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第35話『事件名:皇宮における御物窃盗事件 その1~事件のあらまし~』

登場人物


◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)

 男性 59歳

 身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目

 定年間近の某県警刑事

 剣道七段(練士)柔道五段

 逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)

 雑学好きのうんちく親父

 涙もろく人情派

 素人童貞

 殉職後、異世界にエルフの美少女に転生


◎マイカ(アキラ)

 年齢16~18歳くらいの見た目

 白金色の長い髪

 緑色の瞳

 先の尖った耳

 巨乳

のエルフ美少女

 舞原彰の転生後の姿

 現在、異世界を彷徨い中


◎ケルン

 モンスターであるケルベロスの子(♂)

 3つの頭、尻尾は1本

 中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。

 火を吹く

 甘いものが好き


◎ハンデル

 男性 30歳

 身長180cm強 細身の引き締まった体型

 茶色くせ毛短髪 茶色の瞳

 旅の行商人 剣の達人

 街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。

 割りと二枚目


◎エフェリーネ

 女性 22歳

 ラウムテ帝国摂政

 第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘

 ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。

 身長165cm 中肉

 茶色セミロングストレートの髪

 やや淡い茶色の瞳


◎リーセロット

 女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)

 エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性

 身長170cm 美しい体型 爆乳

 黒髪の長髪 黒い瞳


◎ララ

 女性 年齢不詳(20歳前後の見た目)

 リーセロット配下のダークエルフの女性

 身長165cm スリム体型 巨乳

 黒髪ショートワンレングス ダークブラウンの瞳

 クールだが、大のスイーツ好き

 影の魔法を使う。


◎ウェイデン侯爵

 男性 35歳 名はクンラート

 ラウムテ帝国の貴族中、最も広い所領地を有する。

 初代皇帝の三男を祖とし、初代皇帝の男系の血筋を継承している。

 女帝ヨゼフィーネの異母妹を娶り、その間に生まれた息子のヤスペルが皇帝となる。

 身長175cm 中肉

 黒いクセのある髪 口ひげ


◎ベルンハルト

 男性 25歳 姓はレーデン

 ラウムテ帝国近衛騎士団長

 身長185cm 一見細身に見えるが、脱ぐと筋肉バキバキ

 金髪の短髪 アイスブルーの瞳

 超イケメン


◎ヨゼフィーネ

 女性 56歳

 ラウムテ帝国第9代皇帝 帝国唯一の女帝

 身長175cm 女性的な体型ではあるが、ガッチリ型

 帝国中興の祖

 マイカが転生してくる約1ヶ月前に他界


◎ドラーク公爵

 男性 56歳

 女帝ヨゼフィーネの夫 名はアルフレット

 初代皇帝の次男を祖とし、初代皇帝からの男系血統を受け継いでいる。

 身長190cm どっしり体型

 白髪 白髯〈かつては灰色髪、灰色のひげ〉灰色の瞳

 女帝である妻を精神的に支えてきた、実は豪の者

 ヨゼフィーネが他界する約半年前に他界


◎ヤスペル

 男性 5歳

 ラウムテ帝国第10代皇帝

 身長約100cm やせ型 金色短髪 濃い青色の瞳

 ウェイデン侯爵と第9代皇帝ヨゼフィーネの異母妹であるシルフィアとの間に長子として生まれた。

 従姉のエフェリーネのことが大好き


◎ハンナ

 女性 19歳

 皇宮侍女セシリア付きの女中として皇宮内で働く女性。

 身長約165cm 中肉

 ウェーブが少しかかった栗色セミロングの髪

 栗色の瞳 やや下ぶくれな癒し系の見た目

 

