第42話『園遊会』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
現在、異世界を彷徨い中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎ウェイデン侯爵
男性 35歳 名はクンラート
ラウムテ帝国の貴族中、最も広い所領地を有する。
初代皇帝の三男を祖とし、初代皇帝の男系の血筋を継承している。
女帝ヨゼフィーネの異母妹を娶り、その間に生まれた息子のヤスペルが皇帝となる。
身長175cm 中肉
黒いクセのある髪 口ひげ
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎ヨゼフィーネ
女性 56歳
ラウムテ帝国第9代皇帝 帝国唯一の女帝
身長175cm 女性的な体型ではあるが、ガッチリ型
帝国中興の祖
マイカが転生してくる約1ヶ月前に他界
◎ドラーク公爵
男性 56歳
女帝ヨゼフィーネの夫 名はアルフレット
初代皇帝の次男を祖とし、初代皇帝からの男系血統を受け継いでいる。
身長190cm どっしり体型
白髪 白髯〈かつては灰色髪、灰色のひげ〉灰色の瞳
女帝である妻を精神的に支えてきた、実は豪の者
ヨゼフィーネが他界する約半年前に他界
◎ヤスペル
男性 5歳
ラウムテ帝国第10代皇帝
身長約100cm やせ型 金色短髪 濃い青色の瞳
ウェイデン侯爵と第9代皇帝ヨゼフィーネの異母妹であるシルフィアとの間に長子として生まれた。
従姉のエフェリーネのことが大好き
◎ハンナ
女性 19歳
皇宮侍女セシリア付きの女中として皇宮内で働く女性。
身長約165cm 中肉
ウェーブが少しかかった栗色セミロングの髪
栗色の瞳 やや下ぶくれな癒し系の見た目
◎マフダレーナ
女性 58歳
ラウムテ帝国皇宮侍女長
身長174cm 細身
白髪混じりのグレーの長髪(巻き上げてお団子ヘアーにしていることが多い)
かつて近衛騎士団員で、軽業師の異名を持っていた。
◎ノーラ
女性 10歳
圧政下にあるコロネル男爵領クライン村に住む少女
身長130cm弱 痩せ型
茶色い髪のオカッパ
青い瞳
厳しい状況下に置かれながらも夢を諦めない、明るく活発な少女
◎コロネル男爵
男性 44歳
ラウムテ帝国創立以来の名門貴族の当主
現当主で8代目
領民に重税を課し、圧政を敷くクソ野郎
◎セバスティアーン
男性 61歳
身長195cmの大柄
先代から仕える、コロネル男爵家の執事
クストストランドは、白い砂浜を持った美しい海岸のある、冬季でもさほど寒くなることのない温暖の地で、上流階級者などの別荘が建ち並ぶ保養地となっている。
その中で最も浜の景色が美しい場所に皇家の別荘があり、そこで今回の園遊会が催される。
帝都からも遠くない。馬車であれば半日もあれば着く距離だ。
「さっきから、やたら豪華な馬車ばかり見かけるな。やっぱり、みんな園遊会に向かっているのかな?
