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戦王剣は新米冒険者〜生涯無敗で世間知らずな元騎士長は、我流剣術と共に自由気ままな二度目の人生を〜  作者: 瀧原リュウ
転生村娘編

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#30 存在達は変わり果て

「……………妙だな……」


「何がです?レイアさん」


 神妙な顔で顎に手を当てながら何かを考えるレイア。

 先ほど出てきた魔物に関してはエルトとロヴィエが瞬殺したし、それの事に関してではないだろうが………もしや二人の実力はあの程度ではないのか!?ならば村に帰ったら少し修練にお付き合いしていただきたいのだが………


「………いや、今出てきた動く犬の骨……あんな魔物今までこのダンジョンで見たことなどない………」


「……なるほど、確かにそれは変ですね」


 魔物というものは、ある程度生息地が決まっている。そして住み着けば、その場所以外に住処を変えることはほとんどない。

 だが、外ならまだしも、ここはダンジョン。建物の中だ。入り口にはあそこまで広い迷路があるのだから、外からこの中にへと住み着き始めた可能性というのはあまり考えにくい。


「どう思う、ダロン」


「そうですね………例の竜の影響……いや、それでは関連性がなさすぎる気もしますね……とにかく、もう少し先まで進んでみましょう。まだ初戦なので、何とも言い難いです」


「………それもそうだな。よし、先へ進もう」


 先ほどの犬型の骨が単なる偶然いたものなのか、それともこのダンジョン全体で起こっている異変であるのか、その答えは意外にもすぐに出た。


「……どうやら、確定みたいですね。レイアさん」


「あぁ………まるで黄泉の世界だ………」


 レイア曰く、基本的にこのダンジョンに生息している魔物は、


 ・犬型 コールサーディ

 仲間を呼び群れで戦う習性を持つ


 ・鳥型 アッサウルト

 知能があまり高くない代わりにかなりの敏捷性を誇る


 ・原豚頭小鬼(オークヘッド)

 ゴブリンに似た魔物。名前にオークとあるがその頭はどちらかと言えば猪のそれであり、頭部には鋭い二本の発達した牙を持つ


 ・混種蝙蝠(バットキメラ)

 鼠の頭、蝙蝠の体、そして蛇の尻尾を持つ奇妙な魔物。人体には有毒な成分を含む酸性の液体を放出し外敵を攻撃する。


 などがいるそうだ。実際にはもう少しいるみたいだが、この四種類が主な魔物と言っていいだろう。

 だが、何とも奇妙な話だ。なぜなら―――――


 遭遇するすべての魔物が、先ほどの犬と同じように白骨化しているのだから。


「どうなってやがんだ……?俺は肝試しにきたつもりはないんだがな………」


「………エル……なんだか不気味ね……」


「そうね……一体どうなっているのかしら………」


(……食い荒らされた骨がただ残っているのならまだ分かる……だがこいつらは動いている……住処に入ってきた侵入者(わたしたち)を追い出そうとしているという点では普通の魔物と変わらない。そして倒す感覚というのも普通のそれと大差ない……斬り捨てれば死ぬし、再生もしてこない……)


「………誰かの魔術によるものか……あるいは、相当な強さを持った何かがこのダンジョン内の魔物を支配したか………」


「………そんなことがあり得るのか……?この間まで何の変化もないただのダンジョンだったんだぞ………?」


 私のその仮説に、レイアがそう返してくる。


「普通はあり得ないでしょう。だが、ファレイルリーハが動いたというイレギュラーは、ついこの間まで起こらなかった。そう考えれば、急にダンジョン内が変化したとしてもおかしくない。そもそも魔物の生態事態、未だよく分かっていないのだからな」


「まぁ、そのイレギュラーを起こしたのはどっかの誰かさんなんだけどな………」


「はいそこうるさい………それに、ダンジョンは神に与えられた試練とも呼ばれている。神がいるのかどうかなどは定かではないが、人間の想像など軽く超えてもなんの不思議でもない」


「………まったく、私達なんかよりも、シルカの方がよっぽど冷静だ」


 少し神妙になっていたレイアの顔が僅かに綻ぶ。とりあえずは僅かな緊張も解け、落ち着きを取り戻したようだ。

 

 となれば、やはりもっと先に進むしかないだろう。


「でも、人為的に起こされたものとは考えづらいですね。もしそうだとすれば、これは明らかに黒魔術の類……それも相当大規模なものです。一人ではまず無理ですし、このダンジョンすべての魔物に影響を与えるとなると、相当高位な魔術師を何人も必要とするでしょう」


 ダロンの言う通りだ。流石は現役の魔術師と言えるだろう。

 となれば高位の魔物の可能性だが……………


「流石にファレイルリーハ並みの奴なんてのはいないだろうが………それでもヤバいのがいるだろうぜ……俺の勘は意外にもよく当たる」


「おぉ、本当に意外だな」


「はいそこうるさい」


 ふん、ちょっとした仕返しだ。

 さて……もしそうだとして、それがダンジョンの外なんかに出ようものならば、おそらくとんでもない大惨事を引き起こすだろう。

 私の村に影響が出るのはもちろん、遠く離れた街にまでその被害が拡大しかねない。


「もし、万が一そんな奴がこの先にいたとすれば………」


「即刻討伐だな」


 レイアのそんな言葉に、私は思わず笑ってしまう。

 そんな存在を野放しにしておくわけにはいかないし、何よりも、私の辞書に逃亡など存在しない………!

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