第17話『マイカ』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎アキラ
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
現在、異世界を彷徨い中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎ノーラ
女性 10歳
圧政下にあるコロネル男爵領クライン村に住む少女
身長130cm弱 痩せ型
茶色い髪のオカッパ
青い瞳
厳しい状況下に置かれながらも夢を諦めない、明るく活発な少女
◎コロネル男爵
男性 44歳
帝国創立以来の名門貴族の当主
現当主で8代目
領民に重税を課し、圧政を敷くクソ野郎
◎セバスティアーン
男性 61歳
身長195cmの大柄
先代から仕える、コロネル男爵家の執事
◎マティアス
男性 21歳
赤毛の短髪 灰色の瞳
身長約180cm ガッチリ型
ウェイデン侯爵領南端の街グレンス衛兵隊の一員
4人のリーダー格で良識家
◎ニールス
男性 19歳
亜麻色の短髪 黒い瞳
身長約175cm 中肉
グレンス衛兵隊の一員
やや軟派な性格だが、気の良い優しい青年
◎レオン
男性 20歳
金色の短髪 青い瞳 割れた顎
身長約185cm ゴリマッチョ
グレンス衛兵隊の一員
筋肉バカ 性格が良い
◎レクス
男性 18歳
金色の短髪 青い瞳 丸顔 頬にそばかす
身長190cm超 デップリ体型
グレンス衛兵隊の一員 レフィの弟
少しトロそうに見えるが、素直な良い性格の持主
「ところで、お前さんは誰なんだい?名前は?何処から来た?
エルフってのは、見りゃあ判るけど。」
ハンデルは、座ったままでいるアキラの前で自身も胡座をかいて座り、そう尋ねてきた。
「私…私は……」
(どうしよう…この男に、オレは異世界から来たということを話してみようか…
旅の行商人ということなら、広く知識がありそうだし…もしかしたら他の転生人を知っているかも…)
暫しアキラは考えた。
(そうだ!ウェイデン領の衛兵達は、オレの言うことは信じられると言った。
ノーラ達には、信じて貰えるかな?って、オレ自身が疑問に思っていたから信じて貰えなかったんじゃなかろうか?
もし知らないとしても、真剣に話せばオレの言うことを信じて貰えるのでは?)
「実は、私、この世界の人間ではなくて…」
「………はい?」
「別の世界から来たんだ。ここではない、他所の世界で殺されて、気が付いたら、この世界に来ていて…姿も、元の姿とは全く違っていて…」
「…???」
「この世界のこと、何も知らない。何も判らない。
いや、これまで会った何人かの人から、少しは聞いたけれど…」
「…うーん…突拍子もない話だな…違う他所の世界なんて聞いたことないぞ。」
(ダメか…!?)
「しかし、何だろうな。お前さんの言うこと、嘘とか妄想とかと片付けるには、顔が真剣すぎる。目に真実味が溢れている。」
「あ…!そうなんだ!決して嘘はついてない。一番訳が判らないのは、私自身なんだ。」
「………」
「………」
「うーん…それで、お前さんが居た他所の世界って、どんなとこ?」
(は!信じて貰えた?)
「ええっと、まず、文明がずっと進んでいる。
自動で動く車があったり、空を飛ぶ乗り物があったり、色んな物を機械でたくさん作ったり…建物も、すごく高い建物もある。そう、中には雲に届くくらい高い建物…」
「ほう…」
「それと、モンスターは居ない。
人間も、エルフとか、半分動物みたいなのとか、そういう人は居ない。人間は皆、あなたと同じ感じの人しか居ない。」
「ほうほう…じゃあ魔法は?魔法はあるみたいだな?
自動で動く車とか、空飛ぶ乗り物とか、たくさん物を作る機械とかは、魔法で動かすんだろ?」
「違う。燃料、エネルギーで動かすんだ。油とか、ガスとか、電気とか、魔法はない…
いや、逆に聞くけど、こちらの世界には魔法が存在するんですか?」
「ああ、魔法を使える者は、ごく僅かだけどな。
お前さん、エルフだから使えるんじゃないか?エルフには魔法が得意な者が多いと聞くぞ。」
(魔法か…こちらに来てから全く意識してなかったけれど…)
「お前さんの話、実に興味深いな。もっと聞きたいよ。
で、お前さんの名前は?元の世界での。」
「舞原 彰」
「マイハラアキラ?何だよそれ、へんちくりんな名前だな。」
「へんちくりん、って何だよ!男だったんだよ。元の世界では。
オッサンだったんだ。だから男の名前なんだよ!」
「男…?お前さんが?しかも、オッサンて…
ハハ、ハハハハ、ギャハハハハ!」
「何だよ!何で笑うんだよ!?嘘や冗談は言ってないぞ!!」
「ハハハハ、いや…ハハハ、その身体に…オッサンの顔が付いてるの想像しちまって…ハハ、ギャハハハハ!」
暫く笑い続けるハンデルを、ムッとした表情でアキラは睨んだ
「いや、悪かった悪かった。しかし、マイハラ アキラってのは、男性名にしても妙なんだって、こちらでは。
大体、どんな意味の名だ?名の由来とかは?」
「舞原が名字で、彰が名だよ。意味は…」
「名字だって!?お前さん、元に居た所じゃあ貴族だったのか?」
「違うよ。只の庶民だよ。」
「へえ…庶民が名字ねえ、こちらでは名字を名乗るなんて、貴族のお偉いさんくらいなんだぜ。」
(なるほど、日本も明治に入るまでは、庶民には名字が無かったからな…)
「いや、どっちにしろ、マイハラアキラってのは、こちらでは奇妙すぎて、滑稽な響きしかねえぜ。
元の所から死んで、こっちに来たんだろ?
なら、心機一転、新しい名前を名乗ってみてはどうだい?」
「うん、たしかに。女性名を考えようかと思っていたところだ。」
「そっか。なら、マ イ ハ ラ ア キ ラ…
マ…イ……
お!マイカって、どうだい?マ イ カ 」
「マイカ…?」
「そう、マイカ!こちらでは割りと一般的な女性名で、〈美しい〉とか〈見た目の良い〉とかいう意味があるのさ。
現在のお前さんにはピッタリじゃねぇかい?」
(マイカ…か…何となく日本名的な響きもあるな。)
「マイカ、か。良い名だね。
うん。これから、マイカと名乗ることにするよ!」
知らず知らずのうち、ハンデルの話す口調は砕けた感じとなり、アキラ改めマイカは敬語を使うのをやめていたが、お互い、それが元々だったかのように自然に会話していた。
第17話(終)
※エルデカ捜査メモ⑰
この異世界では、ハンデルが言ったとおり、庶民は名字を持たず、貴族階級にある者でも、下級貴族では、名字を持たない者もいる。
帝国の貴族の位は、位の高い方から順に
公爵
侯爵
伯爵
子爵
男爵
上騎士
騎士
準騎士
勲士
となっているが、この内、勲士は名字を持たず、準騎士でも、名字を持たない者の方が多い。
なので、日本の江戸時代よりも、名字を持たない者の割合は、ずっと多い。




