表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦王剣は新米冒険者〜生涯無敗で世間知らずな元騎士長は、我流剣術と共に自由気ままな二度目の人生を〜  作者: 瀧原リュウ
転生村娘編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/763

#27 五日後

「着替えよし……腹ごしらえよし………剣の手入れよし」


 退屈な五日間をなんとか乗り切り、とうとう体を動かす許可をもらった私は、年甲斐もなく内心大はしゃぎで準備を済ませた。


「気を付けていってらっしゃいね。ちゃんとレイアさんの言うこと聞くのよ?」


「分かってるって。それじゃあ、行ってきます!」




「あの子、無事に帰ってきてくれたらいいのだけど……」


 シルカ母は、この数日間ずっと心のどこかで不安を抱えていた。いくらシルカが強いかを知っているとはいえ、彼女からすればいつまでも自分の大切な娘なのだ。それが命を落とす危険も十分にあるダンジョンに向かうというのだから、心配しないという方が無理な話だ。


「大丈夫だよ。今回行くのはこの間の洞窟よりも適正ランクはかなり低い。レイアさんたちもいるし、心配することはないよ。」


「でもシルカはまだ冒険者ですらないのよ?………でも、シルカも来年にはいなくなっちゃうのよね………」


「………そうだね……寂しくなるなぁ………」


 シルカがいなくなる。無論それは、彼女も冒険者になるためにこの村を発つということだ。

 だがそれでも十六歳。いくら成人するからとは言え、シルカ母の心配が消えるわけじゃない。


「十五年、あっという間だったわね………本当に楽しかった………」


「おいおい、なにもこれで終わりってわけじゃないだろ?僕らの人生も、シルカのこれから先の新しい人生もまだまだずっと続く。感傷に浸るのは、まだ少し早いんじゃないかな?」


「……………そうね!それじゃあ、あの子の好物でも作って帰りを待ちましょうか!あなた、手伝って!」


「了解!」


 終わりはいつかやってくる。でも、少なくとも今ではない。

 家に残る二人は、愛娘が帰ってくるのを待ちながら、他愛のない会話を繰り返す。






「今日はありがとうシルカ。そしてすまない。この胸騒ぎも、単なる思い込みだといいのだが………」


「いえ、私も冒険者になるためにもっと強くなりたいので。今回は良い機会です」


 無事にレイアたちと合流し、話しながらもダンジョンへと向かう。

 向かうダンジョンは森の奥の奥。この間の湖も超えて更に進んでいく。道中の道は人がそこまで行き来する場所でもないためかなり荒い。いずれこれから行くダンジョンの全貌が明らかにでもなれば整備されるのだろうか?


「もっと強くなるっつったって、竜と張り合えるのにそれ以上強くなってどうすんだよ」


「………お前の話はいちいち聞き捨てならんな」


「っ……悪かったよ。なに、あまりにも信じられねぇっつーかな……いや、レイアさんが言ってんだから間違いないんだろうが………」


 どうやら五日前に突っかかってきたこの男、名をテリーというそうだが、私の実力に疑問を持っているそうな。

 まぁ無理もないか。初対面の子供が、竜と戦って生き延びたなど言っても、作り話だと笑われるのが目に見えている。その辺はレイアに感謝せねばならない。


「まぁ許してやってくれ。テリーもあまりシルカを刺激しない方がいいかもしれないぞ?首を刎ねられかねん」


「首………!?」


「ふふっ、冗談だ」


 やってやっても構わんぞ?と言ったら流石に怒られるだろうか………


「そういえばシルカさん、冒険者になったら誰かと組むのかい?」


「おいおいダロン。子供相手にナンパかよ」


「ちっ……!?違うよ!レイアさんが一目置くくらいの子だし、今後も戦力として優秀なら僕らのパーティに誘ってみてもいいかと………」


 次に私に話しかけてきたのは、少し太った眼鏡の男。杖を携えている辺り、魔術師だろうか。


 しかし、パーティか。そういえば今まで考えたこともなかった。冒険に危険が付き纏う以上、仲間がいれば心強い場面も多くあるだろう。だがまぁ、


「私は当分は一人でいいですかね」


「そうかぁ………僕たちの方はいつでも歓迎するから、考えが変わったら教えてよ」


「「「無自覚ナンパ男ーー」」」


「皆してひどくない!?」


 もし仮に人が欲しくなったら、そうだな………やっぱりナルクか?なんだかんだ相性も悪くないし。あまり知らない奴と組んでも連携が取りづらいだろうし。


「そういえばシルカ、この間の冒険者試験。ナルクも無事に合格したぞ」


「お!それはよかった!」


「筆記はギリギリだったそうだがな」


 少しにやにやしながらも、シルカと共にこの村で修練に励んでいたナルクが自分たちの仲間入りを果たし、その知らせを受けたレイアも内心では嬉しさを感じた。

 ナルクもまずは第十階級からのスタートだが、変わらずに修練を続けながら励めば、ランクアップもすぐだろうともレイアは思っていた。


「彼氏に追いつけるようにシルカも頑張ることだ」


「え?彼氏?」


「ん?てっきりそういう仲だと思っていたのだが?」


「いや絶対にないです……そもそも男とはちょっと………」


「ほぅ、シルカは()()()のタイプか」


「なんか相当間違った解釈をされている気がするのだが!?」

 

 何を思うかは人の勝手だが、間違ってもそれを変な方向に持っていくのだけはやめていただきたい………!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