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皇帝が全軍上げてこちらに向かっていると聞いてパニックになりそうになりました

「おい、小娘! 俺様がまだいるぞ!」

 どこかで無線が鳴っていたが……


「ようし、敵後方補給部隊を殲滅完了。皆ご苦労様。被害状況は?」

「アードルフ隊、全機無事です」

「アーロン隊、同じく」

「ヘイモ隊も」

「ヨキアム隊、小破一です」

「イルッカ隊中破一、小破二です」

 やはり新入りは機体に慣れないのか被害が大きかった。


「ご苦労様。直ちに帰艦して補給と修理を。各隊は被害を受けた機をサポートして。イルッカ隊は私とアードルフが補助するわ」

「「「了解しました。」」」

 私達は被害を受けた機をサポートしつつ、貨物船に帰艦した。


「おい、小娘、俺を相手しろ!」

 ド悪の叫び声が後ろから追いかけてきたが、大破した船に用はない。


 私は無視して全機を帰艦させたのだ。


 私は新入りのイルッカ隊の着艦をサポートした。



「姫様、大変です。至急艦橋にお戻り下さい」

 私が着艦すると慌てたアウノの声がした。

「どうしたの?」

「帝国の第一艦隊が180度旋回してこちらに向かっています」

「何ですって。判ったわ。すぐに戻るわ」

 私は慌てて艦橋に帰った。


 ヨーナスは私達が補給部隊を殲滅したら帝国軍は尻尾を巻いて逃げるって言っていたけれど、こちらに向かって来るってどういう事よ?

 私にはよく理解できなかった。


「ヨーナス、どうなっているのよ? 補給部隊を殲滅したら帝国艦隊は一目散に逃げていくって言ってたじゃない!」

 私は緊急通信をビーナスのヨーナスに繋いだ。


「これは姫様。補給部隊への攻撃では素晴らしいご活躍でしたね」

 ヨーナスが手放しで賞賛してくれたけれど、今はそれどころではない。


「ヨーナス。今はそれどころではないわ。皇帝が全軍上げてこちら向かってきているんだけど、どうしたら良いのよ?」

「いやあ、最悪の事態になってしまいましたね」

 ヨーナスが他人ごと宜しく言ってくれた。

「ちょっとヨーナス、どういう事よ! あなたがこの別働隊で補給部隊を奇襲して潰せばこの戦いは私の勝ちだって言ってくれたから頑張ったのに、全軍でこちらに向かってくるなんて一言も言わなかったわよね」

 私がここぞとばかりヨーナスを責めた。


「うーん、姫様、帝国軍にそこに姫様がいるって宣言しませんでしたか」

「えっ、そんなのしていない……」

 そう言えば私はド悪ちゃんを私の名前で成敗するって叫んでいたような気がした。

 いきなり黙りこくった私を見てヨーナスは肩をすくめた。

「はっきりとおっしゃったのですね。それを聞いて皇帝が姫様をターゲットに攻撃しようと思うとは考えられなかったのですか?」

 ヨーナスに言われて、

「まあ、姫様の事だから」

「考える訳ないよね」

「目立つことしか考えていないんだから、ギャッ」

 最後にそう呟いた、アーロンの頭を私は叩いていた。


 私は返事がヨーナスに出来なかった。


「ほっほっほっほ、さすが姫様。冷酷非道の皇帝に殴り込みをかける意気込みは素晴らしいですな」

「ちょっと、ボニファーツ、笑っていないでどうしたら良いのか教えてよ。このおんぼろ宇宙船にも何か秘密兵器が積んであるわよね」

「はああああ、おんぼろ宇宙船ですと?」

「いや、違う。素晴らしい最新鋭の宇宙船よ」

私は仕方なしに言い換えた。

ここはボニファーツをヨイショするしかないと思ったのだ。


「そうでしょう、そうでしょう。何しろその貨物船『セラフィーナ丸』には最新の防御装置をつけましたからな。駆逐艦のブラスターの攻撃もあっさりと跳ね返してくれたでしょう」

「本当にあの時は助かったわ」

私は大きく頷いた。

「当然、攻撃兵器もついているわよね。私が知らない強力な攻撃兵器が」

私は乗り出して聞いていた。


「攻撃兵器は見た通りですぞ」

「えっ、見た通りというと?」

どこかにブラスターとかあったっけ?

私は期待を込めてボニファーツの次の言葉を待った。


「何をおっしゃるのです、姫様。単なる貨物船に攻撃兵器など積む訳はないでしょう」

私はボニファーツの言葉にガクッとした。

私の気持ちを弄んでくれたボニファーツは許せない。


「じゃあどうするのよ。艦隊が急速接近しているのよ。こんなところにいたらやばいじゃない」

帝国軍は急速にこちらに迫ってきていた。

逃げるにしても早く逃げないといけない。

暗黒流は予定ではもう少し強くなるはずが、何故かまだ強くなっていなかったし、まともに逃走しても追いつかれそうな感じだった。


「何をおっしゃるのです。姫様。姫様には最強機動歩兵ビーナスとマーキュリー25機があるではないですか」

「何言っているのよ、ボニファーツ。相手は最強の帝国第一艦隊なのよ。艦船が100隻以上、搭載機動歩兵だけで300機以上積んでいるわよ。機動歩兵26機ではさすがに難しいと思うわ」

私が言うと、

「何をおっしゃるのです。姫様。あれがあります」

「あれって何なのよ?」

「あれはあれです」

「ボニファーツ、時間がないんだからはっきり言ってよ」

私が怒って言うと、

「だからあれですって」

「姫様、最終兵器です」

その横からヨーナスが教えてくれたんだけど、最終兵器って、それを搭載しているジュピターはユバスの衛星軌道にいるんじゃないの?

私にはよく判らなかった。

ついに皇帝率いる100隻がセラフィーナに向かって殺到してきます。

セラフィーナは勝てるのか?

次回山場です。

お楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー』https://book1.adouzi.eu.org/n8270ll/

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表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

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『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

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『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



5番人気の話

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n3871kh/

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