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後方補給部隊を奇襲して殲滅しました

 駆逐艦のブラスターが、このおんぼろ船『セラフィーナ丸』を直撃した。


 ジュピターなら駆逐艦のブラスターの直撃なんてびくともしなかったと思うが、この船はおんぼろ中古船だ。

 絶対にやられたと私は観念した。


 しかし、この船、見た目はぼろぼろに見えても、ボニファーツが自慢する最新設備を備えた船だった。


 なんと驚いたことに、

「絶対防御システム稼働」

 アナウンスが流れる前に駆逐艦が放ったブラスターの前に白く光るバリアが現れ、その光球を捉えてくれた。

 更にはその光のエネルギーを反射してくれた。


「えっ?」

 私が思わず口を開けてまじまじとおんぼろ船が駆逐艦のブラスターを反射する様を外カメラから眺めていた。


「ギャッーー」

 ブラスターの光りは拡散して、発射したド悪ちゃんの駆逐艦に命中。


 ドカーン


 大音響と共に駆逐艦が爆発した。

 ブラスターは反射で拡散したので駆逐艦は爆発こそしなかったが、攻撃兵器を熱で全て破壊して、一瞬にして黒焦げの廃艦状態にしていた。


「凄い、このぼろ船、防御装置だけは最新鋭だ!」

 アーロンの感嘆した声が無線のスピーカーから聞こえた。

 本当に!

 私は今までこの船を散々ぼろ船と馬鹿にしていたことを少し反省した。


「ようし、皆、敵から攻撃された民間船『セラフィーナ丸』はこれから正当防衛で反撃するわよ!」

「民間船が正当防衛で艦隊に反撃って普通はあり得ないんですけど……」

 私はアーロンの独り言は無視して、

「全機発進。行くわよ!」

「ようし、容赦なしに補給部隊を殲滅するぞ!」

 私の後にアードルフが、発破をかけたてくれた。

「「「「おう!」」」」

 雄叫びと共に、大きく貨物庫が宇宙に向けて開いて、私のビーナスと25機のマーキュリーが一斉に飛び出した。


「な、貴様等、何奴だ。貨物船がなんでこんなに沢山の機動歩兵を搭載しているんだ?」

 驚愕したド悪ちゃんに、

「ふん、民間船を攻撃した悪魔の指揮官、ド悪ちゃん。王女セラフィーナの名において成敗してあげるわ」


 決まった!

 私は格好良く決め台詞を宣言したつもりだった。


「姫様、ド悪ちゃんて、何か間抜けな言い方ですね?」

 アーロンに呆れられたんだけど……


「出たな、厄災姫! 高々機動歩兵25機で何が出来る。

 ここで出会ったが100年目。今日こそ貴様を成敗してくれるわ!」

 ド悪ちゃんに宣告されてしまったんだけど……

 あっちの方が格好良いかも……

 私は失敗したことを悟った。


 ええい、こうなったら、戦力の違いを見せてやるわ!


「皆、行くわよ!」

 そう叫んだ私の目の前に前衛の駆逐艦が現れた。


 私のブラスターが火を吹いた。

 一撃だ。

 駆逐艦はど真ん中をぶち抜かれて火球と変わる。

 横にド悪ちゃんの艦がいたが、取り敢えず黒焦げ艦は無視だ。


 残りの艦は後ろに任せて、そのまま敵補給艦隊の真ん中に突っ込む。

 真ん前に、巡洋艦アゾフが現れた。

 普通は機動歩兵と巡洋艦がやりあったら、九分九厘巡洋艦が勝つ。


 アゾフは主砲の25センチブラスターをぶっぱなしてきた。

 私はそれをひょいひょいと躱していく。

 それを見て、アゾフは恐慌を来たしたようでメチャクチャ高射砲を撃ち込んで来た。でもそんなへなちょこ弾なんてこのビーナスには利かない。私はビーナスを主砲の死角の真上に持って行くとそこから逆落としをかけた。


 急激なGが体にかかるが我慢する。

 みるみる巡洋艦が大きくなる。

 死に物狂いで放たれた高射砲をビーナスのバリアで弾き飛ばしつつ、私は巡洋艦のど真ん中で装甲の継ぎ目目指してブラスターをぶっぱなした。

 至近距離からのブラスターは一撃で巡洋艦の装甲を貫いていた。


 ピカッ

 巡洋艦が巨大な火球に包まれる。


 その爆風で弾き飛ばされて、加速しながら、後ろにいた駆逐艦に一射!

 駆逐艦が爆発の光りに包まれる。


 その光を背に補給艦にブラスターを二射した。補給艦は大きい分、中々爆発しないのだ。でも運良く燃料か、爆薬に命中したようだ。爆発が起こる。


 そのまま、円陣の中央を突破する。

 駆逐艦群から死に者狂いで高射砲やブラスターがビーナスに集中する。


 そのブラスターの光のシャワーをくぐり抜けつつ、たまに直撃を受けるが、15センチブラスターなんて、ビーナスは利かない! 弾き飛ばして行く。

 その弾き飛ばしたブラスターの一つが補給艦を直撃した。


 大きな火球が起こる。

 私は最後尾の駆逐艦に近付くと、正面からブラスターを発射。

 大きな爆発が起こる。


 そして、その後ろの補給艦の正面からすれ違い様にブラスターを打ち込んでいた。

 串刺し状態で輸送艦を貫いたそれはエンジンに命中して火球を造っていた。


 後ろを振り返ると、周りの艦も大半が火球と化していた。



 残りはレーダー上には駆逐艦二、輸送艦二だ。

 ド悪の一隻は大破していて反撃も出来そうになかったから無視だ。


 輸送艦にはアーロンの隊とヘイモの隊が襲いかかった。

 残りの駆逐艦一隻にはアードルフの隊が群がる。

 三隻は四方からブラスターの攻撃を受けて火球になるのはほとんど同時だった。



 私達奇襲部隊は無敵の帝国第一艦隊の補給部隊を当初の予定通り殲滅した。


ここまで読んで頂いて有り難うございます

第一段階成功です

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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