第81話『ペトラ無双』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
ハンデルの営むヘルト商会にて稼働
ラウムテ帝国の皇家直臣となり、異世界初の警察組織建設のため奮闘中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
雷の魔法を使う
◎ペトラ
55歳(見た目は常人の20歳代半ばくらいの若さ)
女性 姓はリデル
ステルクステ騎士団団長
身長約230cm 筋肉質だが丸みを帯びた体型で、腹部腰部が細く括れている。
赤い肌 赤い瞳 銀色の蓬髪
亜人のオーガ族で大陸最強の戦士と謳われている。
レズでドM
好ましいと思わない相手には、とことんドS
◎アードルフ
41歳 獣人種である狸人族の男性
身長約170cm ずんぐりむっくりな体型
焦げ茶色の短髪 同じ毛色の太い尻尾
頭上に半円形の耳
ステルクステ騎士団団長ペトラの副官
巨大な戦闘斧を使う剛の者
変化の魔法を使う
◎イエルン
21歳 黄色に所々黄土色の斑点がある毛に全身を覆われた獣人、豹人族の男性
身長190cm弱 スリムでしなやかな体型
ステルクステ騎士団団長ペトラの副官アードルフの従士
非常に速い速度で走れる
◎アッケルマン辺境伯
男性 42歳 実年齢より若く見える
身長約180cm 細身 栗色短髪七三分け 榛色の瞳
ラウムテ帝国 伯爵 名はフィリベルト
その所領地は帝国貴族中、ウェイデン侯爵家に次ぐ広大さ。
北方を敵対するフリムラフ教国と接する為、その抑えの任に就く。
モンスターの収集家で、モンスターの狩猟捕獲だけを目的とする部隊を編成している。
◎ライン
男性 37歳
身長約185cm 筋肉質
黒髪短髪 黒い瞳 黒色の髭面
アッケルマン辺境伯に仕える騎士
アッケルマン伯爵が編成するモンスター猟獲隊の隊長
◎シュルス
男性 61歳 実年齢よりかなり老けて見える。
身長約155cm 痩せ型 肩までの長さの白髪
アッケルマン辺境伯に仕える魔法使い
眠りの魔法を使う
ペトラが手拳で砕いた門の向こう側に件の荷車と5名の男達が居た。
皆、いきなり門扉が砕け散ったためビックリした表情でこちらを見ている。
しかし、その中の一人、背が高く筋骨逞しい髭面の男が一歩前へ出た。アッケルマン辺境伯配下のモンスター猟獲隊隊長のラインである。
「そちらにおわすは、ステルクステ騎士団ペトラ団長閣下とお見受け致しますが、これは一体?」
「いかにもペトラだ。その荷車の荷を改めさせて貰おうか。」
「如何なる御理由で?
それに門を打ち破っての御入場、正式な御訪問ではないように思慮致しますれば、貴方様の申し出をお聞きする訳には参りません。」
「フンッ!我らが友を拐っておいて何を偉そうに申すか!!」
と、ペトラが背負っていたマイカを下ろして言った。
「エ…エルフ…何故、此処に…」
ラインがマイカを見て思わず声を洩らしてしまった。
「ほう、やはりお前、マイカのことを知っておったな。されば彼女がケルベロスの子を連れていたことも。」
その時、ペトラの後ろに控えていたイエルンも前に出てきた。
「うっ……」
イエルンを見たラインの顔色が見るからに変わった。
「お前のその顔その匂い、昨日、道を聞くふりをして私を眠らせた男に相違ないな!
それに、その荷車からはケルベロスのケルン殿の匂いがする!豹人族の私の鼻は誤魔化されんぞ!!」
「おうイエルンよ、でかした。何もかも儂の勘の通りじゃったの。
さて、お前ら、捻り潰されたくなくば、其処をどけ!」
ペトラがライン達の方へ歩み始めたところ
「眠りの魔法!就落寝!!」
と、荷車の陰からモンスター猟獲隊の一員である眠りの魔法使いシュルスが前に出てきて、そう唱えた。
ペトラの顔の辺りに向けた木の杖の先から白い靄が飛び出してくる。
「フンッ、そんなもの!