ねえ、ハンデル?」
マイカは荷車の前部から顔を覗かせて辺りを見回し、御者台のハンデルに話しかけた。
帝都からクストストランドへと続く広い街道を、多くの馬車が同じ方向へ向けて走っている。
どの馬車も豪華極まりない造りで、馬を操っている御者達も、いかにも名家の家来といった雰囲気の者達ばかりだ。
「そうだろうな。だから大きな荷車を曳いている、この馬車の方が却って目立つんだろう。
周りの馬車の連中、さっきからチラチラと、こっちを見ていやがるぜ。」
そうハンデルが言った意味も勿論含まれるが、この、明らかに行商用と思われる馬車の二頭の鹿毛の馬が、他のどんな馬車の馬よりも逞しくて立派だからだった。
その、不釣り合いともいえる馬を見て、皆、目を丸くしている。
「よく来てくれたな、マイカ殿、ハンデル氏」
園遊会会場となる皇室別荘、アールダッハ離宮の門の前で、近衛騎士団長ベルンハルトが迎えてくれた。先日見た、大きな白馬に跨がっている。
「其許らを浜の方に案内しよう。そちらに摂政殿下と御昵懇の方々が集まっておられる。」
門をくぐって直ぐの停車場で馬車から下り、同じく下馬したベルンハルトの後に尾いて歩いていった。
別荘とはいえ、離宮の名のとおり、立派な城造りの白い建物があり、その裏手が砂浜になっていた。
青い海の水面に日差しが反射して、キラキラと眩しかった。
「ほおーーっ。」
既に浜に集まっていた貴顕紳士淑女らが、マイカを見て声を上げた。
エルフとは判っていない。
マイカは赤地に白の羽細工が飾り付けられた大きな帽子を深く被り、耳を隠している。
人々が喚声を上げたのは、マイカの容貌の美しさと、身に付けている装飾品が理由だった。
マイカは、粒の大きな白い真珠が50個程も連なったネックレスを首に掛け、着ている赤いドレスによく映えている。
更に両手首にも、ネックレスのよりもやや小粒な白真珠を連ねたブレスレットを付けている。
「見事な真珠だ…大きさといい…形といい…」
「本当だ、真円に近いではないか…」
「あれ程見事な首飾りは見たことがない…」
「はて、あの美しい娘御は、何卿の令嬢なりや…?」
と、皆、マイカを見てひそひそと呟いている。
「ねえハンデル、真珠は、この世界でも価値が高いの?」
「おおよ。上流階級の人間からの人気も高くてな。しかも、これ程の上物は大貴族様も持っちゃいるまい。
見ろよ、皆、物欲しそうな目で見ていやがる。ふふふ、いくらの値が付くかな?」
「あ…やっぱり売る目的で私に身に付けさせたのか…
ところで、この真珠はどこ産なの?」
「俺が仕入れているのは、主にニウ大陸の物さ。
師匠のヘルト先生が、ニウ大陸で色々と手広くやっていてな、先生を通じて仕入れている。」
「へえー。そのニウ大陸ってとこに真珠のいい養殖地があるんだね?」
「養殖?何だと!?マイカ、お前さんが元いた世界じゃ、真珠の養殖が出来るのか!?」
「うん。私が生まれ育った日本という国が、世界一、真珠の養殖が盛んだったよ。
でも、養殖でも真珠は高価だったよ。天然だったら、凄く値が張るんじゃないの?」
「ああ、凄い高値で取引されてるぜ。
しかし、真珠の養殖ねえ。お前さんの元の世界の、その日本という国と取引したいもんだぜ…」
園遊会は立食式で、砂浜近くの芝生上に小さな丸テーブルが置かれており、そのテーブルの傍で立っていると、侍女達が飲み物や食べ物を持ってきてくれる。
飲み物や食べ物を運んできてくれる侍女達が、皆、ハンデルの方をチラチラと見てくる。
中には、思い切り熱い視線を向けてくる者もいた。
(チッ!まただ。ハンデルってヤツはモテオーラでも放出しとるのかね?)
マイカが忌々しく思っていたところ、その辺りにいた女性客から黄色い喚声が上がった。
先程マイカ達をここへ案内してくれた後、離れていたベルンハルト近衛騎士団長が再び戻ってきたのだ。
先程ハンデルに視線を投げ掛けてきた侍女達が、今度は潤んだ目でベルンハルトを見ている。
(へっ、ざまあ見ろ!ハンデル。いくらアンタでも、超イケメンの近衛騎士団長閣下には敵うまいよ!)
何だか、マイカは愉快な気持ちになってきた。
「間もなく、こちらへ摂政殿下が御成りになられます。
皆様、今しばらくお待ちくださいませ。」
ベルンハルト近衛騎士団長が、よく通る声でそう言った。
しかし、ベルンハルトが再び離れていくと、割りと多くの人が、この場所から他への移動を始めた。
(ん、何だ?メインホストの摂政さんが来られるというのに、何故、こんなに離れていく人が多いんだ?)
と、マイカが訝しんでいると
「大変だあーっ!子供が海に落ちたーー!!」
という叫び声が聞こえた。
第42話(終)
※エルデカ捜査メモ㊷
皇室が主宰する園遊会の時期や場所は、その皇帝の代によってまちまちであるが、先帝ヨゼフィーネは、いつも春季に催していた。
園遊会の会場は、今回と同じくアールダッハ離宮の場合が多く、春季開催の頃は、離宮の庭を埋め尽くすように咲くチューリップが参加者の目を楽しませていた。
今年の春季は、ヨゼフィーネが病床にあったため、園遊会は延期されていた。




