第57話『ハンデルとマフダレーナ』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
ハンデルの営むヘルト商会にて稼働中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎マフダレーナ
女性 58歳
ラウムテ帝国皇宮侍女長
身長174cm 細身
白髪混じりのグレーの長髪(巻き上げてお団子ヘアーにしていることが多い)
かつて近衛騎士団員で、軽業師の異名を持っていた。
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
雷の魔法を使う
◎ベレイド子爵
男性 33歳 名はダニエル
ラウムテ帝国副宰相
身長175cm 痩せ型 黒髪 黒い瞳 口と顎にひげを生やしている
政治的手腕に優れ、摂政エフェリーネの良き補佐役。
◎レフィ
男性 5歳
ベレイド子爵の長男
身長約100cm 中肉 黒髪坊っちゃん刈り 灰色の瞳
海で溺れたところをマイカに助けられ、かつ、心肺停止の状態から、マイカの救急法によって蘇生した。
◎ソフィー
女性 27歳
ベレイド子爵夫人 レフィの母親
身長165cm 中肉 茶色の長髪ポニーテール 茶色の瞳
二人目の子を懐妊中
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎アフネス
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
ラウムテ帝国に仕えるハーフエルフの女性
父はノーマルエルフ 母は獣人種である猫人族
身長約150cmの小柄 中肉 巨乳
金色の瞳 猫目 黒いボブヘアー
エルフの耳の他、頭上にも猫のような耳がある
真実を見極める特殊能力を持つ
対魔法の魔法、土の魔法、風の魔法を使える。
ハンデルはマフダレーナと二人、皇宮裏門であるナー門近くの倉庫のような一室で、向かい合わせに椅子に座り、話をしていた。
この部屋は皇宮の御用商人などが荷下ろしや積み込みをする荷受払所で、ハンデルはこの先、頻繁にここに出入りするようになる。
「ハンデルさん、今回の恩賞の件がなくても、あなたのお店の商品を仕入れたいとは、常々思っておりましたのよ。」
「何と!それは光栄です侍女長様。
して、当商会の品を、どのようにしてお知りになられたのでしょう?」
「親類の侍女セシリア付の女中ハンナさんが、あなたのお店で買ってきた物を持ってきたり、身に付けてきたりしていたんです。
皆、可愛い、とか言って、凄く評判が良くて、それで他の侍女達も使いを出して、あなたのお店で買い物していて、それで知っておりました。」
「それはそれは。皇宮侍女様方のお気に入って頂けて、光栄の極み。」
「ですのでね、仕事の際に着用する衣装や小物などを、あなたのお店の物で揃えたならば、勤労意欲も増すと思いましてね。
今までの物は、古いだの、地味だのと陰で言ってる者も多いようなので。」
「それは願ってもいない申し出!喜んでお引き受け致しますが、ちなみに、皇宮における侍女様方、御女中方の総人数はいかほどでしょうか?」
「清掃や洗濯の係の者なども含めると2000人以上いますわよ。」
(継続的に2000人分の衣装と小物の供給となると、どえらい儲けが出るぜ!)
「このハンデルにお任せあれ!
その2000人の淑女の皆々様に満足して頂けるよう、誠心誠意努めます!」
「受けて頂いてありがとうございます。
それと、仕事の際に身に付ける物以外にも、個人的に私用で身に付ける物を欲しがる者もたくさんいると思いますの。それも…」
「勿論、承ります!」
(私服なんかは、またマイカをファッションモデルにしたやり方で購入して貰う方法でいこう!)
「ええ、でもね、この事は別に恩賞の件を抜きにしてもお願いしようと思っていたんですのよ。先に申した通り、ハンデルさんのお店の物を仕入れるのは、既に決めていたものですから。
…なので、何か別に御望みの事はありませんか?勿論、私に出来る事であれば、ですけれど。」
「いいえ、この商談ほど巨大な御恩賞はありません。他になど…勿体なさ過ぎてバチが当たります。」
「…しかし…それでは私の気が…」
と、マフダレーナは少し目を伏せて言った。頬が僅かに赤くなっている。
「…いや、これは失礼致しました。レディに恥をかかせてしまったこと、誠に申し訳ございません。
…では、一つお願いしでもよろしいでしょうか?」
「はい!何でしょう、お願いとは?」
「あ…こんな事、侍女長様に申し上げるのは筋違いだと思うのですが、一つ、調査をお願いしたく…」
「調査?何の調査です?」
「はい。もし出来なければお忘れ下さい。無理にとは決して申しません。
…ある奴隷についての記録を調べて頂きたいのです。」
「奴隷の記録…何故そのような事を?」
「…はい、実は16年前、私の只一人の妹が奴隷として売られてしまいました。
ずっと探しているのですが、いまだに何の手掛かりも得られません。
正規に取引された奴隷なので、奴隷庁に記録が残っている筈なのですが…」
「…まあ、そうでしたの…妹さんが…
しかし、奴隷となった者の親族が奴隷庁の記録文書を閲覧することは出来ませんし、閲覧可能な者が教える事も禁じられておりますわ。それは御存知?」
「…はい、やはり無理ですね。お忘れ下さい…」
そう言ったハンデルの表情には、口惜しさが溢れていた。
「…その妹さんの名と特徴は?あと、出身地と…」
「侍女長様!?」
「いえ、ね、実は昔、奴隷として買われた娘が女中として皇宮に上がる事が幾度かありましてね、まあ、買い主が女中の給料をチョロまかす目的だったんですけれども…もうその者達は解放されていますが、記録のために再び調査しようかなあ、なんて思っていたところですのよ。」
「…マフダレーナ様…」
ハンデルは、これまで侍女長様と呼んでいたが、熱い瞳を向けて、マフダレーナを名で呼んだ。
「あ、いや、本当に本当ですのよ!ですからね、その際に偶然、そう!偶然に見掛ける事があるかもしれませんよね。
それは頼まれた訳ではありませんし…大丈夫じゃないのかなあ、なんて。」
ハンデルの熱い瞳に見つめられ、マフダレーナは上気した顔で、そう早口に言った。
「…感謝に堪えません、マフダレーナ様…」
と言った後、ハンデルはマフダレーナに背を向け
「妹の名はエリー。
私と同じく茶色癖っ毛の茶色い瞳で当時6歳。
出身は帝国北部地域アルム村。」
と、マフダレーナ向かってではなく、独り言を言った風に装った。
「……ではハンデルさん、侍女や女中の衣装や小物の供給の件、あと、私的な購買の件もよろしくお願いしましてよ!」
「はい、マフダレーナ…侍女長様……この御恩は生涯忘れません…
では、これにて失礼致します。」
第57話(終)
※エルデカ捜査メモ〈57〉
奴隷庁に保管されている奴隷の記録文書には、その者の
名前
性別
年齢
出身地
身体的特徴
などが、なるべく詳しく記載されており、似顔絵などが描かれている場合もある。
記録は、その者が死亡(奴隷が死んだ時には、その理由と合わせて届出なければならない)もしくは奴隷の身分から解放されるまで保管される。
しかし、保管管理が厳重となったのは先帝ヨゼフィーネ女帝の代となってからで、それ以前は杜撰であり、また、記録を残されると困る者達によって、しばしば書庫が放火され、それによって焼失したり、盗み出されたりして消失した記録文書も多い。
従って、はっきりと残っているのは、近々30年分ほどの記録である。
マフダレーナは、奴隷として売られたハンデルの妹エリーの記録を見つけだす事が出来るのでしょうか?
もし見つける事が出来たとして、今のエリーと繋がるのでしょうか?
これからもよろしくお願いいたします。




