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科学コラム  作者: もりを
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豆知識 量子力学

相対性理論にたどり着いたら、その先の量子力学まで知りたくなりますよね、ね。

物理の最新にして最細というこの根本理論は、もはや抽象表現、いわば哲学の領域。

だけど今のところ、世界を最も精密に説明する構造論だから、一応知っとくといいかもよ。


「量子」は「素粒子」の言い換えです。

これ以上は分割できない、物質の最小パーツなわけです。

その最小パーツを、ただの数字(量)として扱おうではないか、ってことにしたのです。

なんでそんなことをするのかっつーと、ミクロ世界に素粒子なんてものはついに実在しなかったからなのです。

昔のひとは、素粒子を実体のある粒だと思ってましたが、調べてみますと、そこには影も形も、なんにもありませんでした。

素粒子の実相は、エネルギーのひと塊、つまり一定の「数量」に過ぎなかったのです。

量は計れるのに実像がない、という。

とすれば、素粒子は「ただの数字でしかない」ってことになりますよね。

だけどそんな形のないエネルギーが、たくさん集まると実体に見えてくるから不思議なものです。

じゃ、その数字ってのはなんなの?っつーと、エネルギー最小の一個一個の量です。

これが、どれを取ってもピタリとひとつの定められた数値になってるのですね。

考えてみりゃ、これって不思議なことですよ。

エネルギーなんて、そこここにかすみみたいに散らかった茫洋としたものであって、手にもつかめず、ひと塊になんてできるものじゃありませんから。

だけどこいつを積み重ねますと(つまりエネルギー量を上げますと)、まるで整数のように数直線上で飛び飛びの値になるのです。

小数点以下がなくて、要するに途切れ途切れで、存在形が連続してないわけです。

すると形のないこいつでも、一個、二個・・・と数えることができるようになりますよね。

だから素粒子は、粒のように見えるのです。


例えば光は、むかしむかし、光子という粒(素粒子)だと考えられてました。

光が分割できることに気づいて、粒子説を決定づけたのはニュートンさんです。

ちなみにニュートンさんは、この発想を得た年に、ついでに微分積分を発明し、さらには万有引力の法則を発見するという、奇跡の一年間を送りました。

ところがその後の実験で、どうやら光は波の性質を持ってるようだぞ、となってきたのです。

粒じゃなく、かすみみたいにひろがって、手に触れようにないものだ、と。

こうしてしばらくは、光って粒なの?波なの?どっちなの?・・・という議論がつづきました。

そして時代が進みまして、アインシュタインさんが現れます。

彼はなんと「どっちも!」と大胆なことを言い、この問題に決着をつけました。

だけど、本当にそうでした。

「光は粒みたいに見える波、すなわち量子!」と、ついに人類は突き止めたのです。

この「量子力学誕生!」の論文でもって、アインシュタインさんはノーベル賞を受賞しました。

ちなみにこの人物もまた、量子の発想を得た年に、物質の最小単位を史上はじめて特定し(量子という概念に対して逆説的ですが、素粒子は存在するのだと証明し)、さらには特殊相対性理論を世に出すという、奇跡の一年間を送りました。


古典物理学ってのは、だいたいこのニュートンさんとアインシュタインさん、それにガリレオさんとの三人で全部が構成できちゃってる感じですね。

閑話休題になっちゃいましたが、量子論のつづきはまた次に。

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