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三段階ワープのしたら目の前に敵戦艦がいました

「帝国の機動歩兵のブラスターが当たるかと少しヒヤヒヤしましたね」

 ヨーナスが振り返って話してくれた。


 私は少しむっとした。まあ、私もほっとしたのは事実だけれど、そこは笑って黙っていてほしかった。

「本当に、あと少しで蒸し焼きになるところだったよな」

 アーロンがぼやいてくれた。

「ちょっとタイミングが遅いんだよな」

「んだんだ」

 ヘイモが呟いて、ヨキアムが頷いた。

「貴方たち、私についてきた方が危険だって言うんだったら、次の宙域に残ってくれても良いのよ」

 私がニコリと笑って言ってあげたら、

「いや、姫様、それはちょっと」

「そうですよ。次はド悪じゃないですか」

「捕まったら拷問されそうだし、逃げた姫様見て怒り狂って俺達に襲いかかってくること確実でしょ」

 三人は慌てて首を振ってくれた。

「じゃあ、黙っていなさいよ」

「はい」

 私の声に仕方なさそうに三人は頷いていた。


「ワープアウトまであと1分」

「空域確認」

「付近何もいません」

「ワープアウト後100光年のワープ準備」

「次はド悪の可能性が大だから気をつけて」

 ドワルスキーは何をしてくるか判ったものではなかったし、私は少し不安だった。


「ワープアウトします」

 真っ白な空間が真っ黒な宇宙空間に変わる。

 見慣れた光景だ。

「付近に艦影無し」

 アンネの報告に私はほっとした。さっきみたいに通報されることは無いようだ。


 後はワープトレースしてくるかどうかだ。

 おそらく、ワープトレースジャミングを掻い潜ってトレースする方法を帝国は見つけたんだと思う。


「二回目のワープ準備。距離100光年」

「座標確認」

「ワープ1分前」

 次々に皆計器を操作して行く。


「ワープアウトしてくる艦隊あり。距離2万」

「戦艦1巡洋艦2駆逐艦7です。先程追跡されていた第六戦隊だと思われます」

「えっ、ド悪ちゃんじゃ無いんだ」

 私は驚いた。絶対にド悪ちゃんの第二戦隊が来ると思ったのに、どうしたんだろう?

 でも、これでジャミングしてもトレースしてくることが判った。


「ワープ10秒前」

「敵、こちらに接近してきます」

「3、2、1、ワープ」

 今度は射程内に入る手前でワープした。

 今度は100光年だ。


 ジャミングをかけているが、これで追いかけてくるかどうかだ。

 もし第二戦隊がワープしてくるなら、戦艦と巡洋艦3隻だけのはずだ。

 第二戦隊のM103はまだ無傷だ。20機は搭載しているだろう。

 後はついてくるかどうかだ。

「あのしつこさなら、絶対に大物だけでワープしてくるじゃろう」

 ボニファーツは確信しているようだ。


「俺もそう思う」

「俺も」

「俺もだ」

 アーロン達も頷いていた。


 そして、私も当然そう思っていた。


 その前の二回で何故ワープしてこなかったか理解できなかったが、今回は第二戦隊がワープしてくるのは確実だと私も思っていた。


 その追跡を誤魔化すための後戻りワープだ。

 帝国の動きを混乱させるために10光年戻って別の航路に沿って航行しようとヨーナスが作戦を立ててくれたのだ。帝国もまさか三回目のワープで我々が航路を戻るとは想像だにしていないだろう。

 絶対に上手くいくはずだった。


「ワープアウトまであと1分」

「空域確認」

「付近何もいません」

「ワープアウト後10光年の後戻りワープワープ準備」

「ド悪が距離を開けずにワープアウトしてくる可能性もあるわ。全員十分に注意してね」

 ドワルスキーは至近距離にワープアウトして戦艦で体当たりくらいしてきかねなかった。

 全員に注意を促す。


「ワープアウトします」

 白い画面が黒くなる。

 通常空間に戻った。


「3万四方にも艦影無し」

 アンネが報告してくれる。


「三回目のワープ準備。10光年戻るワープに入ります」

「座標確認」

「ワープ1分前」

 次々に皆計器を操作して行く。

「あれ、来ませんね」

 不思議そうにアーロンが呟いてくれた。

「追ってこなかったのは帝国にも何か動きがあったんですかね」

 ヨーナズか不思議そうに聞いてきた。

 かもしれない。

 皇帝への報告とかド悪にも色々やらなければいけないこともあるんだろう。私の艦を追いかけてくる暇なんてないはずだ。私はそう思いたかった。

 でもその一方で、あの諦めの悪そうな性格で追ってこないことなんてあり得るのか、絶対にあり得ない、と思っていたのも事実だ。


 でも、1分間のうちにワープする艦影は無かった。


「ワープ」

 画面がホワイトアウトした。


「アンネ、本当にワープアウトする艦影無かったの?」

「全然ありませんでした」

 私の質問にアンネが答えてくれた。


「変だな」

「絶対におってくると思ったのに」

「あまりにも姫様が馬鹿にしすぎたから、頭にきすぎて血管が切れたのかも」

「それはあり得る」

「何しろ姫様は厄災姫だからな」

「誰が厄災姫なのよ!」

 アーロン達に私が文句を述べたときだ。


「姫様、ワープアウト予定地に艦影あります」

「何ですって!」

 私は目を見開いた。


「戦艦一巡洋艦三です」

「それってド悪の戦隊じゃ無い! 私達を待ち伏せしていたってこと?」

「そんなことは物理的にあり得ませんぞ」

 ボニファーツが否定してくれたが、でも、そうでも考えないと何で私達の前に出て来たか理解できなかった。


「間もなくワープアウトします」

「ジュピター、戦艦キエフ至近距離にワープアウト」

「全員衝撃に注意」

「ワープアウト!」


 ドカーーーーン!

 目の前にキエフの巨体が現れて、ジュピターはキエフに激突していた。


ここまで読んで頂いて有り難うございます

衝突したジュピターとドワルスキーの艦隊の運命や如何に?

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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