第50話『摂政エフェリーネへの謁見 その1』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
現在、異世界を彷徨い中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎マフダレーナ
女性 58歳
ラウムテ帝国皇宮侍女長
身長174cm 細身
白髪混じりのグレーの長髪(巻き上げてお団子ヘアーにしていることが多い)
かつて近衛騎士団員で、軽業師の異名を持っていた。
◎ラウレンス
男性 63歳
ラウムテ帝国 御料馬車御者
身長183cm 細身
白髪混じりの短髪 七三分け 口髭
元近衛騎士 2代前の近衛騎士団団長
皇族専用馬車の運転手兼護衛役
◎ヨゼフィーネ
女性 56歳
ラウムテ帝国第9代皇帝 帝国唯一の女帝
身長175cm 女性的な体型ではあるが、ガッチリ型
帝国中興の祖
マイカが転生してくる約1ヶ月前に他界
やがてベルンハルト近衛騎士団長が
茶色ストレート髪
白い長袖ブラウス 紺色ロングスカート
アクセサリー等は一切付けていない質素
な装い
の若い女性を伴って再び中庭にやってきた。
(あ…摂政さん。)
「はじめましてマイカ殿、ラウムテ帝国摂政エフェリーネです。」
エフェリーネが先に自ら名乗ったことについて、横にいたベルンハルトが少し驚いた様子を見せた。
(確かに。普通は偉い人って自分で喋らずに、傍の人に代わりに話させるもんだもんな…)
マイカはそう思いつつ、貴人に対する挨拶の為、地に片膝をつこうとしたところ
「跪いての拝礼は無用です、マイカ殿。たとえ平民でも罪人でない限り、立礼で結構。」
と、エフェリーネが言ってきた。
(へ、そうなの?昔の日本だったら、平伏して顔を直接見てもいけないくらいだったのに。)
マイカは膝をつこうとしていた中途半端な体勢から起立し直して気を付けをし、素早く上体を前に15度ほど前に倒す警察式の脱帽時の敬礼をした。
(あっ、ついクセが出てしまった…むしろ失礼にならなかったかな?)
そう、冷や汗をかく思いをしつつ
「マイカと申します。特別に謁を賜りますこと、至極光栄に存じます。」
と、エフェリーネに言った。
エフェリーネは、マイカのその敬礼の仕方を可笑しく思ったのか、または話し方が可笑しかったのか、「クスッ」と笑い
「良いのですよマイカ殿。この謁見は非公式なものなので、そんなに畏まらなくても。」
中庭に現れた際には、その端正な顔付きをキリッと引き締め、やや冷たい感じの印象があったエフェリーネであったが、微笑むと春の日差しのような暖かさが面に出た。
(あっ…)
エフェリーネの、その暖かい笑顔を見てマイカもホッとした気持ちになり、ふと、何気に視線をエフェリーネの左横にいるベルンハルトに移したところ、ベルンハルトは、そのエフェリーネの笑顔をポカーンと口を開けながら横目で見ていた。
「…何をニヤついておられる、マイカ殿。」
ベルンハルトがマイカの視線に気付き、マイカに向かって言った。
「えっ?」
エフェリーネが、そのベルンハルトの方を見て「クスクス」と笑い声を上げると、ベルンハルトは顔を真っ赤にした。
「私は、これにて失礼仕まつる!」
ベルンハルトは居たたまれなくなったのか、それとも、当初からマイカとエフェリーネを引き合わせた後、そうする予定だったのか、その場から去ろうとしたが、エフェリーネが
「レーデン卿も此処に居て下さい。これまで何回か会っている卿が居てくれた方がマイカ殿も緊張が和らぐでしょう。」
と、引き留め、更に
「…それに、妾も…卿が居てくれた方が、素直に話せます…」
と、ベルンハルトに言い、そして頬を赤らめて目を伏せた。
(えっ?えっ?もしかして、ベルンハルト君だけじゃなく、摂政さんも?
相思相愛なん?えっ?えーっ!?)
「何をニヤついておられるのです、マイカ殿?」
「何をニヤついておられるのか、マイカ殿?」
エフェリーネとベルンハルトが同時にマイカに突っ込みを入れた。
「さて、本題に入りますが…」
エフェリーネが一つ咳払いをして、頬が赤いまま話し始めた。
「まずは御礼を申し上げます。
宝物庫より盗まれし、妾の所有物を見つけ出して真の犯人を突き止め、近衛騎士と番兵の無実を証明してくれたこと、誠にありがとうございます。」
「あ、いえ畏れ入ります…」
(この人、皇帝の摂政だろ?この国で2番目に偉い人なんだろ?
こんなに丁寧な態度と言葉遣いを平民のオレに対して…誰に対してもこうなんかな?
もしそうなら、好感度メチャ高いけど。)
「そして先日、園遊会会場において、妾の政務補佐ベレイド子爵の嫡男の命を助けて下さった事も、子爵に代わり厚く御礼を申し上げます。」
「は、はい、あれは運良く…」
「更に、少し以前に遡れば、旧コロネル領においても殺人事件の真相を明らかにし、それがきっかけとなって、その場に居たセバスティアーンなる者がコロネルの悪行を告発した事により民を救うことが出来ました。
それもマイカ殿のおかげですね。ありがとうございました。」
「あ、いや、そんな…畏れ入ります…」
(何だ?よく知ってるな、オレの事。)
「僅か一月にも満たない間に、これ程の貢献…
これに報いるに、マイカ殿には帝国騎士号を授けようと思っていたのですが…これを辞退なさると?」
「はい。謹んで御辞退申し上げます。」
「何故に?」
(どうしようか…摂政さんにも話してしまおうか?摂政さんだけじゃなく、ベルンハルト君にも聞かれるけど…)
マイカは、エフェリーネからやや離れた後方に控えているリーセロットとララの方をチラッと見た。
リーセロットとララは、エフェリーネとベルンハルトがこの中庭に現れる前にウシャンカ帽やターバンを着け直し、エルフの特徴のある耳を隠していた。
すると、リーセロットが微かに頷いたように見えた。
「私は…実は…」
「実は?」
「この世界の人間ではないのです!」
第50話(終)
※エルデカ捜査メモ㊿
エフェリーネはマイカが思ったとおり、誰に対しても、態度、言葉遣いは丁寧であり、これは彼女の本来の出自がそうさせている部分もあるが、先帝ヨゼフィーネ女帝の教育による影響が大きい。
ヨゼフィーネ自身は他に対して君臨者たるにふさわしい、強圧的ともいえる態度をとっていたが、これは彼女自身が自ら戦地に赴き、幾多の戦いを勝利に導いたり、数々のドラスティックな改革を敢行して帝国の歴史上、最大の勢力を築き上げた実績があるため、むしろ威厳として捉えられていた。
しかし、そのような実績がないエフェリーネが、自分と同じような態度、言動では、必ず多くの反発を招くと思い
「誰に対しても、目上の人に接するような態度をとりなさい。
しかし、へりくだってはいけない。」
との教えを、ヨゼフィーネはエフェリーネに与えていた。