◎ノーラ

 女性 10歳

 圧政下にあるコロネル男爵領クライン村に住む少女

 身長130cm弱 痩せ型

 茶色い髪のオカッパ

 青い瞳

 厳しい状況下に置かれながらも夢を諦めない、明るく活発な少女


◎コロネル男爵

 男性 44歳

 ラウムテ帝国創立以来の名門貴族の当主

 現当主で8代目

 領民に重税を課し、圧政を敷くクソ野郎


◎セバスティアーン

 男性 61歳

 身長195cmの大柄

 先代から仕える、コロネル男爵家の執事

 マイカがハンナに事件のあらましを聞いたところによると、皇宮の宝物庫は1日に2回、朝と夜に必ず点検を行ない、その際は、宝物庫の表で見張りをしている番兵と、鍵を持った近衛の騎士との二人で行なうという。

 表で見張りをしている番兵は、交替の者が来てから宝物庫の中に入るのだが、この時の朝の点検の際に交替の兵がなかなか来ず、それまで表で見張りをしていた番兵が詰所まで呼びにいったらしい。

 その、番兵が交替を呼びにいった合間に、近衛騎士のエリアンが1人で宝物庫に入って点検を実施し、その日の夜の点検の際、御物(ぎょぶつ)が紛失していることが判明したのだという。


 (その状況のみで判断して、エリアンとやらを逮捕したって訳か…なんとも、はや…)


「ふむ。ハンナさん、その近衛の騎士様が捕まった時や、その後に、捕まえた側は、どれくらい他の人達に話を聞いていましたか?」


と、マイカはハンナに「知っている範囲で構わないから」と補足を付けてそう質問した。


「いいえ…その時に一緒に確認に当たる筈だった番兵の人のみのようです。

 その他の人には、全然聞いていないと思います。」


 (何ということだ、ろくに聞き込みもしていないではないか…)


「では、紛失した御物(ぎょぶつ)はどんな物なのでしょうか?

 そして、その御物(ぎょぶつ)は、どれくらい探していましたか?」


「その御物(ぎょぶつ)は、エフェリーネ摂政殿下が御幼少の頃、母君の先帝、ヨゼフィーネ大帝陛下より賜った物で、指輪だそうです。

 はい。エリアン様の衣服や、皇宮内のお仕事部屋、御自宅も探したそうですけど見つからなかったそうです。」


「お城の中の他の場所、例えば、そのエリアン様が立ち入る可能性がある所などは探したのでしょうか?」


「詳しくは知りませんが、そこまで探した様子はなさそうです。エリアン様のお部屋しか探していないと思います。」


 (捜索も至って初歩的な、単純なことしかしていない…これでは真実が全く掴めないではないか。)


「それでは、2件目の事件についてですが。」


「はい。エリアン様の件で、近衛には鍵を持たせられないということになって、次の日の朝から番兵さんが鍵を持って、交替する際に、交替に来た番兵さんと交替を受ける番兵さんの二人で点検するようになったんですけれど…

 その、エリアン様の件があった次の日の夜の点検の際、また一つ御物(ぎょぶつ)が無くなっていたんです。」


「その無くなった御物(ぎょぶつ)とは?」


「先に無くなった指輪と同じく摂政殿下の御持物で、今度はブローチです。

 それで、朝から見張りをしていた番兵が盗んだのだろうということで、その番兵さんが捕まったんです。」


「では、扉の前でそれまで見張りをしていた番兵さんが鍵を持っていたということですか?」


「いいえ、それが、鍵を持っていたのは、交替に行った番兵さんなんだそうです。」


「それでは、見張りをしていた番兵さんでは宝物庫の中に入れないのでは?」


「私もそう思うんですけれど、他に宝物庫には誰も入っていないらしく…その番兵さんしか考えられないということで…」


「…その無くなった指輪とブローチは、やはり相当な価値のある物なんでしょうね?」


「いえ!それが、そこら辺の露店なんかで売ってるような安物なんですよ。まるでオモチャのような感じの物です。

 何故そのような物を大帝陛下が摂政殿下にお贈りになったのか、今でも皇宮内の不思議の一つなんです。」


 (…そんな安価な物を、命を()してまで盗むなんて、おかしいぞ。魔が差したというには、その代償がデカすぎる。

 …第三者の介入の可能性が大きい…と、オレは思う…)


