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敵艦隊から放たれた機動歩兵をこちらの機動歩兵で迎撃しました

 振り切ったと安心した私達の前に、民間の貨物船の通報で、また別の艦隊10隻が現れたのだ。


「敵艦隊10隻、急激に接近中です。敵は第一艦隊第六戦隊と思われます」

「逆転、全速離脱」

「逆転反転離脱!」

 私の指示に艦長が復唱する。


「姫様どうされますか? 1分後にこちらの主砲の射程内に入りますが?」

 ヨーナスが聞いてくれた。

「うーん、ジュピターの能力は最後まで隠しておきたいのよね」

「しかし、2分後には敵の戦艦の主砲の射程に入りますよ」

「ボニファーツ、バリアで防げる?」

 私はホログラフのボニファーツに聞いていた。

「1分くらいなら大丈夫じゃ」

「マルコ、加速したら、1分くらいで引き離せる?」

「戦艦が突出して来ない限りは大丈夫です」

 マルコが即答してくれた。

 撃たなくてもなんとかなるかと安心したときだ。


「敵、搭載機動歩兵を射出しています」

 拡大画面で次々に射出される機動歩兵が映し出された。

 そんなに甘くない。機動歩兵の加速は艦船の上を行く。

 このままでは確実に攻撃される。


「こちらも迎撃に出るわ。艦長、後は宜しく」

 私は艦橋を出ると裏の格納庫に向かった。


 そのまま白いビーナスに飛び乗る。

 私がコクピットに入って扉を閉めるとあっという間に計器にライトが灯っていく。

 360℃の外部スクリーンが現れた。


「ビーナス、緊急発進する」

「了解。カタパルトセッティング完了」

「射出3秒前、1、射出!」

 その瞬間、私の体に急激なGがかかる。


 あっという間にビーナスは星が瞬く宇宙空間に飛び出した。

 ビーナスの上も下も左右も真っ暗になる。

 と言うかその暗黒の先に浮かぶ星々の中にビーナスは放り出されていた。

 今飛び立ったジュピターがあっという間に小さくなる。


 デフォルトで示される艦船図でジュピターに急激に接近する10隻と20機の機動歩兵が映し出された。

 急加速でジュピターが敵艦隊から離れようとしているが、今はまだ十分な速度が得られていない。

 徐々に差が縮まっていた。

 私を先頭にマーキュリーが編隊を組んで敵機動歩兵に向かった。


「皆、良い? 敵の戦艦の主砲の射程は1万よ。十分に注意して」

 私が注意する。

「「「了解」」」

「敵機動歩兵はM103よ。帝国の誇る最新鋭機よ」

「姫様、こちらはそれよりも性能の良いマーキュリーですぞ。絶対に勝てますから」

 横からホログラムで現れたボニファーツが注意してくれた。

「だそうよ。能力的にはこちらの方が上だから。やられたら飯抜きだからね」

 私が注意すると

「姫様、許さないも何も、やられたらそれまでですから、飯抜きも糞も無いですよ」

 アーロンが文句を言って来たが、私は無視した。

「判ったわね」

「「「はい」」」「へいへい」

 アーロン以外は全員従順だ。


「姫様、敵は上下に分かれました」

 アンネの言葉にデフォルト画像を見ると機動歩兵が二つに別れる。


「アーロンとヘイモの隊は下の10機を、残りは私と上の10機をやるわ」

「了解」

 編隊が二つに分かれる。

「ヨーナス、下部主砲、下部に向かった敵機動歩兵にアーロン達が接近するまで連射して」

 私は私がいない分を主砲の斉射に任せる。

「了解!」


「一機もジュピターに近付けたら駄目だからね。皆行くわよ!」

 私はジュピターを急加速させた。

 一気にジュピターの上を通り抜けると敵機の編隊に迫る。

 下部では100センチブラスターの攻撃で、2つ大きな爆発が起こっているのがみえた。


 急加速でグンとGが私を包む。

 いつものGだ。

 機動歩兵を操縦していると実感する。

 アードルフ達も追いつこうとするが私の機とはパワーが違う。

 私は円を描いて大きく回りながら敵の編隊に突入した。

 敵から散発でブラスターが飛んでくるが、取りあえず避けていた。

 そして、一番手前の一機をブラスターで一射する。


 ドカーーーーン

 先頭の一機が爆発する。

 敵のバルカン砲が一斉に私のジュピターを襲う。

 それを交わしつつ、すれ違い様2連射した。


 ピカッ ピカッ

 2つの爆発が起こる。

 そこに残りのアードルフ達の10機が突入した。

 1人1機でもおつりが来る。

 敵M103のブラスターはマーキュリーよりも威力が小さいし有効射程も短い。敵が射程に入る前に、大半は爆発の光に包まれた。

 残った1機は逃げようとしたところを、

「逃さないわ」

 私はブラスターで一撃で撃墜した。

 敵は殲滅した。

 さすがボニファーツの最新鋭機は違う。

 私が少し考えたときだ。


「姫様、主砲来ます」

 そこに敵の50センチブラスターの炎の塊が私に襲いかかった。


 ダーーーーン!

 ビーナスにショックを受ける。

 急激に温度が上昇するが、1万の距離ではビーナスのバリアが弾いていた。


「アードルフとヨキアムの隊は敵主砲の射程から待避」

 私はそう叫ぶや下で迎撃しているアーロン隊の援護に向かった。


 アーロン達は大半の敵機動歩兵を駆逐して、今は敵戦艦の射程から一刻も早く、逃れようとしていた。


 その一瞬の隙を突かれた。


 残った一機が一気にジュピターに突っ込んでいったのだ。

 丁度ジュピターの主砲の死角だったし、高射砲はマーキュリーに当たる可能性があった。

 私は一気にビーナスを逆落としをかけた。

 特攻をかけるように見える敵機動歩兵にブラスターを向けるや、一射。

 敵M103はジュピターの手前で火球と化す。そのままジュピターにぶつかりそうになってジュピターのバリアに弾かれて四散していた。





ここまで読んで頂いて有り難うございました。

帝国の精鋭と言えども機動歩兵はユバスの敵ではありませんでした。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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