豆知識 量子場
さいきん流行りの(?)量子力学ですが、「これ以上はやさしく説明できん」と考えて書いた前回のものが「全然わからない」と言われたので、さらに噛み砕いてみます。
この考え方を念頭に置くと、世界の見方が変わってきますよ。
まず、目の前に見えてる景色を忘れて、心の目で現象を理解してみましょ。
あなたが視覚経由で脳内にとらえてる光景はすべて、人類の感覚器サイドによるパーソナル解釈な描像です。
目の前に立ち現れる光景(とあなたが信じてるもの)は、神経系のタンパク質が通電することで生じる夢に過ぎないのです。
その奥にある世界の実相を数学的に矛盾なく説明する試みが、果てしなくノーベル賞を獲りつづける最新サイエンス・量子力学です。
今回は、あなたの目の先、指の先に、実はなにがあるんか?というお話を「科学的に(宗教じゃなく!)」します。
この世界のベースは、いろんな種類のエネルギーが混じり合う真空・・・すなわち実質の「無」だと思ってください。
その各種エネルギーの波が干渉し合い、密度の高いところ同士が相互作用し合って、素粒子という現象が生じます。
ただ、ここで言う素粒子とは、つぶじゃなく、ただのエネルギーが圧縮された「点」です。
位置は持ってるけど、ひろがりも実体もありません。
この「点」が、他エネルギーの修飾によって、電磁気力を持ったり、重力に反応したりします。
ちなみにこの世界に働く力は、事実上、この電磁気力と重力のふたつがあるのみです。
世界とは、「素粒子という数学上の『点』があり」「電磁気力と重力が働く」・・・それきりなのです。(※力にはあと二種類があるけど、人類にはほぼ関係ありません)
だけど、これらが絡み合うと気体が生まれ、たくさん集まるとガスになり、雲になり、さらに凝集して石ころのような物質の様相を呈します。
なんでこんなことが起こるのかというと、素粒子は重力で引き合い、電磁気力で結び合えるからです。
と言いつつ、世界に石ころは実在しません。
それは人類サイドによる幻影です。
その石ころに見えるものは、素粒子(という数学上の解)と電磁気力と重力のエネルギーが相互作用しただけの「無の集合」ですから。
なのに、このエネルギー現象を、人類は「石ころ」と解釈する感覚器を持ってます。
幻影を実体として描写し、理解する能力を、人類(生物)は進化の過程で獲得したわけです。
あなたの指もまた、素粒子と電磁気力でできてます。
あなたの指は石ころをつまむ・・・ように見えますが、実はつまんではいません。
なぜなら、あなたの指も石ころも、「無」のエネルギー塊ですので。
だけどなぜそれがそれをつまんだように「感じる」のかというと、石ころの持つ電磁気力と指のプラスマイナスとが反発し合い、あたかもそこになにかが実在してるような「感覚」をあなたに与えるからです。
あなたの目は、指につまんだ(と思える)無のエネルギー現象を「石ころ」と視認しますが、それはエネルギー塊に差し込む光の交錯の様相を視神経が拾って解釈し、オリジナルな描像を立ち上げてるだけで、その中身は(「実」は!)空っぽなのです。
最高精度の顕微鏡で見てみると、石ころの中身は実際に空っぽです。
石ころ内の素粒子の密度たるや、拡大すると、ゴマ粒とゴマ粒が街のワンブロックほども離れてるほどスッカスカ。
肝心のゴマ粒にしても実体のない(位置のみを持つ)エネルギーですし、それらの間にひろがる果てしないすき間に存在するのは、電磁気の反発力だけ。
まさしくこの世界は真空で、感覚器の解釈が立ち上げる物質界という描像は、実際的な意味で「マボロシ」なのです。
さて、あなたの目に映る世界と、この数学的な世界・・・どちらがリアリズムなんでしょうね?
もう一度言いますが、これは最新サイエンス(宗教じゃない!)が導き出す、最高精度の世界構造です。




