第48話『皇宮到着』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
現在、異世界を彷徨い中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎マフダレーナ
女性 58歳
ラウムテ帝国皇宮侍女長
身長174cm 細身
白髪混じりのグレーの長髪(巻き上げてお団子ヘアーにしていることが多い)
かつて近衛騎士団員で、軽業師の異名を持っていた。
◎ラウレンス
男性 63歳
ラウムテ帝国 御料馬車御者
身長183cm 細身
白髪混じりの短髪 七三分け 口髭
元近衛騎士 2代前の近衛騎士団団長
皇族専用馬車の運転手兼護衛役
「エルフにとっては、やはり、この服が正装ということになるのかな?」
ベルンハルトが指定した日の朝、マイカは、この異世界に来た時に着ていた「エルフの衣」と呼ばれる、薄手の白色ワンピースに着替え、その自分の姿を姿見鏡で見ていた。
窓から入ってきた朝日に照らされ、衣の所々が虹色に光る。
「マイカ、入ってもいいか?」
ドアをノックし、ハンデルがマイカの部屋に入ってきた。
いつもシャツとズボンといった、ラフな格好のハンデルが珍しくキメこんでいる。
白色長袖シャツの上に青色のベスト
青色半ズボンの下に白いタイツ
白い紐ネクタイ
といった上下で
青色の筒型の帽子
を頭にのせ、靴も、いつものブーツではなく短靴を履いている。
「へえー、ハンデルもそういうキチンとした服を持ってるんだね。」
「おいおい、当たり前じゃないか。商談の時とかにはちゃんと正装するよ。
これは夏の正装だけど、四季に応じて色々持ってるぜ。
マイカは、そのエルフの衣で行くんだな?」
「うん。しかしこれ、最初に着ていた時よりも随分と綺麗になっている気が…
ここまでキラキラ光ったっけ?」
「そりゃそうさ、帝都一の、いや、帝国一の洗濯屋に洗って貰ったからな。
ところで、それは素肌の上に直接着ているのかい?」
「なーっ?ハンデル、アンタそれセクハラだよ!」
「何だ、そのセク、何とかって?」
「性的に嫌な事を言ったりしたりする事だよ!」
「いや!俺は別にそんなつもりじゃなく、そのエルフの衣は下着をつけないのが正式なのかな?と思っただけさ!」
(ああ、そういや、この異世界で初めて気が付いた時に下着をつけてなかったもんな…
もしかしたら、それが正式だったからなのかも?)
「そうか判った。前の世界でも、下着をつけずに着用する事が正式な衣装って、沢山あったよ。
…でも、あんな事があったからな…
だから、下着をつけずに着る気になんかなれないよ。」
「あ…悪い。思い出させちまったかな…」
「いや、大丈夫だよ。うん、もう大丈夫。
もう、あの夜みたいな事にはならないと思う。多分。」
「私めは、長年、御料馬車の御者を勤めております、ラウレンスと申します。
マイカ様、ハンデル殿を御料車にてお迎えに上がりました。」
用意が整ったので、マイカとハンデルが出発しようとしたところ、ヘルト商会本部に
年齢60歳代、長身スリム体型
白髪混じりの短髪を綺麗に七三分けにし
口髭
を生やした紳士が訪ねてきた。
黒地に銀色の糸でチューリップの柄を刺繍した上着をピシッと着こなしている。
「ご!御料車だと!?」
ハンデルが目を大きく見開いて驚いていた。
「御料馬車って、そんなに驚くような馬車なの?」
と、マイカが驚きやまないハンデルに向かって聞いた。
「いや、そりゃ驚くさ!あのなマイカ、御料馬車というのは、御皇族の乗り物なんだよ!
