第54話『本質を見極める能力』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
ハンデルの営むヘルト商会にて稼働中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
◎ベレイド子爵
男性 33歳 名はダニエル
ラウムテ帝国副宰相
身長175cm 痩せ型 黒髪 黒い瞳 口と顎にひげを生やしている
政治的手腕に優れ、摂政エフェリーネの良き補佐役。
◎レフィ
男性 5歳
ベレイド子爵の長男
身長約100cm 中肉 黒髪坊っちゃん刈り 灰色の瞳
海で溺れたところをマイカに助けられ、かつ、心肺停止の状態から、マイカの救急法によって蘇生した。
◎ソフィー
女性 27歳
ベレイド子爵夫人 レフィの母親
身長165cm 中肉 茶色の長髪ポニーテール 茶色の瞳
二人目の子を懐妊中
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎アフネス
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
ラウムテ帝国に仕えるハーフエルフの女性
父はノーマルエルフ 母は獣人種である猫人族
身長約150cmの小柄 中肉 巨乳
金色の瞳 猫目 黒いボブヘアー
エルフの耳の他、頭上にも猫のような耳がある
真実を見極める特殊能力を持つ
マイカがリーセロットとララの方を見たところ、二人とも首を横に振った。
それはそうである。
二人にも自分が異世界から来たことは、つい先程話したばかりなのだから、アフネスが聞いていた訳がない。
「え…?どうして…?」
マイカが不思議に思い、アフネスに尋ねた。
「ワタシねー、モノの本質を見極める特殊能力があるんだー。」
「本質を見極める能力…」
「だからぁ、このワタシの能力でぇ、色々とアナタのことを調べてあげるぅ。
アナタ、自分のこと、何も判ってないんでしょう?」
(うわっ!そんなことまで判るのか?…何だかコワい気もするけど、生まれ変わった、このエルフの自分について知らないこと、疑問に思ったことを解明してくれるかもしれない。)
「ちょと待って下さーいねー。」
と、アフネスは後ろにあった棚から、灯りの水晶玉よりもやや小さめな水晶玉を取り出し、机の上に置いた。
「んー、どれどれー…えっ!ナニ?ナニナニ?
アハッ、アハハハ!ギャハハハハハッ!!」
アフネスが水晶玉を覗き込み大笑いしたが、マイカ達三人には水晶玉に何も見えないため、訳が判らない。
「これ、アフネス何なのです?説明しなさい!」
と、リーセロットがアフネスに言うと
「いやーアナタ達三人には見えないと思うけど、ワタシにはこの水晶に高位エルフっちの前の姿が見えてるんよ!
オッサンよ!オッサン!!」
とアフネスが答え、それに対しリーセロットが
「それは先程、私達もマイカ様から聞いたわ。でも、それを笑うなんて!
それと、高位エルフっちって言い方も、重ねて失礼よ!!」
とアフネスを窘めた。
「だって想像してみ?筋骨隆々の厳ついハゲのオッサンよ!
でも、それだけじゃなくて、目だけはキラキラしたキレイな瞳なんよ!
厳ついハゲのオッサンなのに目だけが乙女!!そんなん笑うっきゃないっしょ!!」
「ハゲのオッサン…目だけが…乙女…
クッ…ククッ…プププッ…」
リーセロットがアフネスの言った通り想像し、笑いを堪えてプルプルと震えだし、ララに至っては
「…キモッ…」
と一言、小さな声で呟いた。
(…そうか…やっぱり女性からすれば、オレってそんな感じか…
どおりでモテなかった訳だよ…)
マイカは、アフネスとリーセロット、ララの反応を見て愕然とし、床に両手両膝をついて激しく落ち込んでいた。
「マイカっち、どしたん?今はキレイだからいいじゃん。」
「アフネス!その呼び方!あと、さっきから口の利き方自体が失礼よ!!」
「うるさいなあ、リーセロットちんはー。
ワタシも高位エルフについては、パパから詳しく聞いてるし!
でも、マイカっちの中をよく見てみたら、畏まった態度とかは、本人が望んでいないみたいだよ!」
「はい、その通りです。
様を付けて呼ばれるのとか、面映ゆいというか、気マズイというか…
はっきり言って好きではありません。」
と、マイカはアフネスの発言に同意した。
「ほら、タメでいいじゃん、タメで。」
「アフネスさんの言う通りです。敬語なぞ使わず、名前もマイカと呼び捨てにして下さい。」
「え…いや…」
「し…しかし…」
と、リーセロットとララはマイカの言い分に戸惑いを見せた。
その二人の煮え切らない態度を見て、マイカは思い切って
「では私も敬語とかやめます。名前も呼び捨てにします。いや、する!