「どうだいマイカ?ハンナさんの話で、何か判ったか?」


 マイカとハンナが会話している中、ハンデルが口を挟んできた。


「いや、逆に全く判らないよ。

 何故そんな安い物を命を()けてまで盗むのか…いや、そもそも、その騎士さんと番兵さんが本当に犯人なのか、それも全く判らないよ。」


 マイカは難しい顔付きをしながらハンデルに答えた。


「さすがのマイカさんも、(さじ)を投げるってことかな?」


「違うよ。力になれるかもって大見得切ったんだから、投げ出すつもりはないよ。

 ただ、その捕まった二人を犯人とする決め手が無いということだよ。

 それなのに、よくその二人を犯人だと決め付けられたもんだなあって。」


「ふむふむ。ではマイカは、誰が犯人だと思うんだい?」


「それも判らないよ。

 ただ、私個人としては、犯人はその二人ではないんじゃないか、と思っている。

 その二人以外の誰かが犯人の可能性が高いと思っているよ。」


「二人以外の誰かって?」


「そんなもん、全く判らん。

 ハンナさん、その宝物庫に入ることが出来るのは、どんな人なんですか?」


 マイカは再びハンナに質問を始めた。


「はい。皇帝陛下と摂政殿下は、勿論中に入れます。その他の人では、摂政殿下から許可の書類を頂いた人しか…

あ、あと、ウェイデン侯爵様も入れます、書類無しでも。」


 (お…またウェイデン侯爵のお出ましか…)


(いち)貴族のウェイデン侯爵が、ですか?」


「いえ、ウェイデン侯爵様は只の貴族ではないんです。

 皇帝陛下の御父上であられますし、初代皇帝陛下からの、皇統の御血筋を継いでいらっしゃる御方ですから。」


 (ほう…なるほど…じゃあ、ウェイデン侯爵のラインも有り得るな…まあ、今の段階においては全く(つな)がらないけどな。)


「………」


「どうした、マイカ?さっきからずっと黙って。」


と、無言で考え込んでいるマイカにハンデルが話し掛けてきた。


「あーーっ、やっぱり現場に行かんと、何も判らん!第三者からの話だけでは何も見えてこん。

 すみませんハンナさん、長々と話して頂いたのに、どうやら力になれそうもなくて…」


「はい。…あら、いやだ私ったら、事件のことは固く口止めされていたのに…

 エルフさん相手だと、ついベラベラと喋っちゃった。」


 (うーん、このハンナさんも、本来秘密にしておかなくてはならない事を、何故かオレには話してくれた…

 これは、やはりオレには何か特別な能力が備わっているんじゃなかろうか?)


 ハンナは、自分が禁を破って、口止めされている事を話してしまったことにオロオロしている。


 (しかし、このハンナさん、よく事情を知ってらっしゃる。

 エリアンと番兵を捕まえた連中なんかより、余程(よほど)、情報収集能力に()けているんじゃないか?)


 (しば)しオロオロとしていたハンナだったが、急に真顔になり、マイカの目を見て


「現場に行かないと判らないということは、逆に、皇宮に来れれば何か判るということですか?」


と聞いてきた。


「まあ、行ってみなければ…行っても判らないままかもしれませんが、話を聞くだけよりは、何か掴めるかもしれません。

 …しかし、何の伝手(つて)も無い、一庶民の私が皇宮内に入るのなんて無理でしょう?」


「いえ、手は有ります!

 マイカさんが皇宮内に入れるように出来る手が……」


               第35話(終)


※エルデカ捜査メモ㉟


 皇宮侍女セシリア付きの女中ハンナは、その癒し系のルックスと、素直で、でしゃばらない控え目な性格からか、人から気軽に話し掛けられることが多く、時には秘密めいたことも、よく打ち明けられる。

 そして、その聞いた話については忘れることのない記憶力と、話の裏に隠されている事柄について正解に分析出来る頭の良さを持ち合わせている。

 以上の点から、ハンナは情報収集能力、情報分析能力に非常に長けているといえる。


 

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