フウゥゥーーーッ!!」
ペトラは口をすぼめて大きく息を吐き出した。
その吐息の勢いは凄まじく、まるで突風のように砂埃を巻き上げ、荷車に掛けられた布の覆いをバタバタとはためかせた。
ペトラの吐息の風が起こした砂埃を避けるため目を閉じたラインやシュルス達が再び目を開けたところ、シュルスが放った眠りの魔法の白い靄は跡形もなく消えていた。
「バカな!ワシの魔法を、ただ息を吹き掛けただけで!!」
「そんなハナクソみたいなもん、儂に通用するか!お前ら、いい加減にせえよ!!」
ペトラがそう言って全身から殺気を放った。
城に入った時と同じようにその場全体の重力が増したような重苦しさが漂った。
ペトラに殺気を向けられたモンスター猟獲隊の5名は、隊長のラインを除いては立っていることも出来ず、シュルスに至っては白目を剥いて口から泡を吐いて気絶してしまった。
「ほう髭面、お前だけは中々に骨があるようじゃの。ならば儂が軽く撫でてやろうかの…」
ペトラは両手の指をボキボキと鳴らしながらラインに近付いていった。
「そこまでです、ペトラ団長!」
という声がし、奥から
身長およそ180cm 細身
茶髪七三分け へイゼル色の瞳
茶色い上下服の正装
の、30歳代前半くらいの若さに見える紳士が現れ、近付いてきた。
傍に
身長約2m
全身巌のような筋肉
スキンヘッド 黒い瞳 髭なし
黒い襟なし半袖シャツ 灰色ズボン
の壮年の大男を伴っていた。
城兵は誰も呼びにいっていない筈だから、最初からこの場に来る予定だったのだろう。
「おうアッケルマン伯、この…」
と、ペトラはアッケルマン伯とスキンヘッドの大男が近寄るよりも早く荷車の元へ行き、被せられていた布の覆いを右手で無造作に剥がした。
布の覆いに隠されていた鉄の檻が現れ、中には口と足を縛られたケルンが横たわっていた。
「ケルン!!」
マイカが叫んだが、ケルンは目を閉じたまま身動き一つしない。
「おや?檻の向こう側にも何か積んでるぞ。」
ペトラが更に進んだところ、荷台の上に横たわったケルベロスの成獣の姿があった。
これは檻にも入っておらず縛られてもいない。素のままだ。
しかし横たわっているというには様子がおかしい。4本の足を真っ直ぐ伸ばしたまま、首も垂れておらず、やや上向きのままだ。
横たわっている、というより横向きに置かれている、といった方が表現として正しいかもしれない。
「これは牝のケルベロス……の、剥製か?おう、何となく判ったぞ…
この牝のケルベロスの乳の形の張り具合、ケルンの母親か?もしかして。
そうか、この剥製を使って誘きだしケルンを捕らえたのだな?
今眠っている様子から、そのジジイのクソ魔法で眠らせたのか。」
と、ペトラが続けてアッケルマン伯に向かって言った。
「ふん、ファース!」
アッケルマン伯はペトラの問い掛けには答えず、隣のスキンヘッドの大男に話しかけた。
「はい伯爵様。ペトラ閣下、我が伯爵家に対する無礼の振る舞い、臣下の者としては看過致しかねます。
よって閣下、貴方様の御身を拘束させて頂きます。」
「何じゃとハゲ!お前ごときが儂に敵うかハゲ!戯言を抜かさず、そこでハゲとけ!ハゲ!!」
「おのれ愚弄しやがって!
この俺は金剛の魔法で己れの筋力を数十倍にも強化出来るのだ!
攻撃力も防御力も数十倍だ!いかにお前といえど、俺には敵うまい!!
金剛の魔法!肥筋鋼!!」
と、ファースが叫ぶと、ファースの周りに旋風のような突風が沸き起こった。
「ペトラ団長閣下、あの男の言っていることは本当のようです。凄まじい闘気です。」
「フンッ。」
と、一言イエルンに答えた後、ペトラの姿がその場から消えた。
消えたと思う間もなく、ファースの顔面を右拳で殴りつけていた。
ペトラに殴られたファースの身体は物凄い勢いで吹っ飛び、後方へすっ飛んでいった。
そして奥の石塀に当たっても、その塀を砕いてそのまま後方へ飛んでいき、更に奥にあった塔に全身をめり込ませてようやく止まった。
ファースの身体により根元を破壊された塔はゆっくりと倒れていった。
ファースは座った姿のまま、ピクピクと全身を痙攣させていた。
「ほお、防御力も数十倍になるというのは本当のようじゃのお。この儂が一割程も力を込めてやったのに原型を留めておるどころか、かろうじて生きておるわ。」
「…あれで一割程度…お見事でございます団長閣下。」
「持ち上げるなイエルン。あの程度の奴、貴様とて勝てぬ相手ではなかろうて。」
「あ…あ…あ……」
「バ…バケモノめ……」
ペトラが金剛の魔法使いファースを事も無げに一蹴したことに、ラインとアッケルマン伯は驚きの声を発し、固まってしまった。
第81話(終)
※エルデカ捜査メモ〈81〉
ステルクステ騎士団団長ペトラの他人に対する呼び掛けは
同格の人物を親しみを込めて呼ぶ場合
→おのし
格下の人物を親しみを込めて呼ぶ場合
→貴様
親しみのない人物を呼び捨てる場合
→お前
なのだが、彼女の副官アードルフは
「貴様とお前の使い方、逆じゃないか?」
などと常々思っている。
暴れまくるペトラ。
ハチャメチャな強さです。
やはりケルンを拐ったのはアッケルマン辺境伯配下のモンスター猟獲隊の連中の仕業でした。
マイカ達は無事にケルンを連れて帰ることは出来るのでしょうか?
これからもよろしくお願いいたします。




