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科学コラム  作者: もりを
20/102

重力波・1

「重力波」を説明してみる。

その前に、重力というものについて知っておかないといけない。

まず、質量を持つものの周囲の時空はゆがんでる、って事実には納得してもらわなきゃならない。

つまり、「形あるモノ」の周りの空間は、なにもない空間に比べて、ひん曲がってるんだ。

例えば、天体なんて大きな物体の周りでは、時空(時間と空間)が著しくゆがんでる。

そのギャップを・・・つまり、あるべき正常な位置からゆがみの底への最短距離を加速しつづける現象が、重力の正体なんだ。

ぼくらは、ゆがんだ時空の坂をすべり下りてるわけだ。

これが一般相対性理論の「重力理論」だよ。

ニュートンさんは万有引力の理論の中で、「質量を持つもの同士は引き合う」と現象をデッサンしたけど、アインシュタインさんはさらに精密に、「どうして、どのように引き合うのか」という構造を解説してみせたわけだ。

さて、ブラックホールってものが宇宙のそこここに存在する。

なんでも吸い込んでしまう・・・というよりは、ぼくら人類の感覚からいくと、そこに向かってなんでも落っこちてしまう、という例のやつだ。

ブラックホールは、重すぎる(質量が大きすぎる)天体が膨張と収縮のバランスを失って重力崩壊した、成れの果てだ。

つまり、自分の重さで潰れた超巨大天体が、点にまで圧縮されちゃったの。

天体の全質量が、芯の一点にギュギュッと結晶化しちゃった、というか。

無限に小さな一点に、恐るべき質量が集中してるんで、そこではものすごい重力(えげつない大質量は、周囲の時空をおぞましいまでにゆがめる)が働いてるわけ。

そんなブラックホールが二つ合体した(お互いに「落ち合った」らしい)事件が、宇宙の彼方で起こった。

そうしてひとつのブラックホールにまとまるわけだけど、当然こんな場所では、とてつもない時空のゆがみが発生する。

質量による時空のゆがみは、実はその周辺だけじゃなく、どこまでもいつまでもひろがりつづける。

そのゆがみの波こそが、重力波だよ。

何億光年も離れたとこで起こったブラックホール同士の衝突の際の重力の揺らぎ・・・つまり平たく言えば、時空のゆがみの余波は、めぐりめぐって、地球上の時空をもゆがめる。

そいつを地上で観測した、ってニュースが、ある日、新聞の一面を飾ったんだった。

宇宙空間をじわじわと伝わってきた(光の速さでだけど)時空のわずかなズレが、きみの鼻先まで震わせてたんだ。

その観測の精度たるや、すごいよねえ。

重力波は、アインシュタインさんが相対性理論の中で100年も前に予言してたやつで、最近の科学界では、「そろそろ技術的に観測できそうだ」ってんで、最も関係者の興味を集めてたトピックだった。

それがついに実現したんだよ。

じゃ、その重力波を観測することがなぜそれほど重要なのか?

それはまた次回に解説してみるね。


つづく。

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