第39話『事件名:皇宮における御物窃盗事件 その5~結果報告~』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
現在、異世界を彷徨い中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
◎ララ
女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)
リーセロット配下のダークエルフの女性
身長165cm スリム体型 巨乳
黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳
クールだが、大のスイーツ好き
影の魔法を使う。
◎ウェイデン侯爵
男性 35歳 名はクンラート
ラウムテ帝国の貴族中、最も広い所領地を有する。
初代皇帝の三男を祖とし、初代皇帝の男系の血筋を継承している。
女帝ヨゼフィーネの異母妹を娶り、その間に生まれた息子のヤスペルが皇帝となる。
身長175cm 中肉
黒いクセのある髪 口ひげ
◎ベルンハルト
男性 25歳 姓はレーデン
ラウムテ帝国近衛騎士団長
身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ
金髪の短髪 アイスブルーの瞳
超イケメン
◎ヨゼフィーネ
女性 56歳
ラウムテ帝国第9代皇帝 帝国唯一の女帝
身長175cm 女性的な体型ではあるが、ガッチリ型
帝国中興の祖
マイカが転生してくる約1ヶ月前に他界
◎ドラーク公爵
男性 56歳
女帝ヨゼフィーネの夫 名はアルフレット
初代皇帝の次男を祖とし、初代皇帝からの男系血統を受け継いでいる。
身長190cm どっしり体型
白髪 白髯〈かつては灰色髪、灰色のひげ〉灰色の瞳
女帝である妻を精神的に支えてきた、実は豪の者
ヨゼフィーネが他界する約半年前に他界
◎ヤスペル
男性 5歳
ラウムテ帝国第10代皇帝
身長約100cm やせ型 金色短髪 濃い青色の瞳
ウェイデン侯爵と第9代皇帝ヨゼフィーネの異母妹であるシルフィアとの間に長子として生まれた。
従姉のエフェリーネのことが大好き
◎ハンナ
女性 19歳
皇宮侍女セシリア付きの女中として皇宮内で働く女性。
身長約165cm 中肉
ウェーブが少しかかった栗色セミロングの髪
栗色の瞳 やや下ぶくれな癒し系の見た目
◎マフダレーナ
女性 58歳
ラウムテ帝国皇宮侍女長
身長174cm 細身
白髪混じりのグレーの長髪(巻き上げてお団子ヘアーにしていることが多い)
かつて近衛騎士団員で、軽業師の異名を持っていた。
◎ノーラ
女性 10歳
圧政下にあるコロネル男爵領クライン村に住む少女
身長130cm弱 痩せ型
茶色い髪のオカッパ
青い瞳
厳しい状況下に置かれながらも夢を諦めない、明るく活発な少女
◎コロネル男爵
男性 44歳
ラウムテ帝国創立以来の名門貴族の当主
現当主で8代目
領民に重税を課し、圧政を敷くクソ野郎
◎セバスティアーン
男性 61歳
身長195cmの大柄
先代から仕える、コロネル男爵家の執事
「摂政殿下!マフダレーナ侍女長が緊急の拝謁を求めております!御物盗の犯人が判明したと!!」
リーセロットが摂政執務室に飛び込んでくるなり、エフェリーネに向かって叫ぶように言った。
「何ですって!?マフダレーナ侍女長を直ぐ様ここへ!!」
エフェリーネもまた、叫ぶように答えた。
マフダレーナ侍女長は銀製のトレーを持って執務室に入ってきた。トレーの上に朱色の袱紗包みが置かれている。
「殿下、お改め下さいませ。」
マフダレーナがエフェリーネに向かって、捧げるようにトレーを差し出した。
エフェリーネは、その袱紗包みを開いて中を見た。
「これは!
…間違いありません、これらの品々は妾が幼少の頃、大帝陛下より贈られし思い出の品々…
マフダレーナ侍女長、ありがとうございます…」
そうマフダレーナに礼を言ったエフェリーネの声は、若干、涙声になっていた。
「して、侍女長殿、この御物の品々を盗み給いし犯人は何者だったのですか?」
と、エフェリーネの横に居るリーセロットがマフダレーナに尋ねた。
「カラスにございます。」
「カラス?」
「カラス?」
マフダレーナの返答を、エフェリーネとリーセロットが同時に聞き直した。
「はい、カラスにございます。小柄なカラスが宝物庫の通気孔窓から侵入し、盗み出していたのでございます。
そのカラスの寝床に御物がございました。」
「何と…」
「………」
マフダレーナの説明に、エフェリーネとリーセロットは暫し絶句した。その後
「マフダレーナ侍女長殿!大手柄でございますぞ!よくぞ事件を解決なさいました!!」
と、リーセロット
「本当に…よくぞ!
