださいよ」

「姫様はそれでなくても間違って撃ちそうなんですから」

「実際、撃ってやろうか?」

私が凄むと

「いえ」

「頼むから止めてください」

 アーロン等と馬鹿なことを言っているうちにエネルギー充填100%になった。


「ようし、次は何々、念には念で120%になるまで入れろって、最初からそう書いておいてよ!」

 私が文句を言いつつ追加で入れる。


「敵M103、距離2万に入りました、その後ろ距離3万に敵艦隊」

「全機、敵が拡散しないように周囲に弾幕を張って」

「また、面倒い!」

「端の機を攻撃して中に追い込んでもいいから」

「了解、円形展開して周囲を攻撃します」

 アードルフが指示を出してくれる。

 四方に広がろうとする敵軌道歩兵を遠距離射撃で牽制してくれる。


 なんとか間に合うかなと私が少し安心したときだ。


「姫様、大変です。観測班の連絡で暗黒流の流れが強くなってきました」

 突然ヨーナスが画面に出て来た。

「強くなってきたって、そんなすぐにはどうなる物でも無いでしょ」

「それはそうですが、十分にお気をつけ下さい。その辺りの暗黒流は25番流だそうですから」

「はああああ!」

私は思わずそう叫んでしまった。

この忙しいのにわざわざ暗黒流に名前をつけるなって言うの!

それも25番なんて言わないで!

私は心の中で叫びつつ、精神を集中させた。

「今は敵を撃つのが先よ。余計な事は黙っていて!」

 私はヨーナスに言い渡していた。

「それはそうですが、後方から…………」

 ザーーーーーー

 と亜空間通信がホワイトアウトした。


 暗黒流が強くなってきたらしい。第25番流だそうだ。

 私がこの最終兵器を失敗しても、暗黒流の流れの悪化で、どのみち帝国も帰るしか無いだろう。


「全機、暗黒流が強くなってきたから、私が最終兵器を発射したら可及的速やかに貨物船に戻るのよ」

「「「了解しました」」」


 ピコピコピコン!

 いきなりチャイムが鳴ってエネルギー充填120%完了した。

「ようし、エネルギー充填120%。ターゲットスコープオープン」

 私の目の前に標的が現れた。

 拡大画像でど真ん中に皇帝の乗っている第一艦隊の赤い旗艦『マーズ』を捕らえるようにビーナスを若干動かす。

これが中々難しい。

でも、私はなんとか標的の真ん中にマーズを入れた。


「M103、距離1万。散開します」

「させないで!」

 私が即座に指示を飛ばすが、この距離ではブラスターも中々命中しないし精度も落ちる。

「そんな無茶な」

アーロンの声が聞こえるが、無視だ。


 そんな中10の火球が起こった。

 マーキュリー隊は良くやってくれている。

 あと少しだ。


「敵、第一艦隊距離2万」

「最終カウントダウン10秒前」

「敵機動歩兵距離8千」

 マーキュリーの面々は必死に遠距離攻撃してくれていた。

 敵の射程はまだ届かない。

 今のうちだ。


 更に10の火球が起こる。

 何か微妙に霞が出てきたような気がした。暗黒流の流れに巻き込まれるのも時間の問題だろう。

 でも、ここまで来たらもうやるしかない。


「5秒前、3、2、1、発射」

 私はボタンを思いっきり押した。



 その瞬間目の前が真っ白になった。

 スクリーンのフィルターが張られるが少し遅い。


 光の塊が一気に手前のM103に襲いかかった。

 光が渦を巻いて手前にいた艦載機を次々に巻き込んで破壊していく。

 そのまま光の塊は展開する敵艦隊に殺到した。

 光が到達した瞬間に巡洋艦も駆逐艦も関係なしに艦がバラバラに砕かれて消滅していく。

 巨大な戦艦といえども同じだった。光の到達と同時に引き裂かれて押しつぶされて一瞬で消滅していった。


 でも、ジュピターほどの威力はないようだ。

 破壊した最終兵器の残光と何故か黒い霧が周りに立ちこめ始めていた。

 これは暗黒流の始まりだ。

 艦列のどこまで破壊できたかは判らなかった。


 こちらに殺到しようとしていたM103が20機ほど暗黒流に飲み込まれるのが見えた。

 25番流は敵にも効くみたいだ。

 敵機に動揺が走る。


「やばいわ。全機、貨物船に帰艦して」

 私はそう命じてビーナスを動かそうとした。

「あれっ?」

 私は機を動かそうとして、全く動かなくなっていることに気付いた。

 25の呪いがついに私にもかかってきたんじゃ……これはやばいかも……

 私の背筋を冷たい物が走った。


敵艦隊を最終兵器で攻撃しました。

あと少しで完結です

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


操縦不能になったビーナスの運命や如何に?

続きをお楽しみに!



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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

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5番人気の話

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