リーセロット、ララ、そしてアフネス、よろしくね!!」
と、宣言するように言った。
「ヤッホー、マイカっちヨロピクー。
ほら、リーセロットちんも、ララちんも!」
「…あ…マイカ…さん。」
「いや…マイカ…ちゃん?」
と、まだ躊躇うリーセロットとララに対して
「マ!イ!カ!!」
と、マイカは強く念を押した。
「話が違う方に逸れちゃったねー。
高位エルフについて全く知らないってことだったねー。
じゃあ、高位エルフについての伝承を最初から説明するねー。
高位エルフがワタシらエルフ種の頂点なんは、エルフの始まりだからなんよ。」
「エルフの始まり?」
「そうそう、元々エルフって、姿が、んー肉体が?無かったらしいんよね。」
「え!?肉体が!?」
「そー。魂そのものだけの存在?まー精霊みたいなもん?」
「精霊…」
「それが何らかの理由で肉体を持つようになってー、それが始まりのエルフで、高位エルフの姿だったの。
その始まりの高位エルフを祖として庸常エルフだの褐色エルフなどが生まれたらしいんだよねー。」
「全てのエルフ種は、その始まりの高位エルフの子孫ってことか。」
「そうそう。それでね、ワタシみたいな庸常エルフと、もしくは褐色エルフと他人種との合の子を混血エルフって言うけどねー、元は庸常も褐色も、高位と常人との混血だったらしいんよ。」
「ふーん…じゃあ、この私の、高位エルフはどうやって生まれてきたの?」
「高位エルフは、高位エルフ同士の番からしか生まれてこないっていうけどねー…
でも、伝承では高位エルフ同士の夫婦の話って、一度も出てこないんだよねー。何せ、高位エルフ自体が何千年に一度現れるかどうかってレベルだからねー。」
「でも、私がここに存在するんだから何処かに居るんじゃないの?
それで、高位エルフ同士の夫婦の赤ん坊として私は何年も前に生まれて、その記憶を失っているとかじゃないの?」
「うーん…それなら、マイカっちの本質を見極めている事で判る筈なんだけどねー…
どう視ても、マイカっちは1ヶ月くらい前にこっちに来たばかりで、人格は、元のオッサンのまま…としか。それ以外は見えてこないんだよねー。」
「…じゃあ、別の人格に私の魂が乗り移ったという可能性はないのかな?」
「うーん…それも、ワタシの能力なら視える筈なんだけどねー、元の人格、とか記憶?とかがね…
でも、そんなん一切ないわー。」
「でも私、この世界の言葉も文字も最初から判ってたよ、誰にも習わずに。
これって、やっぱり何年かこちらで暮らしていたからじゃない?」
「うーん…もしかして…始まりの高位エルフと同じなのかも、マイカっちは。」
「始まりのエルフと同じ…?」
「うん。始まりの高位エルフが魂そのものの存在から肉体を持った時って、突然、そこそこ成長した姿で、どっかからピョコッと出てきたんだって。」
「ピョコッと?」
「もしくは、バーンッて…よくよく考えたらオバケみたいね、始まりの高位エルフって。」
「オバケて…それと同じってか?」
(いや、確かに今のオレってオバケみたいなもんか)
「それで突然現れたのに、全てを判っていた状態で世に出てきたんだって。」
「全てを判って?」
「うん。だからマイカっちが、こっちの言葉やら文字やらが最初から判っていたのも、そういう事なんかも?始まりのエルフがそうだったように。」
「でも、私、その他の事は何も知らないよ。どんな国があるとか、どんな人がいるとか、モンスターの事とか魔法の事とか…」
「それは、前世の記憶が邪魔してるとか?
前世の記憶のせいで、この世界の情報が入る余地がなかったんじゃないかな?」
「確かに前世の事は全部覚えている!」
「まあー…マイカっちの生まれについては推定でしかモノ言えないけどねー。
言ったとおり、ワタシの能力でも見えてくるのは、前世のオッサンと、こっちの世界では、まだ1ヶ月くらいしか経ってないって事だけだからねー。
大体、高位エルフってのは謎が多いんよねー。始まりの高位エルフ以外の伝承は殆どないし。」
「始まりの高位エルフの伝承について、他にはどんなのがあるの?」
「うん。オトコとオンナの高位エルフでー、世の中の事を全て知り尽くしているだけじゃなくてー、世の事は全て、その始まりのエルフの意志で決定されている、とか、色々と言い伝えがあるよー。」
「世の中の事を知り尽くしている、とか、全てその意志で決定される、とか…
…それって、人というより…」
「そだねー、まんま神様だねー、まるでー。
だからエルフ種が多くの人々に信仰されてるのは、その始まりのエルフのせいかもねー。
でねー、一説によると、その始まりのエルフの二人はまだ生きていて、この世界の何処かに居るらしいんよ。」
「え!?じゃあ、もしかして私、その二人の娘ってことない?
他に高位エルフの夫婦って、伝承にないんでしょ?だったら、その始まりのエルフの男女から私が生まれたとか。
突然、世に出るってより、そっちの方が現実味ない?」
「んー、面白い説ねー。
その二人の実の娘じゃないにしても、世の事全てを知ってたり、その意志で決定してるってんなら、マイカっちがこっちの世界に生まれ変わった事についても、何か知ってたり関わってたりするのかもね。」
「その始まりの二人は、生きているとしたら何処に居るのかな?」
「伝承について、ワタシはパパに聞いたんだけどー、パパも伝承を全部聞く前にエルフの里を出たからさー、みんな知ってる訳じゃないのよー。
リーセロットちん、ララちんら混血エルフには庸常エルフほど詳しく伝わってないみたいだしー。
だから判らないのよー。」
「…そっか…」
第54話(終)
※エルデカ捜査メモ〈54〉
混血エルフのアフネスも、褐色エルフのリーセロットとララと同じく帝国創立期より仕えており、長い年月を生きてきている。(超長命種のエルフにとっては大した事のない年月ではあるが。)
その、長い今までの人生の中で、アフネスは何度も話し方を変えており、現在の話し方は四周目である。