これでエリアン騎士と番兵の潔白も証明されます。あなたのおかげです、マフダレーナ侍女長!!」
と、エフェリーネが、それぞれマフダレーナに向かって言ったが、マフダレーナは何故か浮かない顔をしている。
「お待ち下さい!」
マフダレーナが突如大きな声を出したので、笑顔になっていたエフェリーネとリーセロットの顔が少し強張った。
「どうしたのですか?マフダレーナ侍女長。」
「はい、殿下。今回の事件を解決するに至ったのは、私の功績ではございません。
外部より協力者を招き入れ、その協力者の方が全て解決して下さいました。
私は、その方の、ただ傍にいただけでございます。」
「外部の…協力者…?」
「はい、殿下。私めは、お誉めに預かるどころか、無断で外部の者を皇宮に招き入れてしまいました。
ですので、罰を受けるべきにございます。」
「その協力者というのは、侍女長の予てよりの知り合いの方ですか?」
「…いいえ、違います。今朝、初めて会った人物でございます。」
「初めて?初めて会ったというのに、何故、そのような何処の誰かも判らない者を皇宮の中に入れたのですか!?侍女長殿!」
今度はリーセロットがマフダレーナに詰問するかのように問いかけた。
「はい…初めて会ったお方でしたのに、何故か何の理由もなく、この人は信頼の置ける人物だ、と確信したのでございます。」
「それは…」
と、リーセロットは言いかけ
(それは、何らかの特殊な能力の為せる術ではないか?)
と心の中で思った。
「その協力者とは、一体、何処のどなたなのです?」
と、エフェリーネがマフダレーナに、その人物の正体について尋ねた。
「はい。城下にございます商館、ヘルト商会の職員にて、マイカと申される女性で…」
「マイカ!?」
「マイカ!?」
と、マフダレーナが口に出した名前を、エフェリーネとリーセロットが、また同時に聞き直した。
「はい、マイカさんと申される…そう!なんとエルフの方にございます!
エルフの…少女と言ってよい見た目の…何とも愛らしいエルフの女性にございます。」
「侍女長殿、そのエルフの女性の髪色は?瞳の色は?」
「はい、リーセロット殿。マイカさんは白金色の髪色で、緑色の瞳をなさっていて、優しげな感じの美しいお方でございますよ。」
「…それはまさに…高位エルフ、マイカ様…」
「おや?リーセロット殿には、ご存知の方でしたの?」
「…あ……いや、侍女長殿、別に…知ってる訳では…」
「はい。そのマイカと申されるエルフの女性のことは、予てより聞き及んでいました。」
リーセロットがマフダレーナの質問にしどろもどろになっていたところへ、エフェリーネが口を挟んだ。
「殿下!?」
「侍女長にならば話しても良いでしょう。
そのマイカなるエルフの女性は、先日、旧コロネル男爵領においても、ある事件を解決されました。
その時のマイカ殿の言動に啓発された者の告発により、コロネル元男爵の悪事が明るみに出て、旧コロネル領を解放する運びとなったのです。
さすれば、旧コロネル領の領民達を救うきっかけを作ってくれた人物として記憶しておりました。」
「まあ…そうでしたの…やはり只者ではなかったのですね、マイカさんは。
…殿下!そのようなお方とはいえ、無断で皇宮内に招き入れた私の罪は、罪。どうか私に罰をお与え下さい。
しかし、マイカさんと…あと、マイカさんに協力して頂いたヘルト商会のハンデル殿と…そしてケルン君には褒賞を賜りますよう、お願い致します。」
「ハンデル…」
そう呟いたエフェリーネは少し遠い目をした。
「ハンデルと申すは、ヘルト商会の代表で、マイカ殿の雇用主と聞き及んでいますが、ケルン…君とは何者ですか?」
「あ…はい、ケルン君、は……」
マフダレーナは、自分が言い出したのにも関わらず、言いにくそうに口を噤んでしまったが、意を決したように
「ケルン君と申すは、モンスターのケルベロスでございまして、いや、まだほんの子供なのですが、ケルン君が最終的にそのカラスを追い詰めてくれたのです。」
と、ケルンについて説明した。
「あの、地獄の番犬と恐れられているケルベロスが!?」
リーセロットがマフダレーナの説明を聞き、驚きの声を上げた。
「はい。そのケルベロスなのですが、マイカさんによく懐いていて、馬車の中でもおとなしかったですし…あと、賢くて、人の言葉が判るみたいなんですよ!少しの間一緒に居ただけですけれども、私も可愛く思えてきて…
マイカさんはケルン君のことを、大切な友達と申されておりました。」
「ケルベロスを手懐けてしまうとは、マイカ殿は、どうやら思っていた以上に面白い方のようですね、リーセロット。」
「はい…まさに。」
「マフダレーナ侍女長、貴女の英断こそが今回の事件解決を呼び寄せたのです。
罰を与えるなんて、とんでもない!
貴女にも相応の褒賞を与えますよ。」
「摂政殿下…なんと寛大な……恐悦至極にございます。」
そう言ったマフダレーナの顔は感涙に濡れていた。
第39話(終)
※エルデカ捜査メモ㊴
御物窃盗事件が解決に至り、喜んだエフェリーネとリーセロットであったが、カラスが犯人だったことで、解決する前に色々と考えを巡らせたことを二人とも恥ずかしく思い、特にリーセロットにあっては、ウェイデン侯爵による陰謀との私見を口に出したこともあり、穴があったら入りたいと思うほど、自分の早とちりを恥ずかしく思った。
事件が解決する前にエフェリーネとリーセロットが話したことについて、二人が触れることは、この先なかった。