それを、俺達庶民の元へなんて、絶対に有り得ない事なんだよ!」
「ほえー、そんな大層なもんを、何で私達みたいなのに…」
「はい、摂政殿下が私めに特に命ぜられました、御料車でお迎えに上がるようにと。
先日、園遊会へとお招きしたのにも拘わらず、急に姿を消した事に対するお詫びの印だと。」
と、ラウレンスがマイカとハンデルに説明してくれた。
「…しかし、それが理由だけでは、あまりにも破格では…」
ハンデルは、まだ俄に信じられない様子だ。
「はい、実はもう一つ理由がございます。
そちらのマイカ様は、希少なエルフ種の中でも最も尊きエルフであるので失礼のないように、と摂政殿下がお申しになられたのでございます。」
「最も尊きエルフ…私が?」
「はい、そのようにお聞き致してございます。
ささ、早く参りましょう、摂政殿下がお待ちでございますゆえ。」
御料馬車は、鬣の長い逞しい馬体の白馬の二頭立てで、高貴な人のちょっとした移動用というより、戦闘用といった方がよい程の雰囲気を、その二頭の馬の逞しさは醸し出していた。
その二頭の馬が曳いている客車は、全体的に朱色の車体に大きな二頭の金色の龍の意匠が車体全体を覆うように施されていた。
(…上品というより、厳つさすら感じる絢爛さだな…)
と、マイカには思えた。
御料馬車は客車の造りが良いのか、または馬の走り方によるものか、はたまた、御者のラウレンスの運転の腕が良いのか、車内のマイカとハンデルは殆ど揺れを感じる事なく、滑らかに走っていった。
皇宮へは非公式の謁見であるためか、裏門であるナー門から入門した。
御物盗事件の時はナー門の内側から外へでたが、今回は逆にナー門の外から内に入る形となった。
門をくぐり抜けた直ぐの所にベルンハルト近衛騎士団長とマフダレーナ侍女長が待っていた。
「マイカ殿は私が案内するゆえ、ハンデル氏はマフダレーナ侍女長についていかれよ。」
「これはこれは、先日は充分な御挨拶も申し上げずに大変失礼致しました。
麗しき侍女長閣下に再び巡り逢えたこと、この上なき幸せにございます。」
ハンデルがマフダレーナの目を見つめながらそう言うと、マフダレーナの顔がみるみる赤くなった。
(ちょ、ハンデル、マフダレーナさん程歳が上の女性も範囲なの…いや、これも営業の一つなんか?)
「コホンッ」
とマフダレーナは取り繕ったような咳払いをして
「ハンデルさん、どうぞ私についてらっしゃい!」
と、恐らくわざとであろう、少し居丈高に言った。
歩きだしたハンデルとマフダレーナの背を見つめ
「クスッ」
と笑ってしまったマイカに向かって、ベルンハルトが
「マフダレーナ殿は、若き頃は近衛の騎士として、歳を重ねられてからは侍女長として、その身を帝国に捧げてこられた。
ゆえに、まだお独り身でな、ハンデル氏のような女性の扱いに慣れた男と接する事は無かったのであろうな。」
と穏やかな口調で説明した。
(ふーん…マフダレーナさん、ストイックな感じの方とは思っていたが…
しかし大丈夫かな?まあハンデルは節度のある男だから滅多な事はないと思うが…恩賞について過度な要求をしなければいいけど…)
マイカは先導するベルンハルトの後について長い廻廊を歩いて皇宮内を進んでいったが、人払いがされているのであろう、途中で誰とも会わなかった。
そして結構な長時間歩き、ようやく噴水のある中庭に辿り着いた。
噴水の前に誰か一人立っている。
背が高く、褐色肌、黒い瞳
黒色長袖ワンピース姿
黒色ウシャンカ帽を被った
衣服の胸元がはち切れんばかりに膨らんだ女性、摂政エフェリーネの秘書官リーセロットであった。
(おっ!あの時の爆乳美女!)
ベルンハルトはマイカをリーセロットに引き合わせると、一礼して中庭から去っていった。
「ようこそお越しくださいましたマイカ様。
お初にお目にかかります、手前は摂政秘書官のリーセロットと申します。以後お見知り置きを。」
(マイカ…様…?)
第48話(終)
※エルデカ捜査メモ㊽
御料馬車の御者ともなれば、馬車の運転技術もさることながら、いざという場合には乗っている皇族の護衛が務まる者でなければならない。
現在の御者であるラウレンスは、先々代の近衛騎士団団長であり、60歳を越えた今でも、近衛の隊長が務まる程の武の達人である。
16年前、先帝ヨゼフィーネ女帝が、当時近衛騎士団副団長(当時の団長はベルンハルトの父)であったラウレンスに請うて御料馬車の御者に就任してもらい、主に御料車の使用者となったエフェリーネの護衛に当たらせた。




