表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学コラム  作者: もりを
29/102

リーマン予想・2

数学では、どれだけ膨大なデータを集めて仮説を裏打ちしても、「なので、真実です」とはならない。

物理学あたりなら、「99,9999%程度の実験結果が合致したら認めます」となるところだが、数学においては、完全無欠の100%でないとだめなのだ。

どこにも漏れのない数式こそが真実であり、定理となるんである。

アインシュタインさんの相対性理論は、自然界の現象に照らしてほとんどすべてのケースを説明できるアイデアなんだけど、残念ながら、原子よりも小さな世界では矛盾が生じ得る。

数学にそんな曖昧さは許されない。

ところで、オレの好きな数学ネタがあって、下に書くんで、よく噛みしめて味わってみて。


x=0,9999・・・とする。

両辺を十倍。

10x=9,999・・・

10x-x=9,999・・・-0,9999・・・

9x=9

x=1

ゆえに

1=0,9999・・・である。


つわけで、99,9999・・・%とは100%のことではないのか?というロジックが成り立つんだけど、どこに矛盾があるか見つけられる?

それはまあ置いといて、とにかく数学においては、絶対的な正確さを証明しないかぎり、真実とは認めてもらえないんだった。

リーマン予想によれば、ゼータ関数の風景のゼロ点は一直線に並んでいなければならず、それを少しでも外れた場所にゼロ点が見つかれば、理論は破綻し、定理とは認められない。

この直線上に、ゼロ点が数十億個も(今ではおそらくそれ以上の数が)一直線に並んでおり、しかもひとつの例外もないことは確認されてるわけなんだが、そんなわずかな証拠ではまったく心もとない。

なにしろ、素数は無限にあるんで、10の一千億乗の一千億乗個の証拠を示したところで、その先に素数が永遠につづくかぎり、まるで意味がない。

また道がそれるけど、この「素数は無限にある」と証明したのはギリシャ時代の数学者・ユークリッドで、この背理法のロジックもなかなか面白いんで、一読してみて。


素数は有限個と仮定し、最大の素数をpとする。

pに至るまでのすべての素数を掛け合わせる。

2×3×5×7×11×13×17・・・×p

その数に1を足したものをxとする。

x=(2×3×5×7×11×13×17・・・×p)+1

xは、いかなる素数(カッコ内のすべての数)でも割りきれない。

2の倍数でもなく、3の倍数でもなく、5でも7でも11で割っても・・・のぼりつめて、最大素数のpで割っても、必ず1が余る。

よって、xはpよりも大きな素数である。

したがって、最大の素数は存在しない(素数は無限にある)。


今から二千年以上も前のひとがこんな考え方をしてたなんて、驚きだよね。


つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